映画「カツベン!」の場面写真(C)2019「カツベン!」製作委員会
周防正行監督の5年ぶりの新作映画「カツベン!」が、12月13日から丸の内TOEI(東京都中央区)ほかで公開される。無声映画時代に人気を博した活動弁士が主人公の喜劇。笑いとアクションがたっぷり盛り込まれている。俳優の成田凌さんが映画初主演で活動弁士役を演じる。ヒロイン役は黒島結菜さん。永瀬正敏さん、高良健吾さんも弁士として登場。大正時代の風景を細部にわたって再現するなど、映画への愛が詰まった作品だ。
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染谷俊太郎(成田さん)は、子供時代に活動小屋で見た活動弁士に憧れていたが、今やニセ弁士となって泥棒一味の片棒を担いでいた。そんな生活に嫌気のさした俊太郎は、泥棒一味からお金を奪って逃げ、流れ着いた町の活動小屋、靑木館で働き始める。そこは、隣町のライバル映画館に客も人手も引き抜かれ、閑古鳥が鳴いていた上、働き手はくせ者ばかりだった。熱血刑事の木村(竹野内豊さん)は、泥棒一味から逃げたニセ弁士を追っていた……。
泥棒一味の一人に音尾琢真さん、ライバルのタチバナ館社長に周防組常連の小日向文世さん、社長令嬢に井上真央さんが扮(ふん)したほか、山本耕史さんが牧野省三役、池松壮亮さんが二川文太郎役と、実在した人物を演じる。ほかにも、竹中直人さん、渡辺えりさんら、周防組おなじみの俳優が顔をそろえた。
活動写真が子供から大人まで楽しませていた情景から語られ、最初からとてもワクワクさせられる。俊太郎が弁士という夢に向かって進んでいくドラマではあるが、泥棒一味から逃げてきた過去や、流れ着いた活動小屋には酔っぱらい弁士や、人使いの荒い館主がいて、後半どうなっていくのか見当もつかない。
弁士がスターだった当時の活動小屋の雰囲気が生き生きとつづられ、まるでタイムスリップしたかのよう。小屋で上映される映像が劇中劇となっているのも楽しい。成田さん、永瀬さん、高良さんの、キャラが立った弁士ぶりも楽しめる。俊太郎が初恋相手との再会や、ライバル館の陰謀など大きな渦に巻き込まれていくさまが豪快に描かれていく。
助監督として周防組を20年支えてきた片島章三さんが脚本と監督補を務める。オーディションで主人公に選ばれた成田さんは、ボイストレーニングから始まり、弁士の特訓に約4カ月かけたという。劇中の「金色夜叉」「椿姫」などの無声映画は、35ミリのモノクロフィルムで新たに撮影され、シャーロット・ケイト・フォックスさん、上白石萌音さん、城田優さん、草刈民代さんが出演している。奥田民生さんがエンディング曲を担当した。(キョーコ/フリーライター)
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