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新垣結衣:時代が変わっても「人の感情は変わらない」 初めての大河出演で時代劇の見方に変化

 女優の新垣結衣さんが、出演するNHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」について1時間におよぶリモートインタビューに答えた。初出演となった大河ドラマで主要キャストの一人を担う新垣さんが、北条義時を演じる小栗旬さんの魅力や、脚本を手がける三谷幸喜さんから送られた言葉、自身が演じる八重に勇気づけられたことを明かした。(取材・文/服部広子)

 ◇初の大河ドラマは「反省しかない」

 本格的な時代劇への出演は「鎌倉殿の13人」が初めて。今回のオファーがくるまで、時代劇をほとんど見たことがなかったと明かした新垣さん。

 「時代劇に対して、難しい、共感しづらいというイメージを持っていました。時代が違えば当然、価値観も違うだろうし、その時代では当たり前のことも理解できないのではないかと。

 このドラマに参加して分かったことは、価値観は違ったとしても、抱く感情は変わらないものだということ。身近な人が亡くなって悲しいとか、死への恐怖、誰かを好きになる思いや嫉妬する思いといったものは変わらないんだと知りました」

 初の時代劇、初の大河ドラマで女優として成長した点を問われると、「成長できたかどうかはわからない」と正直に明かす。

 「撮影現場でも、初めてのことが本当にたくさんあって、それを経験できたということは、女優として身になる経験だったと思います。ただ、成長したかどうかで言うと、反省しかなくて正直、分からない。ただ、この現場で得られた、着物が体になじんでいく感じや所作などは、時代劇に限らず、現代劇においても今後、生かせたらいいなと思います」

 ◇小栗旬と13年ぶり共演 「いつも気にかけてくれる」

 ドラマは、鎌倉幕府の二代執権・北条義時(小栗さん)が主人公。野心とは無縁だった若者が、いかにして武家の頂点に上り詰めたのかを描く。新垣さんが演じる八重は義時の初恋の人で、源頼朝の最初の妻となった女性。義時を演じる小栗さんとは2009年に放送された民放連続ドラマ以来、13年ぶりの共演となった。

 「小栗さんの印象は変わらないです。前のドラマでは共演シーンが少なかったし、お互いの役の関係性が全く違うので、長い時間一緒に過ごしたのは今回が初めてでした。小栗さんって本当に周りを見ている方で、いつも気にかけてくださるんですよ。そういうところは昔からあって、変わらないですね」

 三谷さん脚本の作品に出演するのも初めてだった新垣さんには、三谷さんからのアドバイスが大きな励みになった。

 「時代劇というものに合った発声の仕方で意識することだったり、言葉の捉え方などについてもアドバイスをいただきました。

 オンエアが始まってからはうれしい感想をくださって、それを励みに撮影に挑んでいました。何よりもうれしかったのは、三谷さんから『自分が思い描いていた以上の八重さんになりました』という言葉をいただいたときです。全部が報われたような気がしましたし、安心しました」

 ◇自分の人生と八重の生き方に共通点

 八重は、頼朝との間の息子・千鶴丸を亡くし、さらに父と兄を頼朝の企てで暗殺される。その後、義時の妻となり、頼朝の苛烈な任務を遂行する義時を支えていく。そんな波乱の人生を送った八重の魅力について、新垣さんはこう語った。

 「頑固なところ。言い方を換えれば、意志が強く、かつ自分の思いに忠実に行動できる人。あるいは、行動してしまうと言うべきかもしれませんが……。でも、そのくらいしっかりした意志を持っているところが魅力の一つだと思います」

 また、生きることに対する執着心の強さも八重という女性の特徴だという。

 「生きるという思いが強い人で、たくましさもあると私は捉えています。それは、自分自身だけではなく、自分の周りの大事な人に対してもそう。生きるために、すがるものを見つける力、諦めない力がある。自分の大事な人を次々と失ってしまって、そのために自分の生きる意味みたいなものをずっと探していたのではないでしょうか」

 八重を演じたことで、新垣さんが一人の人間として勇気づけられたことがある。

 「生きることを大事にする思いと、周りの人に対しても生きることを強く願う姿です。それは自分の人生にも共通して言えることなのかなと感じました」

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