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彼女がキレイな理由:竹内結子さん 休日は「決めごとをしないで過ごす」 10年後は…

 女優の竹内結子さんが出演する映画「長いお別れ」(中野量太監督)が公開中だ。今作で竹内さんは、認知症になった父・昇平と、昇平を献身的に支える妻・曜子の長女で、夫の転勤で息子と米国に移住した今村麻里を演じている。「私は無精なので、逆に麻里の環境がうらやましいです」と語る竹内さんに、オフの日の過ごし方や10年後の自分、さらに女性が輝き続ける秘訣(ひけつ)を聞いた。

 ◇趣味は作らない

 竹内さんは、オフの日は「目覚ましをかけずに寝る。おなかが空いたら食べる。ものすごく動物的ですよね」と笑う。平日は、朝決まった時間に起きて子供を学校に送り出すが、休みの日には「二度寝する幸福感に浸ります(笑い)」と屈託ない笑顔を浮かべる。

 休日にはこれをする、という決め事もしないそうで、以前、趣味を見つけようと思ったこともあったそうだが、「それをやると逆に強制されている気がしてしまうというか、日課を作ることが苦しくなっちゃう方なんです。何も決めないで、やりたいと思ったときが“しごろ”かなと思って、無理に趣味を作ろうとすることはやめました」と朗らかに語る。そして、流れに乗って生活するのが性に合っているのか、「仕事や撮影期間に入ると、いろいろ制約が出てくるので、普段は制限を設けない方がいいと思っているのかもしれませんね」と自身について客観視している。

 ◇食べたいものを食べる

 母役の松原智恵子さんは1945年生まれ。80年生まれの竹内さんと、次女役で、85年生まれの蒼井優さんとで“三姉妹”と言っても過言ではないほど若々しく、中野監督をして、「少女のようで(笑い)、撮影現場でも松原さんが一番下の妹のようになっていました」と言わしめるほどチャーミングだ。松原さんについて竹内さんは、「なんなのでしょうね、松原さんのあの目の輝き(笑い)。見る者みんなを“初恋”の状態にさせる、あの松原さんの魅力は……」と感服する。

 かくいう竹内さんも、96年に女優デビューし、ヒロインを務めたNHK連続テレビ小説「あすか」(99年)に出演してから、かれこれ20年がたつが、当時と変わらぬ美しさとみずみずしさを保ち続けている。その秘訣を尋ねると、「うーん、なんだろう……」と少し考えてから、「1カ月に1回、爪お手入れ、たまにお肌や髪のお手入れに行くことですかね」との答えが返ってきた。

 その上で、「強いて言えば」と挙げたのは、「自分の体調に合わせて食べたいものを食べるようにしている」こと。「脂っこいものが続くと酸っぱいものを食べたいなとか、苦いお野菜でちょっとデトックス感を得たいなとか、そういうのを割と自分の中に感じる方なので、体調に従って、ちゃんと自炊もするし、外食も楽しむことで、(ストレスを)ため込まないようにしています」と語る。とはいえ、「ストレスってどうしてもたまりますからね。ですから、(問題が起きても)しょうがないと思えたら、オーケーと考えるようにしている」そうだ。

 ◇長い休みは苦手?

 となれば、ストレス発散のためにも長い休みは大歓迎のはずだが……。「それが、結構不安でたまらないんですよ、休みって。次(の仕事)を決めて休むというのが今までのパターンなので、逆に休みをどかーんと用意されると、それはそれで、さて何をしようって戸惑っちゃうんです」と打ち明ける。

 「最初はひとまず寝て過ごす。だらだらする。で、そろそろ何かしようかなと思うんですけど、もうちょっと寝ておこうとグダグダがしばらく続いて(笑い)。休みが終わる1週間ぐらい前に、あれをやっておけばよかった、これをやっておけばよかったと後悔することになると思います。それはたぶん、小学生のときから変わっていない気がします(笑い)」と苦笑交じりに明かす。

 ちなみに、「寒いよりは暖かいところの方が好き」で、「暖かいところに行くと“こわばり”が解けるというか。海外でも国内でも、暖かいところに行きたい」という。

 ◇10年後は…

 そんな竹内さんに、自身の10年後を想像してもらうと、「令和10年。わお!(笑い)。とりあえず健康で、朗らかに過ごしていられるといいなと思います」とした上で、女優業について、「この職業には定年退職というものがありませんし、自分が辞めますと言わない限り、あと、オファーがいただける限りは続けていけると思うので、10年後もオファーがありますように(笑い)」とちゃめっ気たっぷりに語る。

 ただ、どんな役を演じるにせよ、「一つでいいから何か新しいもの、例えば、年齢の近い女性、それこそ母親役もこれから増えていくでしょうし、そういうときに、たとえ同じ母親役でも、小さい発見でいいので、以前やった役ではこういうものはなかったなというものに出会えたらいいなと思います」と真摯(しんし)に語った。

 映画は、直木賞作家・中島京子さんの同名小説(文藝春秋)が原作。父・東昇平の70歳の誕生会が開かれることになり、久しぶりに東家に、長女・麻里と次女・芙美が里帰りする。そんな娘たちに、母・曜子が告げたのは、昇平が半年前に認知症になったということだった。娘たちの戸惑いをよそに明るく振る舞う曜子。そして、日に日に記憶を失っていく昇平。そんな4人と彼らを取り巻く家族の7年間の道のりが描かれている。昇平を山崎努さん、曜子を松原さん、麻里を竹内さん、芙美を蒼井さんが演じるほか、北村有起哉さん、中村倫也さんらが出演する。映画「湯を沸かすほどの熱い愛」(2016年)の中野量太監督がメガホンをとった。

 <プロフィル>

 たけうち・ゆうこ 1980年4月1日生まれ、埼玉県出身。96年に女優デビュー。主な出演作品に「黄泉がえり」(2003年)、「いま、会いにゆきます」(04年)、「ストロベリーナイト」(13年)、「残穢(ざんえ)-住んではいけない部屋-」「クリーピー 偽りの隣人」(共に16年)、「旅猫リポート」(18年)、「コンフィデンスマンJP」(19年)などがある。映画「決算!忠臣蔵」(11月22日公開)が公開待機中。

 (取材・文/りんたいこ)

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