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松下由樹さんが主演を務める連続ドラマ「ディアマイベイビー~私があなたを支配するまで~」(テレビ東京系、金曜深夜0時12分)が6月20日に最終回を迎える。同作での演技が「怪演」と話題を集めていることについて「どう受け止めていいのか……、正直自分の中で消化しきれない部分はあるんですけれど……」と苦笑しつつ、「褒め言葉として受け止めようと思っています」と前向きに受け取っていると明かす松下さんに、ドラマやプライベートについて聞いた。
◇狂愛マネージャーから「恵子さん」へ 役名で呼ばれることに喜び
ドラマは松下さん演じる芸能事務所のマネージャー吉川恵子が、新人俳優・森山拓人に異常なまでの愛を注ぎ、その執着が狂気へ変貌していく……というストーリー。
拓人が恵子をナイフで刺したニュースで始まった第1話から、毎話、怒涛の展開を見せ、恵子はキスシーンの撮影を控えた拓人に、自分とキスの練習をすることを迫ったり、拓人を「バブちゃん」と呼んで自室を拓人の写真で埋め尽くしたり……と驚くような愛情表現を見せる。しかし、これは序の口で回を追うごとにエスカレート。鬼気迫る松下さんの演技も「怖すぎる」「ホラー」と視聴者の心をつかんだ。
「最初に台本を読んだときは、かなり過激な内容でしたので『怖い』『ヤバい』と衝撃がすごく大きかったですね。現実の芸能界と比べることは一切しませんでした。自分と比べることもしない、こういうマネージャーさんがいるかという想像もせず。このドラマの中での世界を意識した方がドラマチックで面白くなって、没入感も生まれて、最後まで引き込まれる作品になると思いました」と振り返った松下さん。
「役者の醍醐味の一つは、役名で呼ばれること」と考えており、いま周りから「恵子さん」と呼ばれることに喜びを感じている。
「最初は、“狂愛マネージャー”って呼ばれたり、紹介されたりしていましたが、いまは『恵子さん』って呼ばれていることを実感していますね。それが一つのバロメーターでもあるし、それが連続ドラマの面白みだと思っています」
◇「笑い」は美容にも通じる 歩くことやストレッチも習慣に
美容や健康のために続けていることを聞くと、「ここ1年ぐらいで歩くことが好きになった」と挙げた。普段は20~30分、ときには1時間以上歩くこともあるという。また「体を柔らかくすることが、いまの目標」とストレッチも続けている。
「歩くとリフレッシュできますね。舞台出演に向けた体力作りで始めましたが、意外と自分に合っていました。歩きながら頭の中を整理できたり、なにも考えないでいられたり。姿勢を気をつけようと意識したり。ただ歩くだけじゃなくて工夫できて、思った以上に楽しめています。
ストレッチは、朝起きたときに体が硬いとほぐすのも時間がかかってしまうので、体が柔らかければラクになるかなと思って続けています」
そして、「笑うこと」は自分にとって、健やかに過ごすために大事なことだと言う。
「保湿をはじめ、体の外からケアすることは必要ですが、それとは別に自分が笑ったり、人の笑い声を聞いたり、笑顔の人を見るだけでも“体の循環”がよくなるというか……。ストレス発散にもなりますし、私にとってはすごく大切。美容にも通じるものがあると思いますね。だから笑い合える人や、笑うことができる環境があることはいいことですよね」
◇ドラマは“らしい”終わり方に サブタイトルの意味が描かれる
「ディアマイベイビー」の撮影現場も「笑い声が絶えなかった」と明かす。
「ヘビーな役どころなので撮影が始まる前は、自分も“浸食”されちゃうんだろうかと思っていましたが、真逆だったんです。監督もスタッフも、共演者のみんなも、本気でやるから笑いが起こるという感じで、自分でも本当に驚きでした。
作り上げて、演出して、演技をして……ワンシーンやるたびに面白い。みんながやりきっていたからかもしれないですね。それぞれの分野で全員が完璧に集中して作り込んでいましたから。『ディアマイベイビー』の世界をみんなで作っていくことが楽しかった。クランクアップしてますます、とてもありがたい環境の中で芝居ができたと感じています」
最終回では、支配と依存が入り混じる歪んだ愛情の果てに、恵子と拓人の物語が結末を迎える。
「サブタイトルにある『~私があなたを支配するまで~』という意味が本当の最後に描かれます。二人の純粋な愛情と、支配・依存関係が混ざって、切なさもありながら、とても危険なものをはらむ。二人の関係がどう成立するのかが見どころですね。
たぶん、視聴者の方も想像がつかないんじゃないでしょうか。『没入感と中毒性と情緒の不安定さこそが、ディアマイベイビー』みたいな終わりを楽しんでもらえると思います」
<プロフィール>
まつした・ゆき 1983年「アイコ十六歳」で映画デビュー。1989年に「オイシーのが好き!」でテレビドラマ初主演した。「想い出にかわるまで」「29歳のクリスマス」「ナースのお仕事」シリーズ、「週末婚」「大奥第一章」など代表作多数。7月4日に「映画 おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」が公開予定。