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私が30歳のころ:りょうさん 人の醜さも美しい 「花」が教えてくれたこと

 第一線で活躍する著名人の「30歳のころ」から、生きるヒントを探します。今回はりょうさん。当時の思い出や、30歳をより輝かせるためのアドバイス、7月29日から上演される舞台「HEISENBERG(ハイゼンベルグ)」などについて聞きました。(編集・取材・文/NAOMI YUMIYAMA)

 結婚、出産、キャリア……。選択肢が多いアラサー時代は、いろいろ悩みが多い時期。ドラマや舞台、CMなどで活躍し、二人の子供の母親でもあるりょうさんに、「30代でやっておいて良かったこと」を尋ねると、「気になったものの由来や物語を調べること」だと挙げた。その習慣は、自分の人生を深くしてくれたと語る。

 一人暮らしを始めた19歳の頃から、気分転換に楽しんでいた「花」もそうだった。30歳を過ぎると、家に帰った後、その花の「花言葉」を調べるようになった。

 「何も考えずお花屋さんに行って、たくさんある花の中で『これ!』と感じた花を買うんです。最近は花の写真を撮ると、その花の説明が出てくるアプリがあって、それを使って花言葉を調べます。そうすると、そのときの自分の気持ちにぴったりと合っていたり、『今の自分は、こんな気分なのかもしれない』とか、『実はこんなことを思っていたのかも』と、気づくことがあるんです」

 アラサーの女性が「自分を理解することは大切なこと」と、りょうさんは言う。

 「自分を深く理解すれば、少し余裕ができて、周囲を見渡すこともできます。そうすればよりリラックスして人生を楽しめると思うんですよ。気分転換にもなるので、ぜひやってみてください」

 ◇人の醜さも美しいと教えてくれた「花」の魅力

 りょうさんが花の魅力に目覚めたきっかけは、20歳のとき、アラーキーこと荒木経惟さんの写真集「花曲」に“出会った”ことだという。

 「荒木さんがさまざまな花を性的な視点で撮影した写真集です。雄しべや雌しべとか、普段見ないような花の色遣い、質感に心を奪われました。当時はモデルだったので、スタイリングの参考にもしていましたが、それまで見たことのなかったような花の姿は、ときに醜く見えたりするけれど、だんだんそれすら美しいと思えてきて」

 やがてりょうさんは、そんな花の魅力は人間も一緒だと気づいたという。

 「人も表面的な部分だけじゃなく、内側に隠されたものに美しさを感じるようになったんです。その人のダメなところ、嫌なところもひっくるめて、生き物って美しいと思えたんですよ。そんなことも、花が教えてくれました」

 最後に、りょうさんから30代の女性へのメッセージを聞いた。

 「私はこれまで、自分がワクワクすることをその都度、選んでやってきました。30代の女性にも、いろんなことに目を向けて、ワクワクを見つけてほしい。そして、その楽しみが自分の中で大きくなったり、仕事になったりしたら、継続してほしいんです。私も好きな仕事を何十年も続けたことで、周りも認めてくれるようになったし、人間的にも成長しました。そして一日一日大切に、丁寧に生きていたら、毎日が楽しくなるんじゃないかなと思います」

 <プロフィル>

 りょう 1973年1月17日生まれ。埼玉県出身。10代からモデルとして数多くの雑誌やファッションショー、CMで活躍。1996年、ドラマ「ロングバケーション」で女優デビュー。以降、映像・舞台作品、ナレーションなど、幅広く出演している。代表的な出演作品は舞台「DEDICATED 2014 ~OTHERS~」「髑髏(どくろ)城の七人season花」「偽義経冥界歌」「両国花錦闘士」、 ドラマ「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」「流星の絆」「名前をなくした女神」、映画「双生児」「バズ・ライトイヤー」(日本版声優)など。

 *……舞台「HEISENBERG(ハイゼンベルク)」▽脚本:サイモン・スティーブンス▽翻訳:小田島創志▽演出:小山ゆうな/古川貴義▽出演:りょう、上条恒彦、小島聖、平田満▽上演:中野ザ・ポケット(東京都中野区)で7月29日~8月14日

 *……りょうさんが出演する予定だった「ハイゼンベルグ」の公演は、出演者の体調不良により、中止となった。7月26日、同舞台の公式サイトで発表された。女優の小島聖さん、俳優の平田満さんが出演する公演は予定通り実施する。中止公演の払い戻しについては後日、公式サイトで発表される。

 *……りょうさんのインタビューは全3回の予定でしたが、公演中止に伴い、全2回に変更しました

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