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俳優の三吉彩花さんが、池松壮亮さん主演の映画「本心」(石井裕也監督、11月8日公開)に“三好彩花”役で出演している。三好は主人公の亡き母の友人で、過去のトラウマから他人に触れられないという人物。テクノロジーが進化した時代にあっても、“触れない”“伝えられない”という、人との関わりの本質を問いかける役でもある。本人とも通じるどこか人を惹(ひ)きつける役柄を、「ほぼすっぴん」で演じたという三吉さんに、話を聞いた。(前後編の後編)
◇キッチンでの“あるやりとり”のシーン「素に近い絶妙な距離感」
映画には、他人に触れられない三好が主人公の朔也(池松さん)と行きがかり上、一緒に暮らすことになり、キッチンでぎこちなく2人で“あるやりとり”をするシーンが登場する。三吉さんはその場面が印象に残っているという。
「あのシーンの動きって、その場で生まれたリアルなもので、ちょっと素に近いというか。人に触れられない三好と同居することになってどうしたらいいか分からない朔也という、タジタジしている2人の絶妙な距離感が表れていて、結構好きです」
撮影に当たって、今回は「全編を通して、ほぼメイクはしていない」と自然体で演じた。肌の美しさが際立っていたが、普段から気を付けていることを尋ねた。
すると、「1年を通してずっときれいでいられるのは難しい」と言いつつ、「環境や、お水、食生活など、普段から徹底するというよりは、気をつけるときは気をつけて、だらけるときはだらけるというメリハリが結構あるタイプです。ただ、なるべくお水をたくさん飲むようにしてます。1日1.5~2リットルくらいかな」という答えが返ってきた。
映画の撮影は体力を使うが、「今回は、あまり体作りが必要な役柄ではなかったので特に何もやっていない」とこちらも素に近い状態で臨んだという。
「普段から運動はしています。今は有酸素運動。ジムへ行ってウエートトレーニングをするときもあれば、ピラティスをするときもありますし、作品やイベントなどそのときによって、何をやるかは常にメニューを変えていますね」
◇リラックスする時間は?
日々のルーティンでは、「決めたことをその日に必ずやる」ことを大事にしている。
「撮影に入ると、結構時間がバラバラになりますけど、“必ずやること”を決めて大事にしています。例えば、睡眠時間を削られるのは仕方ないと思うんですけど、その中でも、ちゃんとご飯を食べるとか、疲れていても運動をするということを心がけています」
そんな中で、一番リラックスできるのは“睡眠”時間だという。
「まず寝ることですね。(良い睡眠をとるには)枕もすごく大事だなと思いますし、木の香りのお香を焚(た)いたり。睡眠に集中したいときはイヤホンして寝たりもしていますね。そうすると、いつでもどこでもすぐ寝られますね」
モデルと俳優の仕事、どちらも充実している三吉さん。今後も、「特にどちらに比重を置くということは考えていない」と語る。
「もちろん、こういうものをやっていきたいとか、どういう人たちと良い仕事をしていきたいというビジョンはありますけれど、どちらに比重をというのは考えていないです。俳優が多い年もあれば、モデルが多い年もあって、年によってバラバラなので」といい、ただ「両方やっているから相乗効果はあると思います。表に出てパフォーマンスをする部分であったり、その準備段階でのルーティンで大事にしなきゃいけないことなど重なっている部分もあるので」と両方やっているからこそ良いパフォーマンスを表現できると実感している。
再来年には30歳になる三吉さん。俳優、モデルとして30代になってからもますます輝き続ける姿を見届けていきたい。
映画は、「舟を編む」(2013年)などで知られる石井監督の最新作で、「ある男」などで知られる平野啓一郎さんの同名小説(文春文庫/コルク)が原作。今からさらにデジタル化が進み、“リアル”と“ヴァーチャル”の境界が曖昧になった少し先の未来(物語の始まりは2025年)を舞台に、自由死を選んだ母の“本心”を知るためAIで母をよみがえらせることを選択する青年、石川朔也(池松さん)と、彼を取り巻く人間の心と本質に迫るヒューマンミステリーだ。