検索

あなたにおすすめ

嵐莉菜:初主演の映画「マイスモールランド」で演技の楽しさ知る 夢は「日本と海外の懸け橋になるような女性」

 女性ファッション誌「ViVi(ヴィヴィ)」(講談社)の専属モデルを務める嵐莉菜さんがこのほど、国立代々木競技場第1体育館(東京都渋谷区)で開催された大型ファッションイベント「第34回 マイナビ 東京ガールズコレクション(TGC) 2022 SPRING/SUMMER」に出演し、イベントの合間に取材に応じた。女優として「マイスモールランド」(川和田恵真監督、5月6日公開)で映画に初主演し、「こんなに演技に興味があって、楽しかったんだなと気づいた」という嵐さん。モデルと女優の「どちらも任せてもらえるような、そんな女性が理想像」と目標を語った。

 嵐さんは2004年5月3日生まれ、埼玉県出身の17歳。TGCには3度目の出演で、今回は、三つのステージでランウエーを歩いた。コロナ禍でTGCは4度、無観客で開催され、今回は2年半ぶりの有観客。嵐さんにとって、初めての有観客での出演となった。

 「緊張しすぎていたんですけど、でも、周りのモデルの方々から『有観客の方が楽しいよ』と言われて歩いてみたら、本当にそうでした」と嵐さん。「有観客の方がやっぱりテンションが高くなってモチベーションも上がりますし、『もっと歩きたい』という気持ちにさせてもらいました。『私、モデルなんだな』と再確認することにもなって。次からも有観客がいいと思うぐらい楽しかったです」と笑顔を見せる。

 「マイスモールランド」では映画初出演にして初主演。本格的に演技に挑戦するのも初めてだった。演技の仕事を「いつかはやってみたいと興味はありました」というものの、主演には「不安もあった」と打ち明ける。

 演じたのは在日クルド人の高校生・サーリャ。サーリャは幼い頃から日本で育ち、同世代の日本人と変わらない生活を送っていたが、難民申請が不認定となったことから在留資格を失い、普通の高校生の日常が一変する。サーリャがアイデンティティーに葛藤し、日本人の少年と出会い、成長していく姿を描いた。

 母親が日本とドイツにルーツを持ち、父親がイラン、イラク、ロシアのミックスで日本国籍を取得しているなど自身も5カ国のルーツを持つ嵐さんは、サーリャに共感する部分が大きく、「絶対に演じたい」という思いを抱いたという。

 「サーリャは、『日本人』として生活したいけど、見た目の影響もあって、外国人と判断されてしまう。私も、幼少期からずっと葛藤してきたことでした。その葛藤が本当に共通点だったんです。それで、私がサーリャを絶対に演じたいという思いに変わって……。演技をより勉強したいという気持ちになりました」と語る。

 そんな強い思いで挑んだ初主演作の撮影を終えたあとは、「『もっと演技をしたいな』という気持ちがずっと続いていました」と嵐さん。「最後のシーンの撮影が終わったときは、さみしくて泣いちゃって……。テレビでドラマや映画を見ると『私もやりたい』と思いました。“演技ロス”というか、初めてそういう気持ちになり、『こんなに演技に興味があったんだ』と演技を楽しんでいたことに気づいたんです」と発見できたという。

 同作は「第72回ベルリン国際映画祭」で、日本作品で初めてアムネスティ国際映画賞・特別表彰を授与された。同映画祭に正式招待されたことも「実感がなかった」と驚く嵐さんは、「世界で評価されるといいなと思っていましたが、まさか表彰をいただけるとは……。どこか『願いがかなった!』という気持ちです。ベルリン映画祭でご覧になった現地の方々が、すごく称賛してくださったと聞いて、改めて『本当にこの作品に携わることができてよかった』と光栄に思いました」と喜びを語る。

 理想は、モデルと女優、両方の道での活躍。「完成しない、どんどん進化していけるようなモデルになりたいです。機会をいただけるならば演技の仕事もして、そこでも自分を磨いて、どちらも任せてもらえるような、そんな女性が理想像です。将来的には、5カ国のルーツがあるので、日本と海外の懸け橋になるような女性像を目標として描いています」と話した。

エンタメ 最新記事

Pick Up

アクセス上位記事