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第一線で活躍する著名人の「30歳のころ」から、生きるヒントを探します。今回は西田尚美さん。当時の思い出や、30歳をより輝かせるためのアドバイス、11月3日から上演されている舞台「夏の砂の上」などについて聞きました。(全3回の3回目、編集・取材・文/NAOMI YUMIYAMA)
◇韓ドラを直に聞く! 大人になってからの勉強のススメ
結婚、出産、キャリア……。選択肢が多いアラサー時代は、いろいろ悩みが多い時期。ドラマや舞台、映画などで活躍し、1児の母親でもある西田さんに「30代でやっておいて良かったこと」を尋ねた。
「旅ですね。とくに電車の旅とか。ちょっとしんどいような旅は、年齢を重ねるとしたくてもできなくなってしまうので。30代だと、社会人1~2年のときよりも、経済的にだんだんゆとりもできてきて、仕事もキャリアができるから、そんな時期にいろんなものを吸収できるのがいいのではと思うんです」
西田さんが、30代で「やっておけばよかったこと」を尋ねると、「勉強ですね」と、即答した。
「やることはなんでもいいんですけど、私はいま語学の勉強をもう1回、興味をもってやっています。英語は、30代のときも学校にちょこっと行っていたんですけど、そのときは長く続かなかったんです(笑い)。今はリモートで世界中の人とつながれますよね。当時はそんなシステムがなかったので、そういうのを活用してどんどんやってほしいです」
年齢を重ねた今、勉強の大切さを改めて実感しているという西田さん。「やらされるうちはつまらないんだけど、自分がやりたいと思ったときってすごく楽しいです」と、力を込める。今は休んでいるが韓国語にも挑戦しているという。
「もともと、ドラマで言っていることが分かりたいと思って始めたんです。ダイレクトにせりふの感覚が知りたいから。韓国ドラマファンなんです(笑い)」
◇「種をまくとき」は映画や芝居、人と接して吸収する時間
今はSNSの普及もあって人の生活がうらやましく感じたり、人と比べて落ち込んだりしてしまう時代。競争の激しい芸能界でキャリアを重ねてきた西田さんに、そんな環境で傷ついたときの対処法をたずねた。
「私たちの仕事も何かやるたびにSNSで言われがちだったりします。私の場合は、良いことを言われたときは単純に『わー、ありがとう。うれしいな~』と思って読むし、悪いことを言われれば、やはり悲しいし傷つきます。その時のコンディションによって引きずる時もあれば流せる時もある。私は自分の仕事が好きです。好きな仕事をしていて、次の作品があるということがすごく幸せだなと思うんです」
長いキャリアの中でポッカリと時間が空いたときは、「今は考える時」と気持ちを切り替えて楽しむという。
「そんなときは、私にとっては“種まきの時期”だと思って過ごすようにしています。自分の中で何もない空白の時間にしてもいいし、見たいと思っていた映画やお芝居を見たり、いろんな人と接したり、いろんなことを吸収する時間なんだろうなと思って、自由にしているんです。だんだん自分の荒だった気持ちが静かにおさまってきて……そうしているうちに良いことがあったりする。人生の流れに逆らわないというか、その時期にしかできないことをやればいいと思っています」
優しさの中に、強さを持つ西田さん。どんなときもポジティブで人生を楽しもうとする生き方は、これからの生きるヒントになりそうだ。
<プロフィル> にしだ・なおみ 1970年2月16日、広島県生まれ。モデルとして活躍後、1993年に女優デビュー。主な作品に映画「ひみつの花園」(1997年)、「ナビィの恋」(1999年)、「二重生活」(2016年)、「友罪」(2018年)、「生きてるだけで、愛」(同)、「新聞記者」(2019年)、「凪(なぎ)待ち」(同)、「青葉家のテーブル」(2021年)など。2021年、NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」で上白石萌音さんが演じたヒロイン安子の母親役で出演。映画「土を喰らう十二ケ月」が11月11日に公開。
*……「夏の砂の上」▽作:松田正隆▽演出:栗山民也▽出演:田中圭、西田尚美、山田杏奈ほか▽日程:11月3~20日▽場所:世田谷パブリックシアター(東京都世田谷区)▽ツアー公演:兵庫、宮崎、愛知、長野