7月9日に発売された佐伯チズさんのムック「夢は薬 諦めは毒」の表紙 『夢は薬 諦めは毒』(宝島社)
6月に亡くなった美容家・佐伯チズさんのムック「夢は薬 諦めは毒」(宝島社)が7月9日、発売された。3月にALS(筋萎縮性側索硬化症)を公表し、病気と闘いながら活動を続けた佐伯さんが生前に、「遺言として残したいメッセージ」として33の言葉をつづった。タイトルは佐伯さんと相談し、佐伯さんが口癖のように唱えていた言葉を選んでおり、「失意の中で諦めたらその先には進めない。理想に近づくためにはまず夢を持つ」という佐伯さんの思いが込められている。
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今回の企画は当初、同社の月刊誌「大人のおしゃれ手帖」でエッセーとして連載し、その後、書籍化する予定だった。しかし佐伯さんの症状の進行の早さから、連載ではなくムックとして刊行することになったという。33の言葉のほか、「佐伯チズヒストリー」「佐伯式美肌メソッド」、佐伯さんが気に入っていた「お取り寄せ」などが掲載されている。1300円(税抜き)。
ムックの冒頭で佐伯さんは「私にはまた夢が一つ増えました。それは、このALSという病気を世間の皆さまにもっと知ってもらうこと。最新の医療技術をもってしても、進行を遅らせるしか術(すべ)がないこの病気を、たくさんの方に知ってもらうことでALSの治癒、寛解という希望の光がこの先の未来に差すことを祈っています」「幸せになりたい人、キレイな肌を手に入れたい人……いろんな願いが人の数だけあります。私自身、強く願うこと、夢を追いかけ続けることで、目標や夢を現実にしてきました。そんな私から、皆さんに届ける最後の一冊になればうれしいです」とつづっている。
同書の担当編集者は、生前の佐伯さんの様子を「残念ながらご自身も驚くほど早く進行していく病状が、私たちの紡いでいこうと考えていた時間を奪っていきました。そんな中でも、前向き女王のチズさんは、本を制作することに力を注いでくださいました」と回顧。「そんなチズさんの思いを残したい。その一心で私たちも制作にあたりました」とし、「『簡単ではない日々が蓄積していくのが人生。でも、考え方一つで乗り越えられるんです。人間ってうまくできてるんです。一緒にがんばりましょうね』と寄り添ってくれたチズさんの言葉を皆さんにお届けしたいと思います」と話している。
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