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佐藤健:「僕は省エネで地球に優しい」 等身大のラブストーリーは「感じたままに」 映画「四月になれば彼女は」主演

 俳優の佐藤健さんが主演を務める映画「四月になれば彼女は」(山田智和監督)が3月22日、公開される。初恋の女性から手紙が届き、時を同じくして、婚約者が失踪してしまうというラブストーリー。恋愛映画を演じる際は「翻弄(ほんろう)されるのが楽しいので、振り回す系の女性キャラが好き」という佐藤さんにプライベートや作品について聞いた。

 ◇「無駄にエンジンをふかさず、自然体」と自己分析 

 読者に絶大な人気を誇る佐藤さん。そう伝えると、「そう言ってもらっても嘘だって思う」と笑う。

 「デビュー当時、何もない状態から仕事を始めて、1~2年たったころに、街中で気づかれるようになったり、当時やっていたブログにコメントがついたりして、人気が出てきたと感じることはありましたが、今はSNSもやっていないし、ファンの方と触れ合う機会も多くないので実感することがあまりないんです」

 SNSで発信するような「まめな性格じゃない」と言う。自身をどんな人間だと思っているのかたずねると「省エネ。燃費がいい」と即答。

 「無駄にエンジンをふかさないタイプです。仕事を続ける中でも特に意識せず自然体で。地球に優しいんです」

 忙しい日々で癒やされる時間は……。

 「家に帰った瞬間にオフモードになるので、家に着いたら癒やされます。仕事が終わって、帰ってソファにぐでんと寝るときが至福のとき。家の中ではわりとソファが定位置。リラックスできる家にしたいと思っているので、よくいるソファ、そこに置くブランケットは気持ちよさで選んでいます」

 新たに挑戦したいことを聞くと、「ずっとスカイダイビングをしてみたいと思っています」。

 「もともとジェットコースターとかが好きで、落ちているときにみんながキャーってなっている中で、冷静に自分の重心がどこにあるのか感じて、自分をコントロールできるタイプ。空中に向いているなって思うんですよね。いつか宇宙にも行ってみたい」

 ◇自身の恋愛観は「昔から変わっていない」

 映画は、小説「世界から猫が消えたなら」や「百花」など、話題作を生み出してきた川村元気さんの同名小説が原作。7年前に原作を読んだという佐藤さんは「恋愛についてぼんやり思っていることを言語化してくれている」と感じたという。

 「川村さんの作品の好きなところは、人間が理解できないもの、身近にあるのにコントロールできないものについて書いている。寿命、お金など、正体がわからないものに、読者が主人公と一緒に近づいていけるところに魅力があります。恋愛も、知っているけどわからないもの。うまくできないけどその正体を知りたいと思って小説を読みました」

 佐藤さんが演じるのは、精神科医の藤代(ふじしろ)俊。作中では、過去と現在で2人の女性との恋愛が描かれる。

 「どちらの恋愛も、共感できることが多かった。初恋は二度と経験できない感覚で、春(森七菜さん)との過去の恋愛パートで表現できたらいいなと思いました。

 弥生(長澤まさみさん)との恋愛パートでは、一見冷めて、淡々として見えるけれど、何年も一緒にいるから、よくも悪くもお互いが日常になっている。そんな、世界中にたくさんいるカップルに見えればいいなと。外から見るといい彼・彼女に感じるけれど、この2人はいちばん大事なものが欠落しているんです。大事なのは本質で、表面に見えることはすべてではない、真実ではない場合が多いなとあらためて感じました」

 ラブストーリーで等身大の役を演じるにあたっては、「用意しないようにしている」という。

 「相手によって自分も変わっていくので、こういう演技をしようと考えず、そのとき感じたままできたらいいと思っています。相手によって芝居も勝手に変わるので、それがおもしろかったですね」

 自身の恋愛観は「昔から変わっていないほう」。

 「小・中学生のようにドキドキして1日忘れられないとか、あの当時特有の非日常感はないですけどね」

 作品の中では、藤代といい関係を築いている友人たちの姿も描かれる。

 「自分自身は昔からの付き合いの人があまりいなくて。小学校からの一生気の合う人がいるっていうのを聞くとうらやましい。学校が同じだったから仲がいいわけではなく、生き方に共鳴して親友になれる相手が、たまたま同じ学校にいたってすごいこと。自分はこの仕事を始めてからそういう人に出会えました」

<プロフィル>

 さとう・たける 1989年生まれ、埼玉県出身。2006年、17歳でドラマデビュー。これまでに多数の映画、ドラマに出演。2012~2021年に全5作が公開された映画「るろうに剣心」シリーズで幕末の刺客を好演。2017年「8年越しの花嫁 奇跡の実話」、2022年「護られなかった者たちへ」で、それぞれ日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞。2022年11月にはNetflixオリジナルシリーズ「First Love 初恋」で主演を務め、2025年には自身がプロデュースとして関わるNetflixオリジナルシリーズ「グラスハート」が配信される。

*……映画「四月になれば彼女は」は、4月のある日、精神科医の藤代俊(佐藤さん)のもとに、10年前に交際していた初恋の女性・伊予田(いよだ)春(森さん)から初恋の記憶が書かれた手紙が届く。時を同じくして、藤代の婚約者・坂本弥生(長澤さん)が「愛を終わらせない方法、それは何でしょう」という謎かけを残して、突然、姿を消してしまう。東京、ボリビア・ウユニ、チェコ・プラハ、アイスランドなど世界各国を舞台に、藤代は愛する人の姿を探し求める、というストーリー。

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