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俳優の浅野忠信さんとミュージシャンのCharaさんの息子で俳優・ミュージシャンの佐藤緋美(ひみ)さんが11月1日、東京都内で行われた公開中の映画「ムーンライト・シャドウ」(エドモンド・ヨウ監督)の舞台あいさつに登場した。劇中ではセーラー服姿も披露しているが、「最初のオーディションのときに試しに着てみたんですけど、全然抵抗はなかったですね」と笑顔「ちょっと変わっている役、と知っていたので、『セーラー服着るのか……』とは思わず。寒かったけど、それぐらいですね」と当時を振り返った。
舞台あいさつには小松菜奈さん、宮沢氷魚さんも出席。佐藤さんは撮影について、「12月で、川沿いで、とても寒い時期で。でもその寒い時期が合っていて、寒い中やっていたのが今でも思い出に残っています」と回顧。「でも、すごい寒かったですね。氷魚くんが川に入っているのとか、見ているだけで寒かったです」と振り返り、宮沢さんを笑わせていた。
この日は、観客からの質問にも回答。劇中に登場する、満月の夜の終わりに死者と再会できるかもしれないという「月影現象」がもしあったら誰に会いたいかと聞かれると、佐藤さんは「お父さん側のひいおじいちゃんが、オランダとノルウェーのハーフらしくて。戦争のときに日本に来て、シェフだったらしくて、アメリカ人なんですけど。会ったことないので、会ってみたいですね」と願望を語った。
また、宮沢さんは会いたい人を聞かれると「僕は20年以上前に亡くなったおじいちゃんに会いたいですね」と回答し、「頭がとてもよくて、戦争も経験していて。いろいろつらい経験をして、その結果お医者さんになったんですけど、医者になって激動の時代を生きた人なので、どういう人生を歩んだのか、ちゃんと今になって聞きたいなというのがあります」と説明。
小松さんは「実家で飼っていたネコ」と答え、「(突然)いなくなってしまって。病気気味でもあったので、本当の最期に会うことができなかった。何年もたってしまったけど、最期にちゃんと大好きだよと伝えたかったなと思いました」と明かしていた。
映画は、吉本ばななさんの「キッチン」に収録されている短編小説「ムーンライト・シャドウ」を小松さんの主演で実写化。ある日河原で等(宮沢さん)と出会い、恋に落ちたさつき(小松さん)。2人は等の弟・柊(佐藤さん)とその恋人・ゆみこ(中原ナナさん)と、4人で過ごす時間が増えていくが、突然、等とゆみこが亡くなり、さつきと柊は悲しみに打ちひしがれる。そんなある日、2人は不思議な女性・麗(臼田あさ美さん)と出会い、少しずつ日常を取り戻していく……というストーリー。柊がゆみこの制服を着て、何かを感じようとする姿も描かれる。
映画は第34回東京国際映画祭のNippon Cinema Now部門に出品されており、この日の舞台あいさつは同映画祭内のイベントとして行われた。