動画配信サービス「Netflix」のオリジナルドラマ「FOLLOWERS」で百田なつめを演じる池田エライザさん
蜷川実花さんが監督を務める、動画配信サービス「Netflix(ネットフリックス)」のオリジナルドラマ「FOLLOWERS(フォロワーズ)」に出演する池田エライザさん。同作は、東京で貪欲に自分なりの幸せをつかもうとする女性の生き方を描いた群像劇で、池田さんは女優を夢みて上京するも全く芽の出ない百田なつめを演じる。池田さんに演じるなつめへの思いや女優という仕事をする上での疑問や葛藤、2020年の抱負などを聞いた。
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◇撮影を終えて心境に変化 「豊かさをもらえた」
池田さんが演じるなつめは、「女優になりたい」という夢を抱いて上京し、アルバイトで生計を立てている女性。CM撮影に呼ばれるも傲慢なスタッフの態度に怒り、その反骨心に共鳴した中谷美紀さん演じる気鋭の写真家リミがその姿を撮影、SNSにアップされたことで運命が大きく動き出す。池田さんは「なつめは“怒りの力”を持っている。理不尽なことは許せないんですよね。それは、すごく分かるなと思います」と共感する。
社会で人と関わり、仕事をする中で、時には理不尽な言動と向き合わなければならない。だが、「それでも、なつめは立ち向かわなくてもいいようなでっかい怪物に丸腰で立ち向かおうとする。そういうところは、私もずっと根底に持っているなと思いました。『そういう世界なの』と言われても『そんなの間違っている!』と言っちゃうなつめが大好きです」と役への思いを明かす。
今回の蜷川監督や中谷さん、夏木マリさんらとの撮影を通して、池田さんの心境にも変化があったという。「現場の方の一人一人が素晴らしい人格者だったことがすごく救いでした。この現場にいることで、いろんな知識や豊かさをもらえたなと思います。優しくなった(笑い)」と池田さん。「撮影を終えてから、いろんなことに対して、あきらめるんじゃなくて『いつかこうしてやろう』と思えるようになりました。先輩たちの意見を聞いて『今は理不尽な状況だけど、頑張ればそれを変えていけるかもな』と、そういうとらえ方ができるようになりましたね」と打ち明ける。
◇常に「自分のことを研究」 ファッションのこだわりは…
今作は、蜷川監督らしいカラフルで華やかな映像が印象的だ。なつめをはじめ、登場人物たちもカラフルで個性的なファッションを披露し、映像に彩りを与えている。池田さんは「すてきなファッションチームの方々がたくさんのお洋服を持ってきてくださって。みんなであれこれ着せ替えて、着せ替えパーティーみたいに作っていきました」と舞台裏を説明する。エモーショナルなシーンでは、効果を考えて洋服を選び抜いたという。
そんな池田さん自身は、ファッションにどんなこだわりを持っているのか。「昨年、ちゃんとブランドを身にまとおう、と思った時期があったんです。それまで安くても着たり脱いだりが楽ならいいやと思っていたんですが、技術者へのリスペクトを込めて歴史あるブランドを身にまとって、そこから品格が得られないかと……」と明かす。「でも、それが毎日だと疲れちゃうなと思って、今はバランスを考えるのがすごく楽しいです。ファストファッションとお気に入りのブランドを組み合わせてみたり」と笑顔で語る。
コーディネートは「どこかしらがタイトな服を着る」などの“マイルール”があるといい、「その中でいろんな挑戦ができないかと考えています」と楽しそうに話す。最近はシースルーのタートルネックにハマっており、重ね着をするなどして楽しんでいるという。
映画やテレビドラマでも主演が続くなど多忙を極める中で、美肌やプロポーションを維持する秘訣(ひけつ)は? 「常に自分のことを研究しています」と答えた池田さん。「肌の状態が悪くなったら、体の中で何かが悪さをしているから、何を食べたのか反省したり、アレルギー検査をしたり……内側のことを気にしています。食べれば食べるほど太るタイプなので、常に節制しているんですけど、たまにはご褒美で食べたいものを食べて、という感じですね」と語る。睡眠もこだわりがあり、「いいアロマ、いい枕、いい間接照明、心地のいい布団カバーを買う(笑い)。最高の環境を作り上げて、なるべく質のいい睡眠をとるようにしています」と明かす。
◇「女優だから仕方ない」に疑問
昨年は女優業のほか、2020年夏公開の映画「夏、至るころ」で初監督に挑戦。雑誌での連載もスタートするなど、積極的に表現の幅を広げている。池田さんは、2020年はどんな年にしたいかと聞かれると「私、職業が分からなくなりつつある……」と苦笑しつつ、「2019年は監督をやらせていただいたり、歌ったり、連載したり……と好きなことばかりやらせてもらっているので、恩返しはしたいと常々、思っています」とほほ笑む。また、これまでは「女優って犠牲にするものが多いなと思っていた」が、今は「『犠牲にし過ぎてないか?』と思うところもあって。女優だから孤独で仕方ない、と思っていたけど、ちゃんと見直そうと思っています」と内面の変化を語る。
そんな池田さんに、10年後の姿をイメージしてもらった。しばし熟考した池田さんは、再び「自分をないがしろにすればするほど、窮屈になればなるほど、“正しい女優”になれる気がするんですけど……『心をなくせば苦しむ必要がない』という気がしていること自体に危機感を覚えています」と葛藤を明かし、「10年後は、もうちょっと自分を大事にしたいなと思います」と思いをはせていた。
「私、研究者みたいに『なんだこの悩みは』と考えるのが好きで。でも『こうすれば、こうできるのね』と自分で解決していく中で『あれ、自分のこと大事にしていないかも』という瞬間があって……。そこをやっと疑問視し始めて、自分を大切にしながら、表現の幅を狭めることなく女優というお仕事ができる方法はないかと考えています。甘えた考えかもしれないですが、その道を考えたいと思うので、10年後、その答えにたどり着けていたらいいですね」と池田さん。
続けて、「今の自分を可愛いと思えるようになっていたい。『20代、可愛かったな、とがっていたな』とか言っていたい。柔らかくなれていたら、いいですね」と柔和な笑顔で語った。
「FOLLOWERS」は、蜷川監督が長年温め続けてきた企画を映像化。SNSにアップされた1枚の写真をきっかけに有名になった女優の卵が、東京で夢を追う多くの女性たちとの新しい出会いを通して成長していく姿を描く。全9話で2月27日からNetflixで一挙配信される。
<プロフィル>
いけだ・えらいざ 1996年4月16日生まれ。福岡県出身。2009年、ファッション雑誌「nicola(二コラ)」(新潮社)のモデルオーディションでグランプリを獲得し、モデルデビュー。2011年に「高校デビュー」(英勉監督)で映画デビューし、2015年には「みんな!エスパーだよ!」(園子温監督)でヒロインを演じた。2017年の「一礼して、キス」(古澤健監督)で映画初主演し、同年の連続ドラマ「ぼくは麻里のなか」(フジテレビ系)でドラマ初主演。近年は映画「ルームロンダリング」(2018年)、「貞子」(2019年)、ドラマ「左ききのエレン」(MBS・TBSほか)などで主演。
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