出雲湯村温泉漆仁の湯。木のぬくもりのある内湯。床は大きな石畳で、常に大量の温泉があふれている
この5月、出雲大社(島根県出雲市)は式年遷宮を終えます。伊勢神宮(三重県伊勢市)の式年遷宮は20年に1度ですが、出雲大社の遷宮は60年に1度。私たちにとっては一生に一度しかないチャンスといえます。遷宮というのは平たく言うと神様の家を新築してそちらに神様に引っ越ししてもらうことです。
出雲大社の御利益は、縁結びとして特に女性によく知られています。境内には恋愛成就や婚活成功祈願の女性参拝客がたくさん。「縁結び」って恋愛や結婚のことだと思われがちですが、実は仕事や学業、芸事等からさまざまな人間関係などなどこの世のあらゆることとのつながりを意味するので、どんなことでも「良い御縁がいただけるように」とお願いしていいのです。
せっかくですから新しく生まれ変わったすがすがしい本殿に参拝に行ってはいかがですか。出雲大社の御祭神は日本の国の基礎を作ったといわれる大国主命(おおくにぬしのみこと=七福神の大黒様)です。参拝して日本のルーツにも触れてみるのも面白いですよ。女性だけでなく男性も足を運んでみてほしい神社です。
そして参拝後には、島根に古くから伝わる知る人ぞ知る名湯へ足を延ばしてみましょう。
◇1300年前から伝わる出雲湯村温泉 美肌効果とデトックス効果に期待
島根県雲南市にある出雲湯村温泉は、「出雲国風土記」という733(天平5)年に聖武天皇に奏上されたといわれる書物に「薬湯」として記載されているほど古来、知られた名湯です。同じ島根県でも玉造温泉などは有名ですが、出雲湯村温泉は今ではひっそりと山間に隠れた秘湯になっていて、ヤマタノオロチがすんでいたとの伝説が残る斐伊川沿いにあります。この出雲湯村温泉の漆仁の湯は地元の人や広島県からのお客さんでにぎわう小さな共同温泉です。足湯や家族風呂もあり、夕方には湯につかりに来た近所の人たちのちょっとした社交場にもなっています。
小規模ながらとても掃除が行き届いていて清潔感があり、豊富な湯量かつ約43度という高い源泉温度(使用位置ではほぼ42度)のため完全なる100%源泉かけ流しです。内湯は100%源泉かけ流しでも露天風呂は源泉かけ流しではないところも多い中、もちろんここは露天風呂も源泉かけ流し。
この温泉の成分量はどれも特別高くはないため、湯あたりしにくい体に優しい泉質。ほどよく角質を落とすクレンジング効果や傷の修復を助ける効果がある美肌の湯でもあります。また体の芯まで温まるので発汗作用がとても大きく、さらに水圧による利尿効果もあるので老廃物を排出してくれます。汗をかきにくい体質の私でも湯あがりに冷房を強くきかせた部屋でしばらく汗が滝のように流れ出てとまらず、そして何度もトイレにかけこむほどでした。夏場の空調などでむくんだ体もスッキリです。