映画「地獄少女」の場面写真(C)地獄少女プロジェクト/2019 映画『地獄少女』製作委員会
モデルで女優の玉城ティナさん主演映画「地獄少女」(白石晃士監督)が11月15日から新宿バルト9(東京都新宿区)ほかで公開される。「いっぺん、死んでみる?」の決めぜりふと共に相手を地獄へ送る謎の少女を描くホラーアニメが原作。異形のたたずまいで強烈な印象を残す玉城さんの地獄少女・閻魔あいはもちろん、劇場版アニメ「天気の子」でヒロイン陽菜の声優を務めた森七菜さんの感情をむき出しにした熱演も見どころだ。
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原作のテレビアニメは、午前0時にだけアクセスできるサイト「地獄通信」に恨みを書き込むと、地獄少女の閻魔あいが現れ、相手を地獄に送ってくれる、という内容。2005年に第1期が放送され、その後、実写ドラマ化、舞台化されるなど人気となった。2017年には、約8年ぶりの新作でテレビアニメ4期「宵伽(よいのとぎ)」が放送された。
人気アーティスト、魔鬼(藤田富さん)のライブで知り合った南條遥(仁村紗和さん)に魅了された女子高生の市川美保(森さん)は、遥と一緒にコーラスのオーディションを受けることに。遥は合格するが、やがて美保に冷たくなるなど、少しずつ様子がおかしくなる。遥を心配した美保は、魔鬼が遥をライブでの「儀式」のいけにえにしようとしていることを知り、遥を奪い、その命までも奪おうとする魔鬼を地獄送りにするため、うわさのサイト「地獄通信」にアクセスする……。
インディーズアイドルの御厨早苗役で「SKE48」の大場美奈さん、地獄少女の取材を続けるルポライター、工藤仁役で波岡一喜さん、閻魔あいと行動を共にする輪入道役で麿赤兒さん、一目連役で楽駆さん、骨女役で橋本マナミさんも出演する。
物語は、森さん演じる引っ込み思案の女子高生、美保の行動が一つの軸となり進行する。遥と行動を共にする美保の屈託のない笑顔とけなげな姿勢は心温まる。それだけに、後半、「地獄に落としてやる!」と叫び狂乱した姿は、すごみがあって強烈。森さんの感情の振り幅の広い演技にうならされた。そして何といっても、着物姿に黒髪ウィッグといういでたちの玉城さんは、妖艶な閻魔あいそのもの。目線を合わせず、感情を読めない目で「いっぺん、死んでみる?」と決めぜりふを言う姿には底知れない不気味さを感じ、ゾクリとさせられる。劇中では玉城さんが童謡を口ずさむシーンも多く、こちらにも注目してほしい。(河鰭悠太郎/フリーライター)
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