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取材に応じた大竹しのぶさん
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取材に応じた大竹しのぶさん

私が30歳のころ:大竹しのぶさん ピアフの人生は孤独と愛との繰り返し 「愛の賛歌」への思いも インタビュー3回目

 第一線で活躍する著名人の「30歳のころ」から、生きるヒントを探します。第5回は女優の大竹しのぶさん。当時の思い出や、アラサー時代をより輝かせるためのアドバイス、24日から上演される舞台「ピアフ」などについて聞きました。(全3回、編集・取材・文/NAOMI YUMIYAMA)

 ◇またピアフに会えるんだ、と思った

 シャンソンの女王エディット・ピアフの人生を、大竹さんが演じる舞台「ピアフ」が上演される。2018年に続いて、5度目の上演となる。

 「またピアフに会えるんだ、というのが最初の気持ちでした」と、大竹さんは語る。

 今回の上演については、「すでに何度も何度も観(み)てくださる方がいらっしゃる作品だからこそ、ここまでは到達しなければという水準があります。それをさらに上回るものを作らなければならないというプレッシャーはありますね」と心境を明かした。

 出演者は、初演以来ずっとピアフの親友を演じてきた梅沢昌代さんと、今回初めて参加する俳優たちになる。「新しいキャストで、前とはまったく違う関係で作る舞台。前のことはなるべく思い出さないようにして、けいこ場でみなさんと一緒に大きな声で歌いながら、そのときに生まれた感情で作っていきたいですね」と語る。

 恋愛に奔放だったピアフの生涯を彩った3人の男を演じるのは、中河内雅貴さんほか、若々しくフレッシュな顔ぶれがそろった。「舞台上で3時間も接するので、本当の愛をお互いに感じ合わないとお芝居はできません。舞台では私も思い切り愛するので、みなさんにも愛してほしいなと思います」と、意欲をみせた。

 ◇天と地を結ぶ「愛の賛歌」 ピアフという「炎」を観客の心に焼き付けたい

 大竹さんが「ピアフ」と出会ったのは20歳のころ。中村勘三郎さんにピアフの評伝本を渡され、感銘を受けたのだ。当時のパンフレットで、こんなすごい人の人生を「1回や2回で絶対に演じ切れるわけはない」と語った言葉通り、初演から10年以上、演じ続けている。ピアフその人が乗り移ったような情感あふれる演技と歌は、数々の演劇賞を受賞し、大竹さんの代表作になった。

 「ピアフがすごいのは、人を本気で愛し、人に愛をあげているところ。舞台のポスターにも書かれた『あたしが歌うときは、あたしを出すんだ。全部まるごと』というセリフがすごく好きなのですが、一瞬一瞬、全部、愛をささげるという生き方に、セリフを言いながらいつも教えられています。それと同時に、彼女はいつも孤独を抱えていて。ピアフの人生は孤独と愛との繰り返しなんです」

 演出は初演以来ずっとタッグを組み、「絶対的な信頼を持っている」という栗山民也さんが手掛ける。

 「栗山さんはすべてを計算されている演出家です。彼の頭にはこの舞台の絵があって、そこに私の肉体がピアフとしてある。たとえばピアフは登場したとき手をカーテンから出すのですが、その一瞬だけでもお客様は5年は忘れないだろうとおっしゃって。そういうことをたくさん作ってくれるので、5回目を作れるのは本当にうれしい」

 またピアフといえばなんといっても不滅のシャンソンの数々。舞台では16曲を披露するが、名曲「愛の賛歌」は、2016年の紅白歌合戦でも歌い、アルバムも製作された。

 「舞台で『愛の賛歌』を歌うときは、恋人のマルセルへの愛を思って歌っていますけれど、舞台を離れて歌うときは、天国に行ってしまった方の深く大きな愛を感じながら歌います。ピアフが歌を歌うときは、天と地を結ぶという役目があって。だから私もこの曲は、天に向かって歌っている錯覚に陥るんです。それをお客様が見ているという感じですね。それが『愛の賛歌』という歌だと思っています」

 愛と音楽に彩られた波乱万丈なピアフの物語は、明日、幕を開ける。

 「現在の状況で、この舞台を選んでくださるお客様には本当に感謝しています。私も去年の『ドクター』という舞台では、1回1回が初日であり、楽日だと思って演じてきました。今回もその気持ちを忘れず、“燃える火”に例えられるピアフの愛やエネルギーを、みなさまの心に焼き付けたいと思います」

<プロフィル>

 おおたけ・しのぶ 1957年7月17日生まれ。東京都出身。1975年、映画「青春の門 -筑豊編-」のヒロイン役で本格的に女優デビュー。NHKの朝の連続テレビ小説「水色の時」に出演し、国民的ヒロインに。以降、映画、舞台、テレビドラマ、音楽などジャンルにとらわれず才能を発揮し、話題作に相次いで出演。2021年「母との食卓〜まあいいか3」(幻冬舎)を刊行。NHKラジオ第1で「大竹しのぶの“スピーカーズコーナー”」がレギュラー放送中。

 *……舞台「ピアフ」▽作:パム・ジェムス▽演出:栗山民也▽出演:大竹しのぶ、梅沢昌代、彩輝なお、中河内雅貴、上原理生、竹内將人、山崎大輝、川久保拓司、前田一世、たかお鷹ほか▽上演:シアタークリエ(東京都千代田区)で2月24日~3月18日 大阪公演、博多公演あり

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