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金尾祐之:女性を脅かすがん治療の最前線に「情熱大陸」が迫る 「1ミリに命をかけている」と“最後の砦”の婦人科医

 婦人科医・金尾祐之さんが、2月27日午後11時から放送されるドキュメンタリー番組「情熱大陸」(MBS・TBS系)に出演する。番組では、女性を脅かす婦人科のがん根治に熱情を注ぐ、金尾さんの姿に迫る。予告動画では、金尾さんが手術について「1ミリに命かけてるんです」「やっぱりパッションだと思うんですよ」と語る様子が映し出される。

 金尾さんは1971年、香川県高松市生まれ、広島県福山市育ち。父親の影響で産科医を目指し、大阪大学医学部に入学。卒業後、産婦人科医助手として働き始めるものの、帝王切開手術で母体死亡を経験。子供は無事だったが、帝王切開の手術ごとにフラッシュバックし産科医を断念。大学で学んだことのある婦人科に転身した。倉敷の病院で腹腔鏡手術を10年学んだのち、2014年にがん研有明病院へ。副部長を経て、2020年から部長となってチームを牽引している。

 金尾さんの率いるチームの子宮や卵巣のがんの手術数は、年間およそ1300。全国随一の症例数と実力を誇っている。特に、開腹せずに行う腹腔鏡下手術を婦人科にいち早く取り入れ、そのレベルを大きく引き上げてきた。他の病院では手術不能と診断され、“最後の砦”として金尾さんを頼る患者も多い。

 骨盤内の狭いところで行う手術は、常に出血、神経の損傷などの事故と隣り合わせ。 今でも怖いが、「患者を救うために、どうにか突破口を見つけ、そこに切り込むパッション」が何よりも重要と話す。

 番組では、金尾さんがこだわる「1ミリ」の手術現場を取材。例えば、20~40代に多い子宮頸ガンの手術では、命はもちろん、子供を産める体でいたいと願う患者も少なくない。1ミリ内か外か、という切除ラインは患者の予後にも影響する。金尾さんは、子供を望む子宮頸がんの患者には「子宮温存手術」を選択。太さ3~4ミリの子宮動脈を残すことを心がける。一般的には切除されてしまう動脈を残せば、血流を保ち妊娠率をあげることが可能になるからだ。

 また、「子宮頸がんの再発腫瘍切除術」にも力を入れている。合併症や術後のリスクなどその難しさから一般的にはほとんど行われていない難手術。金尾さんは、余命1年を宣告された患者の命を救いながらも術後の生活を守るため、癒着している坐骨神経を残すことにこだわった。がんを大きく切り取れば心配は減るが、術後に歩行障害が出てしまう。がんも治し、坐骨神経も守る1ミリのせめぎ合い。果たして結果は……。

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