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女優の永野芽郁さんと人気グループ「DISH//」のメンバー、北村匠海さんのダブル主演映画「君は月夜に光り輝く」(月川翔監督)が15日からTOHOシネマズ日比谷(東京都千代田区)ほかで公開される。不治の病に侵されたヒロインと、彼女の願いを「代行体験」する青年が絆を深めていくラブストーリー。ファンタジックな要素を多分に含んだ内容ながら、生きるということ、人を思うということについて、改めて考えさせられる作品だ。
高校生の岡田卓也(北村さん)は、病院に入院中の同級生、渡良瀬まみず(永野さん)に届け物をするために病室を訪れる。まみずは、細胞異常で皮膚が発光する不治の病「発光病」にかかっていた。病院から出られないまみずのために、彼女の願いを代わって実行する「代行体験」をすることになる卓也。やがて2人の間には絆が生まれ、それは恋心に変わっていく。しかし、まみずの病気は進行していき……というストーリー。第23回電撃小説大賞を受賞した佐野徹夜さんの小説を、「君の膵臓(すいぞう)をたべたい」(2017年)、「響-HIBIKI-」(18年)などで知られる月川監督が映画化した。
優しさのかたまりのような卓也を北村さんが好演。まみずのために手を尽くす卓也が頼もしく見えた。永野さんも「余命ゼロ」のヒロインを愛らしく演じ切り、その屈託ない笑顔は心に深く刻み込まれた。そのほか、甲斐翔真さん、松本穂香さん、今田美桜さん、優香さん、生田智子さん、長谷川京子さん、及川光博さんらが出演する。
スマホを使った、まみずと卓也の遠隔デートや、イヤホンを分け合っての音楽鑑賞など、思春期の少年、少女には胸キュンのシチュエーションが詰め込まれている。一方で、余命を前向きに生きようとするまみずと、彼女を支える卓也の姿には、光り輝く生き方とはかくあるべきと思い知らされた。まみずが卓也に託す最後の代行体験は、私たちへのメッセージでもある。それには大人も胸を突かれるはずだ。(りんたいこ/フリーライター)