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映画「とんかつDJアゲ太郎」に出演した山本舞香さん
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映画「とんかつDJアゲ太郎」に出演した山本舞香さん

山本舞香:キャリア10年…女優業への迷いと転機、大失敗も

 女優の山本舞香さんが、映画「とんかつDJアゲ太郎」(二宮健監督、10月30日公開)で、人気グループ「DISH//」のメンバーで俳優の北村匠海さんが演じる主人公・勝又揚太郎(アゲ太郎)の憧れのマドンナ的存在、服部苑子を演じている。笑顔が印象的な苑子について、「ずっとニコニコしているのは結構つらかったです」と苦笑交じりに明かす山本さんに、北村さんとの共演の感想や女優という仕事について聞いた。

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 ◇役とリンクせず「逆に演じやすかった」

 山本さんが演じる苑子は主人公のアゲ太郎が憧れる見習い中のスタイリスト。「憧れの存在ということだったので、可愛らしくいないといけないなというのはありました」と演じる上での心構えを語る山本さん。苑子と自身とでは性格の上リンクする部分があまりなかったことから、「逆に演じやすかったです」と打ち明ける。

 苑子がクラブを訪れる場面では、「楽しくてはっちゃけている感じを表現したかった」というが、山本さん自身がクラブに行った経験がなく、「どういうノリでやったらいいんだろう」と途方に暮れたという。難しいと感じながらも「周りのダンサーの人たちに動きを教えてもらいながら努力しました」と明かし、「ずっとニコニコしているのは結構つらかったですけど(笑い)。撮影は楽しかったし、匠海君とも久しぶりだったので、撮影中はワイワイやっていました」と晴れやかな表情を浮かべる。

 北村さんとは、JR東日本のCM(2015~16年)以来の共演となった。再会した北村さんの印象は、「(北村さんは)変わっていなかったですね。いい意味で“ポンコツ”だから(笑い)」と独特の表現で語る。“ポンコツ”の真意を尋ねると、「匠海君は、周囲を笑顔にさせてくれる、でも、どこか抜けていていとおしいキャラクター」と評した上で、「今回は匠海君にとって初めてのコメディーだったから、すごくいろいろ考えて、“北村匠海”を捨てて振り切って演じていました。すごいと思います」とたたえる。

 ◇キャリア10年 女優を続けていくことに迷いも…

 山本さんは、1997年10月13日生まれ、鳥取県出身。2010年に、地元のフリーペーパーに写真が載ったことでスカウトされ、翌年、ドラマ「それでも、生きてゆく」(2011年、フジテレビ系)で女優デビュー。以来、数々のドラマや映画に出演。今年は、ドラマ「死にたい夜にかぎって」(MBS系)や「ハケンの品格」(日本テレビ系)や映画「今日から俺は!!劇場版」(福田雄一監督)に出演し、ドラマ「あのコの夢を見たんです。」(テレビ東京)ではヒロインの一人を演じる。その一方で、2017年からはバラエティー番組に出演し、歯に衣(きぬ)着せぬ発言が話題となっている。

 今作で主人公・アゲ太郎は、大失敗を機に成長していくが、デビューから10年たつ山本さんにも同様の経験があったという。それは10代の頃に出演したドラマでの撮影時。前の晩に覚えたはずの長いせりふが、翌日の本番でまったく出て来ず、30テークも重ねることになってしまった。

 さすがに「まずい」と思った山本さんは、以来、「きちんと睡眠をとる」ようにし、せりふも「長かったり、すっと頭に入ってこないときには、スマホに録音して聞いたり、紙に書いて覚えたり」しているという。お陰で同じような失敗は、「それ以来、一切していません」と胸を張る。

 10年の間には、女優を続けていくことの迷いもあったという。その気持ちを変えたのが現在のチーフマネジャーだった。「自分がいっぱいいっぱいだったときに救ってもらいました。それから4年くらいたちますが、その人がいなかったら、もしかしたら、今、私はここにいないかもしれません」と感謝する。

 ◇“自分とは違う人格になる感覚”が忘れられず…

 山本さんが芝居の面白さに目覚めたのは最近のことだという。転機となったのが、2018年に公開された映画「SUNNY 強い気持ち・強い愛」だった。同作のある人物と対峙(たいじ)する場面で、本番のカメラが回り始めた瞬間、「いろんなことがフラッシュバック」し、泣かなくてもいい場面だったが、「涙がわっと出てきて、カットがかかっても過呼吸が収まらなかった」と打ち明ける。そのときに味わった、「一つの役にどっぷりつかって、自分とは違う人格になるという、いい意味で変わった感覚」が忘れられず、以来、芝居が好きになったという。

 そんな山本さんにとって、女優の仕事とは? 「他の職業と変わらないと思うし、特別なものと思っていません」とさらりと答え、「表に立つ人だから意識しないといけないというのは分かりますが、私自身、キラキラしていなきゃいけないという意識がないんです。ずっと山本舞香でいるかといったら、家ではそんなことないし、テレビやスクリーン越しに、こういう人間がいるんだということを伝えられればいいなと思っているだけです」と続ける。

 そして、「女優だからといって偉そうにするつもりはないし、マネジャーという職業の人に支えられて一緒にやっていく、ただそれだけ。普通の人の仕事と変わらないと思います」と真っすぐな瞳で語った。

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