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女優の広末涼子さんが初の著書「ヒロスエの思考地図 しあわせのかたち」(宝島社)を発売した。好きな哲学者の言葉や尊敬する女性たちの言葉とともに、今、大切にしたいことをつづったエッセー本。「高校、大学時代、台本とともに必ずカバンに哲学書を入れていた」という広末さんに、哲学書との出会いや読書歴について聞いた。(全3回の2回目、取材・文/服部広子)
◇本好きになるきっかけは映画「レオン」
14歳のときにCMデビューし、瞬く間にトップアイドルへと駆け上がった広末さん。仕事と学業の両立で多忙な日々を送る中、「私とは何か?」を探し求め、心理学や哲学の本を読みあさった。
「哲学書に関心を持ったのは高校生のときです。当時、仕事でいただく台本は、家族の話、恋愛の話、うれしい、悲しい、と感情を表現する言葉であふれていて、日々の生活がどうしても感情優先になってしまって。それにちょっと疲れてしまったときのクールダウンのために読んでいたのが哲学書でした。自分が言葉にできない気持ちを本の中の哲学者たちが提示してくれて、“こんなふうに表現するんだ!?”と頭の中が整理されたり、心が落ち着いたり……」
本を好きになったきっかけは、リュック・ベッソン監督のフランス映画「レオン」(1994年公開)だった。
「ヒロインを演じるナタリー・ポートマンの演技に衝撃を受けたんです。撮影当時、彼女はまだ12歳だったんですけど、映画の中のマチルダは子役ではなく“女性”。自分と同世代の女の子にこんなお芝居ができるんだ!と驚きました。
それからリュック・ベッソンの映画を順番に見るようになり、その原作本を読み始めました。映画を見る前に本を読んで、自分でカット割りを想像してはワクワクして。次第に文章を読むのが楽しくなり、そこから本が好きになりました」
自宅の本棚には、高校生のときから親しんできたニーチェ、カント、デカルトなどの哲学者について書かれた本をはじめ、空海、ダライ・ラマ、マザー・テラサなど「言葉が響く人」の本が所蔵されている。
「このところ、忙しさにかまけて読書する時間が減ってしまったんです。だからこそ、今回執筆したエッセー本は、本を手に取る時間がない方でも少しずつ読み進められるような形にしました。短い時間でも気分転換になったらいいなと思います」
◇子どもにもいつかいい本とめぐりあってほしい
3人の子どもたちには、小さいころから本の読み聞かせをしてきた。自分が、自分の求める本と出会ったように、子どもたちにも自分に合う本を見つけてほしいと語る。
「今は、本の読み聞きかせも一番下の子だけになりました。上のお兄ちゃんたちにも同じようにしてきましたが、読書好きかと言ったらそうではないですね。読むのはマンガばっかり(笑い)。
私も、小学生時代はスポーツが大好きで、読書はまったくしなかったんです。だから子どもたちも自力で出合わなければ、読書の扉は開かれないものなのかなと思っています。本を読むと表現力も豊かになりますし、いずれはいい本とめぐりあってほしいですね」
◇プロフィル
ひろすえ・りょうこ 1980年7月18日生まれ。高知県出身。1994年にCMオーディションでグランプリを獲得しデビュー。翌年ドラマ初出演。1997年に「20世紀ノスタルジア」で映画初主演。同作で映画賞の新人賞を総なめにし、以降、映画・ドラマ・CMなど第一線で活躍している。6月17日に映画「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」(西谷弘監督)が公開予定。
*……次回は4月29日掲載予定