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今年40歳を迎え、昨年12月に第1子出産を発表した女優の田中麗奈さん。子育てに奮闘しながらこのほど、本格的に女優業に復帰する田中さんに、母になっての変化や今後の女優業への思いなどを聞いた。
◇「産む」って命がけ 子供を守るために「自分が傷ついても悲しんでもいられない」
「やっぱり『産む』って命がけなんだなって思いましたし、出産を経て『誰もが人の子』って実感するようになりました。前よりもっと人の痛みを知るようになりました」と語る田中さん。「子供を守るためにも、自分が無駄に傷ついていられないし、無駄に悲しんでもいられないって思うと、やっぱり強くなりますよね。そこが一番変わったところですね」と母になった思いを語る。
出産後は「やっぱり自分のケアなんて二の次、三の次。今はお風呂から上がっても化粧水をバーンッてやって、全身に使えるオールインワン的な肌ケア用品でババッと全部やって。保湿クリームも親子兼用のものに変えて、子供に塗りながら自分もついでに塗ったり……」とすっかりママの顔。最近ヘアスタイルをショートにしたといい、理由も「髪のお手入れもなかなかできないし、邪魔だし、バッサリ切っちゃおうと思って。でも意外と切ったら切ったで気分も変わって、ファッションも楽しくなってきたんです」と子育てをしながら、セルフケアも臨機応変に楽しんでいる様子が伝わってくる。
◇ドキドキの仕事復帰 母になった「新しい感覚を大事にしたい」
女優業への本格復帰は、東京・下北沢の本多劇場で12月23日に幕を開ける舞台「おっかちゃん劇場」。長崎の食堂が舞台で、田中さんは父亡き後、若年性認知症を患った母に代わって食堂を切り盛りしながら、幼い妹を育ててきた堂崎好香(このか)を演じる。
初めての母親業と並行しながらの女優業について尋ねると「母親業は体力も使いますし、睡眠不足もありますしね……」と笑いつつ、「ドラマや映画の現場から少しずつ復帰させていただいてはいるんですが、本当にドキドキ。緊張しながら『あれ、こうだったっけ?』『ああだったっけ?』って探りながらやっています」とちゃめっ気たっぷりに話す。
一方で、出産を経たからこその「新しい感覚を大事にしたい思いもある」といい、「せっかくだから、お芝居に対して今までとは違う歩き方をしてみたいなって思いながら、やっている部分もあるんですよね。そんな中での舞台のお仕事は自分にとって絶対に、いい経験になると思いますし、こうなったらもう前に進むしかないかなって」と意欲的だ。
本多劇場は、観客として過去に何度も足を運び、出産直前も観劇に訪れた憧れの場所。「出産前に『やっぱり舞台っていいなあ』と思いながら帰ったことを今でも覚えています。来年の今ごろは自分がその場所に立ってるんだと思うと不思議な気持ちがしました」と振り返る。
劇中では田中さん演じる好香が「うるさか!」「なんやと!」と九州弁で話す場面もある。田中さん自身も福岡出身であることから「たまに九州弁の役柄を演じることはあるんですけど、自分の出身地の言葉に近い言葉で、今の時代設定でっていうのはあまりなくて。九州気質ならではの心地よさがあるというか、感情を乗せやすい部分はありますね」という。
◇「ため息吐くなら上を向いて吐きなさい」を“モットー”に
コロナ禍で子育てをしてきた2020年を振り返り「人との距離を保たなければいけない中、孤独になろうと思えばどんどん孤独になれてしまうし、それこそ悲しいことや苦しいことが多くて、下を見たらネガティブになってしまうこともあるけど、無理やりにでも上を向いちゃえば、意外と明るくなれたりする」と前を向く田中さん。
「『おっかちゃん劇場』の中にもお母さんの口癖で『ため息吐くなら上を向いて吐きなさい』っていう設定があって。たとえ悲しいことがあってグジグジしちゃっても、次の日、お天気が良ければ、空を見上げただけで『なんか幸せだなあ』って思えることもある。私は空には何かしらのメッセージがあるような気がするし、上を向くことってすごく大事だと思うんです。私も、舞台の本番に向けてお稽古(けいこ)を精いっぱい頑張りたいと思います」と笑顔を見せた。
(取材・文・撮影/渡邊玲子)
*……田中さんが出演する「おっかちゃん劇場」は本多劇場で12月23~30日に上演。チケットは7800円(全席指定)。27日午後1時半からの回はライブ配信を行う。ライブ配信の視聴は3500円。31日午後11時59分までアーカイブ配信される。