「第32回東京国際映画祭」の「ウーマン・イン・モーション」のトークイベントに登場した蜷川実花さん
写真家で映画監督の蜷川実花さんが10月31日、東京都内で行われた、「第32回東京国際映画祭」の「ウーマン・イン・モーション」のトークイベントに、女優の寺島しのぶさん、アーティストのスプツニ子!さんと登場した。現在34歳のスプツニ子!さんが、母親でありながら、第⼀線で活躍し続ける寺島さんと蜷川さんを「まさにロールモデルです!」と絶賛すると、寺島さんと蜷川さんは、自身がそうだったように、子供が小さい頃から母親として働く自分たちの背中を見せることで「女性だからこうあるべき」という概念にとらわれない教えを自然と子供たちに説いてきたと語っていた。
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また、スプツニ子!さんが「映画業界には男性が多い」と話すと、うなずいた蜷川さんは「女性の視点を持つことはオリジナリティーにもつながってきたし、映画を見た女性が肩で風を切って、自信を持って帰っていけるような映画にしたいと思っていつも作っている」と映画作りへの思いを語った。
さらに、自身の映画製作の現場には女性が多いといい「好きな服を着て、好きなネイルをして生き生きと仕事している。ヘアカラーをしている女性も多いから差し入れをヘアカラー剤にしたこともある」と明かし、観客を驚かせた。寺島さんも映画製作の現場について「女性の技師さんも増えましたよね」とコメントすると、蜷川さんは「それでも、子育てをしながらというのはやっぱり少ない」と言及。厳しい現状を打破するべく、土日の撮影は子連れOKにする取り組みや、次回作の現場では保育士を雇ってサポートする態勢を整えることを検討していると明かした。
またハリウッドの有名プロデューサーのセクハラ問題をきっかけに広がった「#MeToo ムーブメント」から2年がたち、今後の日本映画界をどう導いていくか聞かれた蜷川さんは「私は『とにかく大人の女性って楽しいよ』と伝えて、自分自身が楽しんで実際に体現していくことで、それがみんなに伝わるようにしていきたい」とコメント。寺島さんは「男性や女性としてではなく、それぞれが自分を主張していける力を持つことが大事。性別にこだわらず、もっといろいろな人間がいたっていいと思うし、私自身も女優として多面性を持てるようにしてきたい」と力強く語った。
「ウーマン・イン・モーション」は、2015年、カンヌ国際映画祭のオフィシャル・パートナーとなった、フランス・パリのグローバル・ラグジュアリー・グループ「ケリング」が、俳優やスタッフなど映画界で働くすべての女性の地位向上や格差の是正などについての対話を目的としてスタートしたイベント。これまでも女優のジョディ・フォスターさんや、サルマ・ハエックさん、ジュリエット・ビノシュさんら多くの著名人がディスカッションに参加している。
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