あなたにおすすめ
マックスマーラ:波瑠、柔道・阿部兄妹、内田理央、のん、ローラがドレスアップ! 8年ぶり公の場になった3児の母・加藤あいも
15日に公開された映画「トラさん~僕が猫になったワケ~」(筧昌也監督)で、人気グループ「Kis-My-Ft2(キスマイフットツー)」の北山宏光さんが演じる売れないマンガ家、高畑寿々男の妻・奈津子を演じている女優の多部未華子さん。演じた奈津子は、かつては人気マンガ家だったが、いまや酒とギャンブルにおぼれる寿々男を明るく支え、寿々男が交通事故で亡くなったあとは、一人娘の実優(平澤宏々路=こころ=さん)とけなげに生きていく女性だ。多部さんに、撮影中のエピソードや理想の家族像、結婚観などについて聞いた。
◇原作ものも意識せず自然体で
多部さんは今作に出演が決まり、原作のマンガを読んで、「すごく感動しました。主人公の顔と北山さんの顔がそっくりすぎてちょっと笑いました(笑い)」と笑顔で明かす。 その上で脚本を読んで、奈津子のキャラクターについては「原作マンガのよさがそのまま。奈津子のいいところがそのまま脚本にもなっていました」とうれしそうに語る。
原作のある作品を演じるにあたっては「原作を渡されて読むときはすごく意識するんですけれど、撮影が始まったら忘れちゃう……。というか現場では監督が言った言葉がすべてだと思いますので、そのときにあまり、原作ってこうだったよねとかは思わないですね。いつもそうかもしれない」と意識せず、自然体で演じるように心がけている。
◇家族3人、いつも一緒だった
映画は温かい家族愛が描かれている。撮影もアットホームな雰囲気だったそうで、「待機場所も狭かったからずっと家族役3人でいる状況が多くて、3人でずっとしゃべっていて、撮影だよって呼ばれたら3人で行って撮影して、お昼になったら3人でご飯を食べて。ずっとそういう(家族一緒の)毎日でした」と振り返る。
北山さんのキャラクターも手伝って、3人でいると「仕事のような感覚じゃなかったというと失礼かもしれないですけれど、友達みたいな感じでした。待機場所ではみんなでリラックスしてしゃべっていて。宏々路ちゃんのタブレットでアプリのゲームをやったり、学校ではやっているアニメとかそんな話をしながら……。単純にいい家族だなと思う」と劇中同様、仲のいい家族だったようだ。
家族の中でも「奈津子の存在は一番大きくて、明るくて、お金がなくてもニコニコ、そんな状況の中でいかに楽しく、考え込まずに、苦にするわけでもでもなく、自然と楽観的な考えになるような思考回路でないと、寿々男みたいな人と結婚することはできないだろうなと思います」と考えた。
そんな奈津子のいる家族の関係は「バランスがいい家族だと思いました。単体で見ると寿々男はだめな男性だけれど、単純に奈津子いるから生きてこられているし。奈津子の背景は映画ではあまり描かれていないんですけれど、きっと寿々男がいなかったら自分のことを保つことができない女性だったのかもしれない。そこで子供ができて……。やっぱりバランスがいい。いいなあと思います。単純にいい家族だなと思います」と思いをはせる。
◇理想の家族像語る
多部さんの中で理想の家族とは? 「小坂明子さんの『あなた』の歌詞のような家族はいいなと思いますね。そんなにうまくはいかないと思っているけれど(笑い)。『真っ赤なバラと白いパンジー。子犬の横にはあなた』みたいな(笑い)。小さな家でも家とあなたがいたらいいわっていう。私自身は、そんなにうまいこといかない気がしますけれど(笑い)。理想ではありますね」と語る。
理想の家族を築くにはまず結婚しなくてはならないが、「分別がつかないうちに結婚しておけばよかったと思いますね。この年になるといろいろ考えちゃうので……」とさばさばと語る。
ただし、寿々男のような男性は「絶対に選ばないですね(笑い)」ときっぱり。「引っ張ってくれる人がいいですね。寿々男はマンガ家としての才能はあるかもしれないですけれど、才能よりも安定がほしいです。愛が深い、家族愛が深いところはいいなと思いますけれど。でも、そこだけ……(笑い)」と理由を説明した。
◇一番近くにいる人に伝えることの大切さ
映画の見どころとして「家族の話で家族愛もそうだし、友達でも家族でも恋人でも、一番近くにいる人にこそ、伝えられていないこと、やっておけばよかったなと思うことがいっぱいあると思うので、ああしておけばよかったとなる前に伝えることの大切さをこの作品を見て感じてほしい。あと、猫がたくさん出てくるので、猫好きの人は必見です。飯豊まりえさんが演じた猫がめちゃくちゃ可愛い。私もあれ、やりたかったなと思いました」と語った。
映画は、2014年から女性向けマンガ誌「月刊YOU」(集英社)で連載された板羽皆さんのマンガが原作。売れないマンガ家の高畑寿々男(北山さん)は、ある日、交通事故で亡くなってしまう。地獄行きと思ったが、あまりのクズっぷりに「関所」の裁判長から「家族の本当の心と自分の本当の心を見つめ直せ」と言われ、寿々男は1カ月の“執行猶予”で家族の元に猫として戻される……というストーリー。バカリズムさん、要潤さんらも出演する。
次回は、休日の過ごし方や30代を迎えた心境の変化、10年後などについて聞く。
<プロフィル>
たべ・みかこ 1989年1月25日生まれ、東京都出身。映画デビュー作の「HONOKIO」と「青空のゆくえ」(共に2005年)で、ブルーリボン賞新人賞を受賞。09年にはNHK連続テレビ小説「つばさ」でヒロインを演じた。近年の映画出演作は「ピース オブ ケイク」(15年)、「あやしい彼女」(16年)、「日日是好日」(18年)など。19年の公開待機作に「多十郎殉愛記」「アイネクライネナハトムジーク」がある。