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女優の内田有紀さんが、4月18日からWOWOWプライム・WOWOWオンデマンドで放送・配信されているドラマ「連続ドラマW 華麗なる一族」(西浦正記監督、池澤辰也監督)で、中井貴一さん演じる主人公・万俵大介(まんぴょう・だいすけ)の愛人・高須相子(たかす・あいこ)を演じている。デビューしてから約30年間、数年のブランクはあったものの第一線で活躍を続けてきた。その間には、「このままでは女優として生き残れない」と考えたこともあったという内田さんに、女優業への思いを聞いた。第3回。
◇銀幕のスターに憧れた10代
「加賀まりこさんや倍賞美津子さんといった情緒的な雰囲気を持っている女優さんが、昔はとても多かったと思います。私はそういう“銀幕のスター”が出ている映画に14歳の頃から憧れていました」と述懐する内田さん。
高校2年で女優としてデビューした当時は、元気で快活なイメージの役が多く、次第に「ちょっとした陰だったり、はかなさだったり、強さや嫉妬、毒……きれいごとだけではない人間のいろんな色や、汚くて醜い部分も演じたい」という思いを募らせていった。
そうした望みは、「40歳になったらそういう仕事をしたい」という長いスパンの未来図を内田さんに描かせ、「描いたからにはそういう魅力がなければいけない」と自分を磨く糧になった。
◇女優として生き残るために
そんな中で出合ったのが、30代半ばで中井貴一さんと共演したテレビドラマ「最後から二番目の恋」(フジテレビ系、2012年)だった。そのとき、「芝居をもっとしっかりやっていかないと、女優として使ってもらえない、生き残れない」と考え、演技コーチについてもらいレッスンを続けてきたという。
「そこからの10年なので、自分の中では比較的着実に、理想として描いた自分の年の重ね方と、女優としての年の重ね方が合ってきたなとは思っています」と歩んできた道のりを振り返る。
「でももしかしたら、自分から変わろうとしたことの“波動”が制作者の方たちに伝わって、内田有紀にその役を演じさせようと思っていただけたのかなと思うので、やっぱり自分を磨くことは大事ですよね」と改めて前を向く。
◇「学べることはたくさん学ばなければ」
内田さんにとって今回の相子のようなクセのある役は、女優を続けていく中での力になるという。それは取材を受けることも同じで、「自分の生き方を見つめ直すことって普段あまりないですよね。ですので、役を演じた後に、こうしてインタビューでいろいろ聞いてくださることで、10年後、20年後の自分の生き方や、どんな女優でありたいかという方針が見えてきたりします。そのために今、自分が学べることはたくさん学ばなければならないという危機感もあります」と明かす。
そんな中でも今回の相子は、内田さん自身が「40代の女優として、自分でも見つけられなかった新しい顔を探し当てたい」と言い切るほど大きな挑戦だった。果たして「新しい顔」は見つけられたのか?
その問いに、「自分で『新しい顔を見つけました!』と、なかなかそんな大それたことは言えませんが」としながら、「でも明らかに、いままで自分が感じたことのないような葛藤だったりいら立ちだったり、相子からすれば(麻生祐未さん演じる大介の正妻)寧子は目の上のたんこぶで、いなくなってほしいとどれだけ強く思っていたか。そういう嫉妬に狂いながらも、カリスマ性のある大介に愛されたい一心で生きてきた相子を演じている中で私は……」と少し考えてから、「今までとは違う顔をしていたんじゃないかな……。きっと、していたと思います」と、晴れやかな表情を見せていた。(取材・文/りんたいこ)
<プロフィル> うちだ・ゆき 1975年11月16日生まれ。東京都出身。1992年、テレビドラマ「その時、ハートは盗まれた」で女優としてデビューし、1994年に「時をかける少女」でドラマ初主演。同年に「TENCAを取ろう!~内田の野望~」で歌手デビュー。2000年には「北区つかこうへい劇団」に入団し、「銀ちゃんが逝く~蒲田行進曲完結編」などに出演。2003年から一時芸能界を離れたが、2006年に復帰。近年の出演ドラマに「ドクターX~外科医・大門未知子~」シリーズ(2012~2019年)、「最後から二番目の恋」(2012、2014年)、NHK連続テレビ小説「まんぷく」(2018~2019年)、「ディア・ペイシェント~絆のカルテ~」(2020年)などがある。
「連続ドラマW 華麗なる一族」は、大阪万博を間近に控えた高度経済成長期を背景に、富と権力を手に入れるために関西の政財界で閨閥(けいばつ)を張り巡らす、中井貴一さん演じる阪神銀行頭取・万俵大介と、その一族の繁栄と崩壊を描く。向井理さん、藤ヶ谷太輔さん、吉岡里帆さん、松本穂香さん、要潤さん、美村里江さん、笹本玲奈さん、福本莉子さん、麻生祐未さんらも出演する。