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西野七瀬:今年も仕事に遊びに「楽しみしかない」 裁判官役に初挑戦した「イチケイのカラス」公開へ

 女優の西野七瀬さんが、1月13日から公開される映画「イチケイのカラス」(田中亮監督)に出演する。竹野内豊さんが主人公の型破りな裁判官・入間みちおを演じた連続ドラマの続編。「年が明けてすぐ、この作品が公開されることにワクワクします。そして、今年もどんな作品に出会えるのかな、またいろいろ悩むんだろうな、でも友達と楽しく遊ぶ時間もあるだろうなって思うと、楽しみしかないです」と笑顔を見せる西野さんに、同作の撮影中のエピソードや2023年の仕事とプライベートの抱負を聞いた。(取材・文/服部広子)

 今回、裁判官役に初挑戦し、「衣装合わせで初めて法服に手を通したときはうれしかったです。ちゃんと似合うようにしなきゃ! とワクワクしました」という西野さん。映画のクランクイン前には田中監督から「竹野内さんはすごく自由な方だから、共演できるのはいいことだと思うよ」と声をかけられたという。

 「実際に撮影が始まって、その言葉の意味がよくわかりました(笑い)。港のシーンの撮影をしていると、竹野内さんはふらふらとどこかに歩いて行ってしまうこともあったりするんです。あるときは、撮影を始める直前に急に一人、小部屋に入って鍵を閉めちゃったんです。

 みんなが驚いて、いろいろ声をかけて扉をたたいたら、ふらっと出てきて。何をされたかったのか全然わからないんです。入間みちおもかなりの自由人ですけど、竹野内さんも本当に、つかめない方でした(笑い)」

 映画で描かれるのはドラマから2年後。入間が判事を務める岡山地方裁判所秋名支部の左陪席、赤城公子を演じた。

 「法廷のシーンは一番緊張しました。せりふには使い慣れない言葉が多いですし、弁護席や検察席、傍聴席などにたくさん人がいる。とにかく、全員に伝わるように堂々と話そうと心がけました。特に長回しの撮影では、繰り返し同じシーンを撮るので、キャストもスタッフもすごく大変なんです。その中で、自分がせりふを噛んでしまったら、全部撮り直しだと思うと、毎回ドキドキでした」

 赤城は成績優秀な裁判官だが、次第に入間の影響を受け、正義感が燃え上がってくる。西野さん自身の正義感はと聞くと……。

 「人並みだと思います。ただ、これは違うなと思ったら、わりと口に出してしまうほうですね。自分の意見は絶対に正しいということではないんですけど、『私はこう思いました』というのは言いたいタイプだと思います」

 バラエティー番組で共演し、公私ともに親しい田中みな実さんも事件の被告人役で出演する。

 「一緒のシーンは法廷で、みな実さんが証言台で発言する場面だったんです。お互いに真剣にお芝居をしている感じがちょっと不思議な感覚でした。でも、前室に戻ると普段と変わらず、私が持ってきた漢字検定を一緒にやって遊んでいました(笑い)」

 撮影を振り返ると、やはり思い出されるのは竹野内さんとのエピソード。実は、後悔していることがあるという。

 「竹野内さんが私の隣で、何度もせりふの練習をされていたとき、急に『どうする?』って(竹野内さんが出演するCMのせりふを)振ってきたんです。そこで、私は(CMのせりふ)『GOする』という言葉で頭がいっぱいになったんですが、ためらって何も言えなかった。そうしたら、竹野内さんがご自身で『GOする』っておっしゃったんですよ。『合ってたんだ! 言えばよかった!!』と思いつつ、踏み込めなかったことに後悔しました(笑い)」

 そんな西野さんが日々の生活で大切にしていることは、「心のゆとりを持つこと」。

 「家でゲームをして、動画を見て、あと好きなお香を焚(た)いて。ガジュマルの木に水をあげて……とそういう時間が一番リラックスできます。また、友達と出かけるのも好きなので、どんなに忙しくても友達と会う時間を作りますね。どうでもいい話をしている時間がめちゃくちゃ楽しいんです」

 2022年は、旅先で海釣りや陶芸に初挑戦したり、自分がデザインしたラグを作ったりと充実したプライベートの時間を過ごした。仕事面では、映画「孤狼の血 LEVEL2」(白石和彌監督)の演技が評価され、3月に行われた「第45回日本アカデミー賞」で新人俳優賞と助演女優賞をダブル受賞した。

 「授賞式に参加させていただき、本当にすごい経験ができたと思います。事前にスピーチを準備していましたけど、本番でちゃんと言えたかどうかもわからないくらい緊張しました。映画の撮影中は、自分に全く自信がなくて、ずっと戸惑っていた記憶しかないです。賞をいただけたことはとてもうれしかったですけど、何よりも作品の力が大きかったと思っています」

 作品で悩んでいるときはもちろん苦しい。しかし、その悩む時間が楽しいとも。

 「私、悩むのが好きなんですよ(笑い)。だから、難しい役のほうがやっていて楽しいし、難しい役をやりたいという気持ちが強くて。まだまだ演じたことのないキャラクターがたくさんあります。少しずつ役の幅を広げて、演技の振り幅を広げていけたらと思っています」

 <プロフィル>

 にしの・ななせ 1994年5月25日生まれ。大阪府出身。アイドルグループ「乃木坂46」のメンバーとして2011年8月のグループ結成当初から活動し、2018年に卒業した。2022年映画「孤狼の血 LEVEL2」(白石和彌監督)で「第45回日本アカデミー賞」新人俳優賞を受賞した。

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