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女優の長澤まさみさんが、7月3日に公開される主演映画「MOTHER マザー」(大森立嗣監督)で母親役を演じている。実話を基にした作品で、長澤さんが演じる秋子は、社会の闇へと落ちていく自堕落で奔放なシングルマザーだ。長澤さんに衣装に対する思いや好きなファッションなどについて聞いた。
◇ファッションでも話題に 衣装によって「違う自分になれる」
今年3月に開催された「第43回日本アカデミー賞」で「キングダム」(佐藤信介監督)の演技で最優秀助演女優賞に輝いた長澤さん。授賞式には、胸元が大きく開いたオフショルダータイプのタイトなブラックドレスで登場した。
普段から舞台あいさつでの装いや授賞式でのドレス姿、劇中の衣装でも美肌や美脚を披露し、話題をさらい続けているが、最近、プライベートで好きなのは「ワンピース」といい、「明るい色や柄物もたまに着るようになりました。丈は長め。短いのをはいてって言われるんですけど、寒いので」と冗談めかして語る。
仕事では「着るものは、いつもスタイリストさんが提案してくれます」といい、「どんなものも着ますよ。着るものは気分を変えてくれるし、違う自分になれる気がするから、どんな衣装でも好きですね。(『キングダム』で着た甲冑=かっちゅうのような)楊端和(ようたんわ)の衣装もすごく好きです」とファッションを楽しんでいる様子がうかがえる。
今回、「MOTHER マザー」で演じた秋子は、秋冬にはロングカーディガンやボアコート、夏には胸元が大きく開いたトップスにショートパンツを合わせるなどしている。秋子の衣装について、長澤さんは「(トップスが)ダボッとしていて、秋子を物語っていると思うので好きですね。衣装にはその人の性格や生活が見える気がします」と話す。
◇「暴力性のさじ加減」に迷い 監督に思いぶつけ血の通った秋子像に
「MOTHER マザー」は、ゆきずりの男たちと関係を持つことで、その場しのぎの生活を送るシングルマザーの秋子と、秋子の歪んだ愛に翻弄(ほんろう)されながら育った息子・周平(奥平大兼さん)の物語。身内からも絶縁され、次第に社会から孤立していく中で、2人の間に生まれた“絆”が、成長した周平を一つの殺害事件へ向かわせる……というストーリー。
長澤さんは「最初は、自分の中で秋子の(周平に金の工面をさせるなど、虐待する)暴力性のさじ加減がしっくりきていなくて。ただ泣きわめいて生きているだけだと秋子という人物が伝わらない。そうなりがちな作品なので、自分の中で迷っていました」という。
「これじゃマズい!と思って、途中からは監督に率直に疑問や思いをぶつけていくようになった」という長澤さん。大森監督は「この役は(長澤さんの能力を)全開にしてもらわないと絶対に無理だった。(長澤さんが意見をぶつけるようになって)お互いコンセンサスが取れ、僕が言う前に長澤さんがどんどんやろうとしてくれた」と長澤さんの積極性を喜んで受け入れた結果、試写を見た関係者から「目の(表情の)移り変わりがすごく印象的だった」と感想が寄せられるような、血の通った秋子像が完成した。
大森監督は、「日本の今の母親像、日本の今の女性像としてみんなの想像を超えていってしまう部分が、この秋子という役にはある」と表現する。そんな常識を超越した存在の秋子を演じた長澤さんの今後の“想像を超える”活躍に注目だ。
<プロフィル>
ながさわ・まさみ 1987年6月3日生まれ、静岡県出身。2000年、第5回「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリ受賞。2003年、映画「ロボコン」で初主演。近年の主な映画出演作は「マスカレード・ホテル」「キングダム」「コンフィデンスマンJP ロマンス編」(全て2019年)などがある。公開待機作は「コンフィデンスマンJP プリンセス編」(7月23日公開予定)、「シン・ウルトラマン」(2021年公開予定)。