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女優のすみれさんが、3月28日に開催される社会貢献とエンターテインメントを融合させたイベント「チェンジメーカー・フェス2023」でスペシャルアンバサダーを務める。昨年4月、第1子となる男児を出産。「家族がいるって、とても心強いです。母(女優の松原千明さん)が亡くなったときも、一番の支えは夫でした」と笑顔を見せるすみれさんに、出産後の変化や自身のソーシャルアクションの経験などについて聞いた。(取材・文/服部広子)
「私はとても寂しがり屋で、一人でいるのが苦手。いつも友達と一緒にいないとダメでした。でも、結婚して子供ができてからは、常に家族といます。支えてくれる家族がいることで私自身、強くなれたと思います」
そう語るすみれさん。「どんなところが強くなったと思うか」と尋ねると、「ネット記事に何を書かれても気にならなくなった」という。
「結婚前は人目を気にしすぎるところがあって、ものすごくセンシティブだったんです。自分のことが書かれた記事を目にするたびに落ち込んだり、泣いたりして、よく友達や家族に相談していました。それが今では、ちょっと書かれたくらいでは全然気にならなくなって、こんな私に関心を持ってくださるんだなと笑ってスルーできるようになりました。ちょっとは成長できたのかなと思います」
昨年は、最愛の母・松原千明さんが急逝。
「ママとはとても仲が良かったので、祖父母がなくなったときとは比べられないくらい、ものすごくつらかった。でも、新しい家族ができて、生まれて間もない息子もいて、乗り越えるしかない! という思い。あと、何よりも夫が一番の支えでした。家事も育児もたくさんサポートしてくれましたし、いろいろ相談に乗ってくれて。いまだに悲しい気持ちになることもありますが、もう涙は出し切ったという感じですね。時が心を癒やしてくれます」
すみれさんや土屋アンナさんが参加する「チェンジメーカー・フェス2023」は、ソーシャルアクションを起こした子供や25歳以下の若者を、国内外のエンターテイナーや著名人が、音楽、ダンス、スピーチなどのパフォーマンスで祝福するイベント。
「将来、社会の中心になる若い人たちが、どうすれば、もっと世の中をよくできるかを考え、行動に起こしていくことはとても必要なことだと思います。こういうイベントはどんどん盛り上げていきたいですね。息子が大きくなったら、ソーシャルアクションを起こせるような子になってほしいと思っています」
いま、もっとも関心を持っている社会の課題は、メンタルヘルスケアの分野。
「この数年、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、不安やストレスを感じる人が増えました。そのなかで、メンタルヘルスケアが重要だということが社会に浸透してきたと思いますが、残念ながら、まだ日本ではあまり積極的ではないように思うんです。
もっとメンタルヘルスケアについて話せるようになったらと思い、友人のクリスタル・ケイさんたちとチャリティープロジェクトを立ち上げて、メンタルヘルスケアをサポートしていました。もっと日本の人たちに心の病気やケアについて知ってほしいですね」
今回のイベントは25歳以下の人たちを対象にしている。すみれさんの10代、20代のころはどんな若者だったのだろうか。
「7歳のときに日本からハワイへ移住したので、10代は完全にアメリカナイズされていたと思います。話し方とか大人っぽく見せたりして、母からも『えらそうに言わないの!』ってよく指摘されていました。とにかく勉強はしていたので成績はとても良かったです。バレエやピアノ、演技に歌と習い事ばかりしていましたけど、全くストレスは感じず、楽しくやっていました」
ハリウッドやブロードウェーへの憧れから、大学は演劇学科へ進学。在学中に女優デビューすると、日本ではバラエティー番組などで活躍したが、大きな壁にぶつかった。
「20代前半、日本で仕事を始めたころは、やはり言葉の壁の問題が大きかったですね。日本語に“ダメ出し”をされることも多かったので、日本で活動することの難しさを感じて落ち込んだり、芸能界をやめようと思ったり。
でも、日本語がパーフェクトじゃないところは個性かもしれない、自分らしくしていればいいんだと頭を切りかえたらものすごくラクになりました。失敗してもジョークにしてあまりセンシティブにならないようにしていたら、徐々に慣れました(笑い)」
2014年には、念願のハリウッドに進出。自身の夢をかなえるために大事にしてきたこととは……。
「自分でも、ものすごく頑張ってきたと思います。でも、頑張るって当たり前のことで、それよりも大事なことは、周りの人、一緒に働く仲間を思いやり、リスペクトすること。それは監督とかえらい人だけにするんじゃなくて、誰に対しても分け隔てなく優しい気持ちで接することを心がけてきました」
そう語るすみれさんに、「将来、お子さんには芸能界に進んでほしいか」と尋ねた。
「息子の人生だから、息子のしたいようにさせたいです。ようやくハイハイができるようになったくらいなので、まだまだ先のことですけど、子供がどうしたいのかというのを常に大切にしてあげたいですね。ただ、英語は話せるようになってほしいので、私が英語でしゃべり尽くして、教えたいと思います(笑い)」