あなたにおすすめ
東京国際映画祭:綾瀬はるか、井上真央、米倉涼子がドレスアップ 芳根京子は振り袖、水原希子、河合優実、菊地凛子も
10歳の娘の母でもあり、仕事と家事、子育てと多忙な毎日を過ごしている女優の坂井真紀さん。22日に配信をスタートしたクッキング・リアリティー番組でホスト役を務める。料理にまつわるエピソード、日々の生活で大切にしていること、「リアリティー番組だからこそのドラマが生まれる」という番組の魅力などを聞いた。(取材・文/服部広子)
◇母になってすべてが変わった
最近は、10歳になる娘と一緒に料理を作る時間が増えたという坂井さん。
「ギョーザは2人でよく作りますね。野菜を刻んだり、具を包んだりするのも一緒にやると楽しいですから。私自身、台所で母の横に立って手伝いをしながら料理を覚えたんですね。だから娘も、私と一緒にやりながら覚えていってくれたらいいなって」
娘がメニューを考え、すべて自分で作ってくれた日もあるという。
「昼はうどんとトマトのマリネ、夜はブリの照り焼きと野菜スープを作ってくれて、とてもおいしかったですよ。レシピの本を見ながら、調味料はこれとこれを混ぜてって感じで、わりと手際よくやっていたみたい(笑い)」
坂井さんが出産したのは41歳のとき。子供との10年間の歩みのなかで、それまでの生活習慣や考え方はもちろん、生きていくうえでの姿勢などすべてが変わったと振り返る。
「“子は親の鏡”という言葉の通り、自分自身の行動が正されます。自分の大切な子だからこそ、“こんなふうになってほしくないな“っていうことが、そのまま自分に反省点として返ってくるでしょう。だから、日々、学びと反省(笑い)。この10年、人生をもう1回やらせていただいているような感じですね」
◇平常心はポジティブな言葉から
忙しい日々の中で心がけていることは、「言葉の使い方」。
「言葉って、やっぱり心から出るものだから、ネガティブなことは言わず、ポジティブな言葉を使うように気をつけています。それだけでもずいぶんと変わることが多くて。
たとえば、予定よりも時間が遅くなっちゃったとき、『○○のせいで時間がなくなっちゃった!』とは言わない。『遅れちゃったけど、△△ができてよかった!』と、悪い状況のなかでも何か一ついいことを見つけるように意識しています」
そのような発想の転換で平常心を保つことができるという。
「日常でイライラすることは多いし、子供と一緒に行動していたら自分の思いどおりにいかないことばかり。でも、そこで怒っていたら自分が疲れちゃうんですよ(笑い)。発想の転換ができるようになったら、自分がラクになりました」
◇50代、まだまだ挑戦を続けたい
20代のころと変わらぬキュートな笑顔は、50代となったいまも女性たちの憧れ。今後の人生をどのように過ごしていきたいと思っているのだろうか。
「いろいろな経験をさせていただいたので、これからは人のために何かできたらいいなと思います。自分に何ができるかわからないけれど、社会のためにできることがあったらいいなって。もちろん、経験はあっても迷うこともありますし、この年齢なりの悩みもあります。だけど、まだまだ挑戦を続けていきたいですね。
実は、また英語の勉強を始めたいなと思っているんです。英語の勉強は30代の半ばくらいまで続けていたんですけど、やめてしまって。だから、もう1回トライしてみようかなと思っています。
正直、英語が今後、何に生かされるかはわからないですよ。でも、何歳になっても、諦めずに何かに挑戦するって大事ですよね。同世代のみなさん、まだまだ頑張りましょう!(笑い)」
◇人間ドラマが「ベイクオフ・ジャパン」の魅力
番組ホスト役を務めるクッキング・リアリティー番組「ベイクオフ・ジャパン」は、22日からシーズン1がPrime Videoで配信される。お菓子やパンづくりが大好きな総勢10人の出演者(アマチュアベイカー)がさまざまな課題に挑戦し、日本一の「スターベイカー」を目指すクッキングコンテスト番組。パティシエの鎧塚俊彦さん、パン職人の石川芳美さんが審査員を務める。
坂井さんは、俳優の工藤阿須加さんとともにホスト役として出演者に寄り添い、激励をしながら番組を盛り上げる。
「番組の進行役を担当するのは、今回、初めての経験です。オファーをいただいたときは、自分にできるのだろうかという不安がありました。でも、工藤くんとご一緒だと聞いて、役者同士だからできる何かがあるんじゃないかなと思えたことが大きな原動力になりました」
出演者がスイーツづくりを通して成長する姿や、彼らに芽生える友情なども見どころの一つ。
「人が何かするときって思いがあるから、スイーツやパンづくりと隣り合わせにある人間ドラマがとても魅力的です。台本がないので本当に予測不可能ですし、だからこそドラマチックなんですよ。番組をご覧になる方も、ベイカーさんたちがプロではなく、好きが高じて挑戦しているところに親しみを感じてくださるのではないでしょうか」
制限時間内に自分の力を最大限に発揮して与えられた課題をクリアしなければならない出場者たちに、共感する部分があるという。
「『よ~い! スタート!』という掛け声を聞いたらドキドキしますし、仕事は毎回、緊張感があります。初めての現場だったらなおさら、失敗することもあって。ベイカーさんたちが焦ったり、何かにつまずいたりしている姿を見るたびに自分を重ねてしまうというか、自分も彼らと同じ人生を歩んでいるような気持ちになりますね」