劇場版「TOKYO MER~走る緊急救命室~南海ミッション」に出演し取材に応じた宮澤エマさん
<インタビュー後編>アクションもの、英語作品への出演やプロデュースにも意欲 「宮澤エマがやったら面白いと思われるならなんでも挑戦」
公開中の劇場版「TOKYO MER~走る緊急救命室~南海ミッション」に出演する俳優の宮澤エマさん。沖縄・鹿児島の海を舞台にした同作で、常に冷静で頼れる麻酔科医を演じた宮澤さんに撮影に向けた体作りや、年齢とともに変化した考えを聞いた。(前後編の前編)
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◇「動ける体」作りをして臨んだ撮影初日 「思わぬところに筋肉痛が…」
映画は、救命救急のプロフェッショナルチーム・TOKYO MERの活躍を描いた医療ドラマ「TOKYO MER~走る緊急救命室~」(TBS系、2021年)の劇場版第2弾。新設された南海MERが、大規模な噴火災害での救命という史上最大のミッションに挑む姿を描く。宮澤さんは麻酔科医の武美幸を演じる。出演が発表されたとき、「え! あのMERに私が?」と驚いたことを明かしていた。
「思い返してみると、私が大河ドラマの撮影中に、テレビドラマ版の放送があり、コロナ禍でずいぶん大きなスケールのレスキューものをやっているんだなと思っていました。いい意味で心に引っかかりながらも、アクションとも言えるようなハードな医療もので、私はこういったヒーローものにあまり縁がない演劇人生だったので、自分が出るとは想像もしていませんでした」
出演にあたって、筋トレに励んで少しボディーラインを絞ったり、筋肉量を増やしたりと、「動ける体」の準備をして臨んだ撮影初日、火山灰が降る中で患者をストレッチャーに乗せて運ぶシーンに挑んだ。
「平たんな病院の廊下ではなく、山道で実際に人を乗せて、絶対に落とせないプレッシャーもありつつ、その間にセリフをしゃべりながら医療機器を扱って……と、普段はしない動きが多かったので、スクワット30回やるみたいなこととは違って、いろんなところにアンテナを張って体を動かすと、思わぬところに筋肉痛がくるものだな、と。撮影がない日も、ジムに行って体力を落とさないようにトレーニングしていたんですが、たまたま(主演の鈴木)亮平さんと同じジムだったみたいで、ばったり出くわしたこともありました」
◇年齢とともに無理するかどうかの線引きが上手に
現在30代、「健康な体に健康な心が宿る、逆もしかり」と持論を語る。
「私はもともと、一日中家でダラダラすることができるタイプのインドア派なんですが、そういう日が何日も続くと、逆にすごく不安になり、不機嫌になっていくこともわかっています。1日に15分でもいいから、ちょっと体を動かすと、途端にメンタルの調子がよくなるんです。何らかの動きをなるべく入れたいなって考えるようになったのは、20代前半ではありえなかったと思います」
年齢とともに、「無理できる時には無理をして、無理する必要がないなと思ったら、スパッと諦めるというメリハリが上手につけられるようになってきた」とも言う。
「コロナ禍を経験したことも大きいと思うんですけど、この人に会ってみたいと思ったらフットワーク軽く動き、いま無理して会わなくていいやとか、帰りたくなったら帰るとか、判断を下すことが、自分の中で線引きして上手にやれるようになってきました」
一緒に飲んでいる先輩が帰りたくなさそうにしていたら、時には「もうちょっと付き合おうか」と無理をすることもある。
「自分の意見を尊重したほうがいいのか、戦う意味のない戦なら周りに合わせることにして黙るか、をその場の空気で見極めます。夜寝る時に『こうすればよかった』っていう後悔がゼロの人生はありえないと思うんですけど、なるべく『よく頑張った』って自分をめでるようにしたい」
◇中身と外見が伴った年の重ね方を
ありのままでいることを強く意識し、「美のスタンダードに当てはまる必要性ってあるのかな」と抵抗していた時期もあるという。
「年を重ねていく中で、自分がどう年を重ねたいかと、自分が変化していくことに対しての考えを何回もアップデートしているなという感覚があって。頑なに一つのやり方じゃなくていいと気づき、今の自分は体がちょうどいいとか、常にそれを更新していくことのほうが自分に合っているなと思うようになりました。『ありのままでいいじゃん』から、『もっと自分をケアしてあげよう』になったのは、ここ1、2年ぐらいで変わったことかもしれません」
肌のケアや、食べるものの影響など、トレーナーに学んで、「目からうろこ」な知識も身につけている。「自分をケアすればケアした分だけ、反応や見え方も変わってくるから面白い」とも話す。
「今の自分が一番いい状態でいたいというか。今の自分の最高を更新していけば、たぶんそれがいい軌道に乗ってくるってことなのかなと思っています。年齢ってただの数字だけど、でも意味がないことでもないから、ちゃんと中身と外見が伴っていたい。20代の頃は、学生の頃に培ってきた教養だけで乗り切れるところがあると思いますが、それ以降って、本当にその人が生きてきた軌跡だったり、勉強してきた教養だったりがすごく出る気がしていて、そこの部分をちょっと大切にしたいなと思います」
<プロフィル>
みやざわ・えま 11月23日生まれ、東京都出身。2012年、芸能界入り。2013年、ミュージカル「メリリー・ウィー・ロール・アロング ~それでも僕らは前へ進む~」に出演。2019年公開の映画「記憶にございません!」で映画初出演。以降、NHK連続テレビ小説「おちょやん」(2020年)、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(2022年)、NHK連続テレビ小説「らんまん」(2023年)などに出演。現在、放送中の連続ドラマ「初恋DOGs」(TBS系、火曜午後10時)にも出演している。
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