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木村カエラ:日記で「自分をさらけ出し、視野が広がった」 デビュー15周年イヤーをつづった日記が書籍に

 歌手の木村カエラさんの、初めての日記形式エッセー「NIKKI」(宝島社)が、木村さんのデビュー日である6月23日に発売された。デビュー15周年となった2019年1月から2020年3月までの木村さんの日記をまとめたもので、曲作りの裏側や子育て、さまざまなアーティストとの関係など、これまで語ってこなかった日常のエピソードがつづられている。「日記を書く習慣はなかった」という木村さんが“1年限定”でつづった日記への思いや、近況を聞いた。

 ◇日記は「カッコつけずに自然体で」 読み返すことで“ご褒美にも”

 --「NIKKI」ではライブやレコーディングの日、人生のターニングポイントとなるような日、何気ないオフの日など、さまざまな日々のエピソードや思いがつづられています。日記を書くことになって「こんなふうに書こう」「こういうことを中心に書こう」など、イメージしていたことはありますか。

 特別なことはありません。本当に自分自身の生活を、そのまま書いていけたらいいのかな、と思っていました。

 私自身が普段どんなふう感じ、どんなふうにものを見て、どんなふうに人と接していて、どんなことを嫌だと思って、どんなことをうれしいと思うのか……。そういうことを何もカッコつけずに自然体な形で書くことが「日記」なのかなと書き始めたころに思っていたので、誰かに見られることを意識せずに書こうと思っていましたね。

 だからほかの人に見られたら少し恥ずかしいかなと思うことも書いていましたね(笑い)

 ただ、それでも(今回は)人に見られるものなので、読んだ人がネガティブな気持ちになるようなことは書かないようにしました。

 --デビュー15周年に1年間、日記を書いて、どんな感想を持ちましたか。また「NIKKI」はご自身にとってどんな本になりましたか。

 15周年という特別な期間で、さらに本当にたくさんのことにチャレンジしていた期間、すごく忙しい日々の中で書いていた日記だったので、書くことが大変な時期もありました。

 でも、日記を書くとその日の良かったことや悪かったことなど、本当にいろいろなことを振り返ることができて、1日を整理整頓でき、明日はここを頑張ろうと思えて、よかったです。そこがこの日記を通して学べたことですね。

 読み返すと、どの日も自分はこんなに頑張っていたんだなと振り返ることができて、自分へのご褒美みたいなものになりましたね。

 ◇日記は“1年限定” 今は「まるで宿題が終わったような感覚」

 --今回の日記は何を使って、どんなふうに書きましたか。

 スマートフォンのメモ機能を使って、長いものは15~20分くらいで書いていました。短いものはもっと早かったですね。寝る前の時間に書くことが多かったと思います。

 --以前に日記をつけたことはありましたか?

 日記を個人的に書こうと思って、日記帳を買ったことはあるんですが、すべて三日坊主で終わってしまいました。

 唯一続けることができたのは、小学3~6年生の間に、仲のいい女の子たちとの交換日記、また中学生の3年間も仲のいい女の子と交換日記を続けていました。

 --2020年3月以降も日記は続けていますか?

 日記は一切続けておりません。

 1年間と自分の中でも決めていたので、まるで宿題が終わったような感覚で続けていないですね。(笑い)

 でも続けてもいいかもしれないですね、ちょっとやってみようかと思います。

 --「日記を書くことが続かない」という読者にアドバイスを求められたら、どう答えますか?

 (笑い)

 これはもう私には聞かないでー!という感じですね。ブログもあまり続かないんですよね。

 ただ、アドバイスになるか分かりませんが、人に見られるという感覚は続けるきっかけになるかもしれないですね。ブログをやったりとか……、SNSで一言を毎日投稿するなど……そういうのはアリなんじゃないかと……。

 全然参考にならないですね! すみません(笑い)

 ◇人間力は「自分をさらけ出せる強さ」 目指すのは「常に元気な人」

 --今、振り返ってデビュー15周年の1年は、どんな1年でしたか。

 私の中では、デビューからまずは10周年を迎えることが大きな目標だったんです。

 そこから5年間やってきて、自分という人間も大人になるにつれ分かってきて、じゃあ次はどんなことをしようかなと考えていた時に、この(NIKKIの)お話をいただいてある意味、原点に戻るような気がしました。

 人間力が大切な時代だと言われていると思うんですけど、人間力って何だろうなって……本当のところは分からないけど、私は自分をさらけ出すことなのかなと思うんです。自分をさらけ出して人と接することができる強さが大事なんではないかと思っていて、この日記を通してそんな風に自分をさらけ出してプライベートなことを表現できたことは、自分にとっては新しくて、ライブや楽曲制作でも本当にたくさんのことにチャレンジした年でもあったし、日記を書くことで自分自身の視野が広がった年になったと思いました。

 --今後について日記で「『わたしこの先どうなっていくのかな』とワクワクしています」と書いていらっしゃいます。ワクワクの源は何でしょうか。またこれから“なりたい自分”は?

 ワクワクしている源は、未来の世界が未知だからだと思います。見たことない世界に足を踏み入れられる、新しい経験ができる、ということがとにかく私の中でのワクワクの源です。

 また、それに自分が足を突っ込めるのか、突っ込めないのかという度胸試しみたいな部分も楽しみなんです。それが失敗しようが成功しようが、すべてが新しいことなのでワクワクです。

 この新型コロナウイルスとともに時代のいろんなことが変わっていくことに、自分も乗り遅れないようについていきたいと思っています。

 なりたい姿というのは……常に元気な人ですね。とにかく、常に元気な人になりたいと思っています。

 ◇「みんな元気かなーっていつも思っています」

 --ステイホーム期間に新たに始めたことややめたことはありますか。

 始めたことといえば、食パンを作ったりしましたね! 梅シロップを作ったり、たくさん食材を買ってご飯を3食分しっかり作ったり。前からしていましたが、今までよりも時間に余裕があって、始められることはたくさんありましたね。

 やめたことといえば……、やめたというよりもできなかったことですが、いつも髪色を変えたり、髪形を変えていたんですが、美容室に行っていなく、地毛で過ごしていましたね。

 --読者へメッセージをお願いします。

 皆さんに、最近全然会えていない! ライブもしたいし、皆さんに会いたいし、みんな元気かなーっていつも思っています。でも、始まったものはいつか終わる。みんなに会える時を楽しみにしていますので、みんなも元気で頑張っていきましょう。

 <プロフィル>

 きむら・かえら。1984年10月24日、東京都生まれ。2004年6月23日にシングル「Level 42」でメジャーデビュー。2018年4月には、初の描き下ろし絵本「ねむとココロ」(KADOKAWA)を出版し、歌手活動だけでなく、モデルやアパレルプロデュースなど、幅広い分野で活躍している。2019年6月、メジャーデビュー15周年を迎えた。2020年3月、最新ミニアルバム「ZIG ZAG」をリリースした。

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