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冨永愛:人の美しさは「中身」から 「日々の努力が自信と未来を作る」 

 17歳でニューヨークコレクションにデビューし、今年10年ぶりにパリコレに“復帰”したモデルの冨永愛さんが、自身初となるビューティーブック「冨永愛 美の法則」(ダイヤモンド社、1500円・税抜き)を発売した。「白鳥のように優雅に水面を泳ぐ」をモットーに生き、「努力はひけらかすものではない」という美意識を持つ冨永さんが、肌ケアからトレーニング法、日々の食事、生き方に至るまで、ライフスタイルを余すところなく明かした「スーパーモデルの虎の巻」だ。「今の冨永愛を構成する要素はすべて書き尽くした」と話す冨永さんに、美しさへの考えや同書に込めた思いを聞いた。

 ◇経験が顔を作る 「人生のターニングポイントが訪れるたび新たな自分に」

 2018年からファッション誌「VOGUE JAPAN(ヴォーグ・ジャパン)」(コンデナスト・ジャパン)で「冨永愛 モデルへの道」と題したコラムの連載を開始したことを機に「書くことの面白さに目覚めた」という冨永さん。

 自分の考えを言葉にする難しさを感じながらも「過去の経験を振り返ることで、今の自分自身を見つめ直すことにもつながっている」といい、「自分の言葉で話したり文章をつづったりすることが、考えを深めるきっかけにもなっています。その結果、『人の美しさって、結局は中身なんだろうな』ということに行き着いたんです」と語る。

 モデルとして「カメラの前ではうそをつけない」「ウオーキングはモデル自身の心と体のバランスや、生き方までもが如実に表れる」「どんな経験をしたかによって、顔つきが違ってくる」と感じており、「若い頃の私は常に戦闘モードだったから、目もつり上がっている。きっと人生のターニングポイントが訪れるたび、また新たな自分に生まれ変わることができるんじゃないかと思うんですよね。自身を顧みることで、顔つきも変わってくるんじゃないのかな」と思いを巡らせた。

 ◇「できた!」を積み重ねて不安を解消 未来の自分を形作ることにも

 一方で「もちろん私だって自信を失くすこともあれば、不安に思う時もある」と明かし、「だからこそ、日々努力して『できた!』という既成事実を積み重ねることで、一つ一つ、目の前の不安要素を消していく。学校の勉強だって最初は強制されてやるわけだけど、良い成績が取れたらそれが自信になる。頑張って取り組むうちに、跳び箱を5段飛べるようになるとかね。たとえきっかけはなんであっても『できた!』という事実だけが、未来の自分自身を形作っていくような気がするんです」と考えている。

 さらに「肝心なのはやっぱり自分の心。もしも、やりたいことや目指すものがあるのならば、いつかそのチャンスが回ってきた時に自分の手でつかみ取れるように、常に準備しておくことが大切だと思っています」「『冨永愛 美の法則』が、自信を身につけるための新たな一歩を踏み出すきっかけになればいいなと思いますね」と思いを語った。

 ◇スーパーモデルも加齢で変化「2段階くらい…」 試行錯誤の結果が本に

 同書について「保湿も入浴もトレーニングもボディーケアも食事も、ここに書いてあることを全部やっているからこそ、冨永愛は今、こうなっているんです。どれか一つでも欠けたら、今の私にはなっていない」と断言する冨永さん。今の自分は「食事」「睡眠」「休息」「運動」「美容」「セックス」で構成されているとし、これら六つの要素を、日々の生活の中にバランスよく取り入れている姿が、分かりやすく紹介されている。

 まさに「スーパーモデルの虎の巻」で、「年齢的に伝えなきゃいけない立場になった」と感じたことから、発売に至った。「やっぱり30代も半ばになってくると、20代の頃にはあった“若さゆえの輝き”には頼れなくなる部分もありますよね。体力も落ちてくるし、私自身、体調とか肌質や髪質にも、2段階くらい変化を感じたことがあって……。その都度、あれこれ試行錯誤を重ねる中で、ようやくここ1~2年かけて自分なりに結果が出せてきた。だから『美の法則』はあくまでも“今の冨永愛を知るためのビューティー本”という位置づけなんです」と説明する。

 それゆえ「これが最終形というわけでもないし、これからもずっと自分自身が飽きずに続けていくためにも、常にその時々の自分に合わせてアップデートしていくものなんじゃないかな。まずはその第1弾、という感じですね」と、冨永さんの進化は今後も止まりそうにない。

(取材・文・撮影/渡邊玲子)

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