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俳優の木南晴夏さんが主演する連続ドラマ「セクシー田中さん」(日本テレビ系、日曜午後10時半)で毎回、主人公の田中さん(木南さん)が踊る「ベリーダンス」が話題だ。女性が妖艶な衣装で腰をくねらせながら踊るベリーダンスの起源や特徴などを紹介し、その魅力を解説する。
◇「ベリー」の意味は?
「ベリーダンス」は、世界最古のダンスといわれる。古代エジプトで、女神崇拝のための儀式として巫女(みこ)たちが踊ったのが始まりといわれ、豊穣を祝うための踊りとして、アラブの女性たちに受け継がれてきた。
7~8世紀ごろにこの踊りを世界に広めたのは、インドのジプシーたちだった。ジプシーたちは、インドから西へ旅をしながらその土地の民族舞踊を自分たちの踊りに取り入れ、ストリートでパフォーマンスすることで、生計を立てていた。
今でも衣装に飾りとしてコインが縫い付けられているのは、全財産を身に着けて踊ったジプシーの名残りだという。
ベリーダンスの衣装は、ブラジャーと腰に巻くヒップスカーフをコインやビーズなどで飾り、ボトムはハーレムパンツかスカートというアラビア風のコスチュームが一般的。長さ3~4メートルのベールを羽織って踊る。
「ベリー」は、英語で「おなか」のこと。ベリーダンスという名称は、19世紀にフランスで開催された博覧会でジプシーの踊りを初めて見た西洋人の記者が、おなかの動きに驚き、名付けたといわれる。
◇「上は80歳、下は3歳児」年齢問わず踊れる
ベリーダンスは、日本では2000年ごろから注目されるようになり、人気の“お稽古事”となった。
踊りの一番のポイントは、腰の動きだ。ドラマで田中さんを演じている木南さんも「腰を美しく見せることが基本。歩くときも腰から動き、回るときも腰から動く。とにかく動きの中心が腰なんです」とインタビューで語っている。
ドラマでダンスを監修している日本ベリーダンス連盟のIzumiさんは、「女性らしい魅力にあふれた踊りで、自分に自信を持てるようになり生き生きと過ごせるようになります」とその魅力を語る。
具体的には「飛んだり跳ねたりする動きがないので体に負担がかからず、全身をくまなく動かすので腰痛や肩こりなどの解消になる」とされ、さらに「下腹部、子宮周りをよく動かすので婦人科系のマイナートラブル解消にもなる」ともいわれている。
また、「習得が比較的容易なので年齢問わず踊れる」といい、Izumiさんが主宰するスクールには「上は80歳、下は3歳児」が在籍しているという。
ドラマのキャストも「ベリーダンスを踊ったことも見たこともない」という状態から、Izumiさんが「本当に基礎から指導しました」といい、「踊りの基礎だけではなく、ベリーダンスに必要なアラブリズムの解説や中東の文化などにも触れ、そのおかげで、単なる演技では伝えられないリアルなベリーダンスシーンが再現できたと思います」と各自のプロ意識やモチベーションの高さも相まって3カ月間で人前で披露できるダンスが踊れるまでになった。
ドラマでは、今後も「さまざまなジャンルのベリーダンスが登場します。衣装も踊りも少しずつ違います」とダンスシーンもますます見逃せないという。
劇中で田中さんが語っていた「女性性や精神を解放して、誰にもこびずに自由に生きる手段としての強くスピリチュアルな一面もある」ベリーダンス。ドラマを見て興味を持ったら、ベリーダンスの世界に一歩踏み出してみるのも楽しいかもしれない。