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エッセー「長谷川京子 おいしい記録」を発売した長谷川京子さん 撮影/岡本充男
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エッセー「長谷川京子 おいしい記録」を発売した長谷川京子さん 撮影/岡本充男

彼女がキレイな理由:長谷川京子さん 子供が小学6年、小学4年に 子供の成長につれて、人生のフォーカスが「また自分に戻ってきた」

 女優であり、2人の子供の母親でもある長谷川京子さん。今月、7年半にわたって毎月つづったエッセーが書籍として発売された。タイトルは「長谷川京子 おいしい記録」(集英社)。野菜嫌いの子供と繰り広げた名勝負や、手作りギョーザがもたらす母から自分、子供への思い、友人と食べるイカスミパスタの爆笑エピソードなど、食にまつわる何気ない日常の一コマが、飾らない文体でつづられている。長谷川さんに7年半で訪れた変化や当時の思い出、子育てで感じること、年齢を重ねたからこそ考える美しさについて聞いた。(全3回)

 ◇自分ばかり見つめていた20代 いま、自分と再び向き合う

 エッセーは月刊誌「LEE(リー)」(集英社)で2014年1月号から2021年8月号まで連載した。連載をスタートしたとき、長谷川さんは4歳と2歳の子を持つ母。現在、子供は小学6年と小学4年にまで成長した。リアルタイムのできごとだった子供とのエピソードのほか、独身時代の思い出もつづられている。

 「今では思い出せないようなことでも、ページをめくれば、当時の自分に戻れるんです。おそらく、いま『書いて』と言われても、あの頃と同じようにはもう書けないんですよね。書いている当時は大変だったけど、今となっては書いておいてよかったなと思います」と連載について話す長谷川さん。

 連載を始めてから7年半がたち、いちばん感じている変化は「子育て一色だった時期をへて、また自分にフォーカスが戻ってきた」こと。

 「20代の頃は自分にしか興味のベクトルが向いていなかったから、四六時中、悩んでばかりでした。しかし、子供を持ったことで、自分のことを気にするヒマがなくなって。その結果、自分のバランスがすごく良くなったんです。その期間は、仕事をしているとき以外、ほぼ子育て一色。

 時を経て子供も成長して、少しずつ手が離れてくると、また興味の対象が自分に戻って来たような感覚があるんです。年齢を重ねるにつれ、体調や体形の変化も出てきたので、自分の心や体と向き合わざるを得なくなったと言った方が、近いかもしれません。子供が大切であることに変わりはないのですが、自分自身の人生にも、もう少し深く関わりたいと思うようになりました」

 ◇あわや休載の危機も… 書くことで子育てを「客観的な視点で楽しめた」

 「食べることが好きで食に関する思い出も多かったうえ、文章を書くことにも興味があった」という長谷川さん。連載が始まった当時を「2人目が生まれてしばらく経って、ちょうど自分も地に足がついてきたころ。子育ては初めて知る世界ばかりでしたし、子育てを通じて感じることもいろいろあったので、それを読者の皆さんと共有したいと思ったのが、連載を始めたきっかけでした」と振り返る。

 とはいえ、女優業と母親業に加え、月に1度の連載を7年半も続けるのは大変な部分もあったのではと水を向けると、「どうにもこうにもアイデアが出てこないことが、1回だけありました! アイデアが出ず、『今回は休むか、取材して書いてもらうしかない!』というギリギリのところまで追い詰められたのですが、最終的にメークさんが時間を捻出してくれ、メークルームでなんとか書き上げました」と裏話も。

 「ノリノリで書いた回より、あまり筆がのらなかったなと感じる回の方が、読者の方からの評判がいいなんていうことも、あるんですよね。そこが連載エッセーの面白いところであり、難しいところでもあって……。何が正解なのか分からないまま、7年半という月日がたったかもしれません」

 一方で、連載があったことで子育てを「客観的な視点で楽しめた部分もある」という。「たとえ日常生活で腹が立ってしまうようなことがあっても、『これもエッセーに書けるかな』と、なんでもネタになるかなと思うところは、少しありましたね。これはお芝居をするときの役作りにも言えることなんですが」とちゃめっ気たっぷりの笑顔を見せた。

(取材・文/渡邊玲子)

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