著書「ヒロスエの思考地図 しあわせのかたち」を発売し取材に応じた広末涼子さん
女優の広末涼子さんが初の著書「ヒロスエの思考地図 しあわせのかたち」(宝島社)を発売した。好きな哲学者の言葉や尊敬する女性たちの言葉とともに、今、大切にしたいことをつづったエッセー本。2年かけて書き上げ、「この本を読んで、一人でも多くの人に元気になってもらえたら、うれしいです」と語る広末さんに、執筆を終えて感じた苦労や喜び、新たな発見について聞いた。(全3回の1回目、取材・文/服部広子)
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◇執筆は朝4時から マイルールを破って取り組んだ
「今、とってもドキドキ、ワクワクしています。自分が想像していた以上にできあがった本が可愛くて(笑い)」。
人生初の執筆活動を終えた広末さん。これまで役者としてこの世に送り出した作品はたくさんあるが、今回の著書は「自分が産み落とした感覚が強い」と、実にいとおしそうに語り始めた。
「執筆にあたっては、日常に新しい自分の時間ができる楽しみと、自分と向き合うことへの期待感がありました。ただ、いかんせん時間が足りなくて(笑い)、子どもをもってから18年間守り続けてきた“仕事は家に持ち込まない”というマイルールを破ることを決意し、毎朝4時に起きて、朝食を作るまでの2時間を執筆に当てました」
自ら選んだ大切にしたい60個の言葉に対し、これまでの人生で起こった出来事や日常のエピソードに自分の思いを交えてつづった。自身と向き合うことで多くのことに気づかされたという。
「たとえば、哲学者デカルトの<私は考える、ゆえに存在する。>という言葉について考えているとき、“私は、役者も、母親も、自分のためにやっているのか?”とか、“私は、どういうときにうれしいんだろう?”と自問自答しました。
その結果、分かったことは、私は身近な人たちの笑顔や喜ぶ顔を見るのがうれしいんだということ。家族に喜んでもらえているから頑張れるんだと思いますし、仕事場での監督やスタッフに対しても同じ。他者があって自分は成り立っていると自覚しました」
◇今は家族がすべてを受け止めてくれる
哲学書から選んだ言葉と並び、女流作家のサガン、女優のジュリエット・ビノシュさんや桃井かおりさんなど、「時代を切り開いた女性たちの力強い言葉」も紹介されている。デザイナー、ココ・シャネルの言葉は次のようなものだ。
<強い男でなければ私と一緒に暮らすのはとても難しい。そしてその人が私より強ければ、私がその人と暮らすことは不可能だ。>
シャネルのこの言葉を選んだ広末さんは、自身について「負けず嫌い、本当は泣き虫」とつづった。
「幼いころからずっとスポーツをしてきたせいか、とても負けず嫌いな子どもでした。気が強くて、自分でどんどん決めて進んでしまうから、人からは“できる人”だと思われがちですが、全然そんなことはなくて(笑い)。すぐに悲しい、悔しいという感情があふれてしまうのに、若いときは表に出せなかったんですよね。人に見せたくないから。
でも、今は全てを受け止めてくれる家族がいます。それは、自分の人生の中で一番ラッキーなことだと思っていて。勝気なのは相変わらずですし、役者の仕事をしていると迷惑をかけることもある。たぶん簡単なことではないと思うんですよ(笑い)。そういう意味では、本当にありがたいですね」
◇プロフィル
ひろすえ・りょうこ 1980年7月18日生まれ。高知県出身。1994年にCMオーディションでグランプリを獲得しデビュー。翌年ドラマ初出演。1997年に「20世紀ノスタルジア」で映画初主演。同作で映画賞の新人賞を総なめにし、以降、映画・ドラマ・CMなど第一線で活躍している。6月17日に映画「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」(西谷弘監督)が公開予定。
*……次回は4月26日掲載予定
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