鈴木えみ：“えみちぃ世代”の熱い言葉で20年ぶりに映画出演　20年前に大きな話題を呼んだMV秘話も明かす

　モデルの鈴木えみさんが、映画2部作「女神降臨 Before 高校デビュー編／After プロポーズ編」（星野和成監督）に出演する。約20年ぶりの映画出演となり、前編「女神降臨 Before 高校デビュー編」が3月20日、後編「女神降臨 After プロポーズ編」が5月1日に公開される。「なりたい自分になる」ための心掛けや、20年前に話題を呼んだ「ケツメイシ」のMV出演時の思いを明かした。（前後編の前編）

　◇「えみちぃ世代」が責任ある立場に　「熱いメッセージをいただきました」

　「女神降臨」の出演が決まったときは、「率直に『なんで？』と思った」と振り返る。

　「プロデューサーの方からすごく熱いメッセージをいただきました。（演じた）セレーナの役どころとして、カリスマメーキャップアーティストっていうことで、私は普段、美容雑誌のモデルをさせてもらったり、SNSでもメーク動画を発信したりとか、メークにまつわる仕事も多いので、やっていることは遠くはないし、セレーナだったら私何か貢献できることがあるかもと思いました」

　熱い言葉を送ったというプロデューサーは、「きっと、えみちぃ世代なのかな」と同世代の仕事仲間を自身の愛称で呼ぶ。

　「私は今年で40歳になるんですけど、ティーン誌から一緒に育ってきたアラフォー世代には、それぞれ自分のキャリアの中で、（出世して）いいところまで来てる方が多くて、そういう流れもあるのかなと思います」

　久しぶりの出演ということでは、昨年9月にトーク番組「おしゃれクリップ」（日本テレビ系、日曜午後10時）で約13年ぶりのテレビ出演も大きな反響を呼んだ。

　「番組で『お芝居はちょっと……』という話をしたすぐ後ぐらいに、この映画の出演が決まりました。『あれ？　やらないって言っちゃったよね？』って」

　◇「失敗したらやめていい」　ポジティブマインドでトライしてきた

　映画は「なりたい自分」をかなえるために、メークで人生を変えた主人公・麗奈（Koki，さん）の“恋”と“夢”を追いかける、17歳から25歳までの9年間の物語。鈴木さん自身は「なりたい自分」になるために心掛けていることはあるのだろうか。

　「麗奈にはちょっと負けるけど、私もすごくポジティブなので、新しいことを始めるとき、あんまり深く考えずに、一歩踏み出せるタイプなんです。『失敗したらやめたっていいじゃん』って思うので、ためらわずに1回トライしてみるし、好奇心が旺盛なほうなので、『できちゃうかも』って思って何でもやってみたくなっちゃう」

　踏み出した結果、失敗したとしても「あんまり失敗って思わないかもしれない」という。

　「なるほどね、じゃあ次はこうして……と私の場合はすぐ切り替えられます。すごく意識してそう思ってるわけじゃないんですけど、どんどん次に向かいます。普段、けっこう悩み相談をされる側なことが多くて、いろんなことを聞くんですけど、共通しているのが、みんな考えすぎなんですよね。どうなるか実際やってみないとわからないのに、その手前の段階で、考えすぎて動けなくなっちゃう。でも結局、動かないと何も景色が変わらないので、とりあえずやってみたらいいでしょうって思うんです。それによって、もしうまくいかなくても、違う角度から攻めてみることもできるはず」

　◇自分で決めたことが自信に　最たる成功体験はケツメイシのMV出演

　ポジティブなマインドは、仕事を始めた頃から変わらない。

　「私は13歳でデビューしたんですが、けっこう早い段階で自分の決断を迫られるというか、どうしたい、何がやりたい、こういうときはどうする、と考えることがすごく多くて。そうして決めたことが良い結果になって、自分の自信につながっていく、成功体験の積み重ねのおかげで、この性格になりました」

　その成功体験の最たる例が、発表当時から大きな話題を呼んだ「ケツメイシ」の「さくら」（2005年）のミュージックビデオに出演したこと。

　「当時はMVに役者さんやモデルが出演していなかったので、事務所的にはあんまり前向きではなかったんですよ。でも、『やりたいです』って私の意見でやることになって。もともと、ケツメイシが好きだっていうのもあって、新曲のデモ（音源）を聴いてみたいですって言って、聴いたらめちゃくちゃいい歌なので、『これはやりたいです』って。長く愛される楽曲になりましたし、本当にやると言ってよかったって思えました」

　＜プロフィル＞

　すずき・えみ　1985年9月13日生まれ、京都府出身。1999年に女子中高生向けファッション雑誌「SEVENTEEN」（集英社）のモデルオーディションで「ミスセブンティーン」に選ばれデビュー。現在もモデル活動を続けつつ、自身のブランドのデザイナー、「いのちの授業」の発信など、その活動は多岐にわたる。

＊……映画「女神降臨 Before 高校デビュー編／After プロポーズ編」は、yaongyi（ヤオンイ）さん作の韓国発ウェブマンガが原作。地味で冴えない容姿から学校でいじめられ、不登校になってしまった麗奈は、メークとの運命の出会いで人生を大きく変える。努力を重ねた結果、誰もが振り向く“女神”へと大変身を遂げ、転校先で完璧な人生を再スタート！　しかし、同級生の神田俊に「トップシークレット」を見抜かれ、秘密の口止めと引き替えにまさかの主従関係に！？　さらに俊と「ある過去」を共有するもう一人の同級生・五十嵐悠からも、次第に目をつけられて……。