宝島社のフェムテック・フェムケア啓発プロジェクト「もっと話そう! Fem&」の一環で行われた男子校での性教育特別授業
宝島社は2月5日、女性誌10誌、男性誌2誌合同で行っているフェムテック・フェムケア啓発プロジェクト「もっと話そう! Fem&(フェムアンド)」の一環として、東京都千代田区の男子校、正則学園高等学校で性教育特別授業を行った。同校生徒会によるプレゼン、50代女性向け月刊ライフスタイル誌「大人のおしゃれ手帖」(同社)の橘真子編集長、産婦人科医の吉形玲美さんの講義を実施し、2年生の243人が参加した。
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同社は、2022年に初めて正則学園で性教育授業を行った。今年度は1年を通して2回の授業を実施している。昨年8月の1回目の授業では、異性の健康課題に関する理解を深めることを目的に、生徒会の生徒に向けて事前授業を行った。
また、同年11月の文化祭では授業に参加した生徒が全校アンケートを実施し、今の男子高校生が異性に関してどのくらい正しい知識を持っているか調査した展示発表を行った。
この日の特別授業では、まず生徒会の会長、副会長が登壇し、生徒会執行部が行ったアンケート結果や、生理ナプキンの着用体験をした感想などを発表。「異性の体のことを理解しきれていない。性のことを話すのは恥ずかしい」という高校生の現状を紹介し、「正しい知識を得ることで、お互いがストレスのない生活が送れるのではないか」と意見を述べた。
さらに、「僕たちは異性に興味を持ち始める年代です。男子校では性差を感じることはあまりありませんが、このまま性差を学ばないで社会に出たらとても危険です。自分の無意識の行動や言動が知らない間に人を傷つけることがあります。男子校だからこそ異性への理解は必要」だといい、「女性のライフステージを体感することはできません。だけど理解はできます。この学校が推奨している“リトルジェントルマン”を卒業し、理解ある“ジェントルマン”になりませんか」と力強く話した。
橘編集長と吉形さんの講義では、女性のライフステージと健康問題、女性ホルモンの変化による体内の変化、パートナーや母親が生理のときにできる対応、更年期症状などについて解説した。
授業後、取材に応じた副会長のSさんは、授業や文化祭での発表を通じて、実際に更年期を迎えている母親に向き合うようになったといい、「いじる感じで冗談ぽく、『更年期なんだから寝ときなよ』と伝えて、洗濯物をたたんだり、皿洗いしたりしました」。会長のKさんは、「姉と分担している家事を、姉が生理中でつらいときは自分が引き受けるようになった」と語った。2人とも「なかなか姉妹と体のことを話すことはなかったが、知識を得たことで話しやすくなった」と話した。
橘編集長は、「生徒のお母さん世代である読者からは、反抗期の息子に手を焼いたり、話を聞いてくれなかったり、と距離を感じているという声が非常に多い。実際に男子生徒たちの声を聞いてみて、母親への思いやりや気遣いをしっかり持っていて、でもどう接したらいいか分からなくて距離を置いている部分もあるのかな、と感じられた。生徒たちが一番身近な女性であるお母さんに対して、真摯(しんし)に考えていることがわかってうれしくなった。それを読者の皆さんに伝えていけたら」と語った。
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