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初めての絵本「はやくちよこれいと」を出版し取材に応じた吉田明世さん
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初めての絵本「はやくちよこれいと」を出版し取材に応じた吉田明世さん

吉田明世:「夫をより尊敬するようになった」 元TBSアナが夫との共著で初の絵本を出版 言葉の重み伝えることへの思いも

 元TBSアナウンサーでフリーアナウンサーの吉田明世さんが、初めての絵本「はやくちよこれいと」(インプレス)を出版した。夫でテレビCMなどを手がけるクリエーティブ・ディレクターのカタスケさんとの共著。夫と仕事をともにするのは初めてで、仕事を通じ「夫のことをより尊敬するようになりました」と話す吉田さんに、「いつか言葉の重みを伝える作品を作りたい」という絵本への思いや夫との仕事について聞いた。

 「私はテレビやラジオ、夫は広告の仕事をしていますが、どちらも大量に生まれては消費されていく仕事なんです。そんな中、2人とも世の中のため、自分たちの子どものために何か一つ、作品として残るものを作りたいという共通の思いで生まれたのが絵本でした」

 夫婦で絵本を出版するに至った経緯をこう語った吉田さん。クリエーターの夫との絵本作りを「一緒に積み木を積み上げていくような作業でとても貴重な経験でした。自分と夫では仕事の仕方が違うことを発見できたし、夫の仕事ぶりを見て、より夫のことを尊敬するようになりました。私もいっしょに作り上げられて楽しかったですね」と振り返る。

 初めての絵本は、遠い不思議の国からやってきた、チョコレートの魔人が持っているチョコレート「はやくちよこれいと」を食べると、楽しくて難しいリズミカルな言葉遊びが始まる……という内容。

 TBS時代に学んだ、歌舞伎「外郎(ういろう)売」の早口言葉を基に、商人をチョコレートの魔人、ういろうをチョコレートに置き換えるなど、子どもも楽しめる内容にアレンジした。口に出して読むのがおすすめであるものの、吉田さんは「早く読まなくても大丈夫」と言う。

 「言葉って組み合わせによって言いづらくなるんだねと、言葉を間違えちゃう楽しさや、繰り返し練習すれば言えるようになるうれしさ、日本語って面白いねという発見につながったらうれしいですね。それにママやパパだからって、早口言葉を上手に言えるわけじゃないんだよ。失敗することもあるんだよという親子の会話にもなれば」と願っている。

 アナウンサーであり、保育士、絵本専門士の資格を持つこともあって、言葉や絵本への思いは人一倍。「こんな絵本を作りたいという思いは、ほかにもたくさんある」と話す。

 「私たちが子どもの頃はインターネット、SNSはありませんでした。今の時代は誰でも自分の意見を世間に届けやすくなった。その半面、言葉に対する責任を重く受け止めていない方も多いと感じています。私も会ったことのない人の言葉に励まされたり、背中を押されたりした経験がたくさんある一方、とても傷ついた経験、言葉がナイフのように突き刺さった経験もあります。

 今の子どもたちには、自分が発する言葉の重みや、言葉の持つ力はいい意味にも悪い意味にも働くことを分かった上で成長してほしい。それが夫との共通の願いです。言葉の重みを伝える絵本をいつか作りたいという気持ちは、大切にしていきたいですね」

 今回は“第1弾”という位置づけで「言葉そのものを楽しんでもらえる絵本」を目指しながら、絵本ならではの世界観も大切にした。

 「子どもたちに絵本のイラストを見せたら『チョコレート、おいしそう』って喜んでいました。絵本はページを開いたときから、宇宙、海外……特別な世界に旅をする物語の主人公になれるのがいちばんの魅力。みなさんにも、チョコレートの魔人といっしょにいろんな世界へ旅をしてもらえたらうれしいです」

 <プロフィル>

 よしだ・あきよ 1988年4月14日生まれ。東京都出身。2011年、成城大学を卒業。同年、TBSにアナウンサーとして入社。2019年、同局を退社しフリーアナウンサーに。保育士、絵本専門士の資格を持つ。プライベートでは2016年に結婚し、現在は4歳の女児、2歳の男児の母。

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