長澤まさみ：初共演の松山ケンイチと「まあちゃん」「ケンちゃん」と笑顔

　女優の長澤まさみさんが、映画「ロストケア」（前田哲監督、3月24日公開）の完成披露舞台あいさつに俳優の松山ケンイチさんら共演者と出席した。2人は同作で初共演。松山さん演じる連続殺人犯と対峙（たいじ）する検事役を演じた長澤さんだが、松山さんが長澤さんを「まあちゃん」と呼ぶと、「ケンちゃん」と笑顔で応じるなど、仲の良いやり取りを見せて観客を沸かせた。

　松山さんは介護士でありながら、42人をあやめた殺人犯・斯波宗典（しば・むねのり）、長澤さんは彼を裁こうとする検事・大友秀美を演じた。舞台あいさつには、鈴鹿央士さん、戸田菜穂さん、加藤菜津さん、前田監督、原作者の葉真中顕（はまなか・あき）さんも出席した。

　この日、同作を通して伝わるとうれしいことについて語り合う中で、長澤さんの「話し合ってほしい」というコメントに大きくうなずいた松山さんは、「僕もまあちゃんと一緒です」と突然の“まあちゃん”呼び。長澤さんは「ケンちゃんもそう思っていた？」とノリノリで応じた。

　しかし劇中で演じたのは連続殺人犯と検事とあって、前田監督が「撮影中、2人は全然、話していないです。役作りで距離を置いていた」とぶっちゃけ、松山さんが「その情報いらなくない？　まあちゃん、ケンちゃんでいいじゃない！」と猛抗議。長澤さんも大笑いだった。

　長澤さんはオファーがあった際の心境を振り返り、「斯波役を松山さんが演じると聞いたときから安心感があった。お仕事をしたことがなかったのに、一緒に進んでいけるという信頼があった。私も一視聴者として松山さんの作品を見てきましたし、松山さんがどういう俳優だというのを自分なりに感じていたので、きっと大丈夫だと思った」と松山さんへの信頼感を明かした。

　撮影現場では、言葉にしなくても伝わるものや、そのときにしか生まれない化学反応を積み重ねている実感があったといい、「とてもいい時間だなと思ったし、大友役は、松山さんがいないと演じることはできなかったと思います」と感謝した。松山さんは「僕もまあちゃんと一緒です」と笑顔を見せていた。

　第16回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した葉真中さんの小説「ロスト・ケア」（光文社文庫）を原作にしたヒューマンサスペンス。ある民家で老人と介護士の死体が発見される。捜査線上に浮かんだのは死んだ介護士と同じ訪問介護センターに勤める斯波宗典。斯波は介護者の家族に慕われる心優しい青年だが、検事の大友秀美は斯波が勤める訪問介護センターで老人の死亡率が異常に高いことを突き止める。秀美は真実を明らかにするべく斯波と対峙する……というストーリー。