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主演映画「桜、ふたたびの加奈子」について語った広末涼子さん
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主演映画「桜、ふたたびの加奈子」について語った広末涼子さん

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彼女がキレイな理由:広末涼子さん 30代で役の幅が広がり「責任とやりがいを感じる」

 女優の広末涼子さんと「SMAP」の稲垣吾郎さんが幼い娘を亡くす夫婦を演じ、“生まれ変わり”をテーマにした映画「桜、ふたたびの加奈子」(栗村実監督)が公開中だ。映画は新津きよみさんの小説が原作。広末さんは一人娘の加奈子を不慮の事故で亡くし、自殺を図るほど絶望するが、シングルマザーとして生きる覚悟をしている女子高生との出会いによって“命の循環”を信じて立ち直ろうとする女性・容子を演じた。稲垣さんが演じる寛容な夫に「支えられた」という広末さんに、役作りや女優の仕事について聞いた。(毎日新聞デジタル)

 広末さんは「きっとあのだんなさんじゃないと立ち直れなかっただろうなって思うんですよね。ああいうだんなさんだから、容子が落ち込んで普通の生活に戻れないという期間があっても次の命に希望が持てたんだと思う」と夫・信樹を演じた稲垣さんを絶賛する。「稲垣さんはコーヒーを入れるだけでもインテリに見えてしまうから(笑い)、普通のお父さんに見えるにはどうしたらいいんだろうって監督が悩んでらっしゃって」と撮影エピソードを明かす。

 稲垣さんは食事のシーンを撮影中、「食べ方はこの順番でいいのかなとか、夫婦だったらどうするのかなと、すごく細かく考えてらっしゃって、ああお芝居がお好きなんだなと。子供(子役)と接しているときも『ちょっと照れちゃうんだけど』といいながら、すごく勉強熱心で。出来上がった作品を見たら、フラットでいままで見たことのない自然な稲垣さんの姿が映し出されていたような気がします」と話す。

 広末さん自身は「撮影に入る前も覚悟が必要だなとは思っていたんですけど、でもやっぱり入ってからもしんどかったですね。女優という仕事をしているからなのか分からないんですけど、ニュースを見ていて涙を流すとか、他人の人生を自分にリンクさせるようなことが多いので、それが役となると余計に自分に近くなって……」と今回のつらい役どころも容子になり切って演じた。その経験をしたからこそ、「今、生きていることのありがたさだったり、毎日を本当に大切にしなきゃいけない、もっと人に優しくしなきゃいけないとか、後悔がないように時間を過ごしていきたいと思わせてもらっています。そのことには、すごく感謝しているんです」と前向きに語る。

 後半、亡くなったはずの加奈子の生まれ変わりと接触するシーンで、加奈子の声を聞いて容子が泣く場面では、「完成した作品を見て、あんな顔で私泣いたことってあるかなという表情をしていたんですよね。演技で泣くときや怒るときって、顔を崩し過ぎると注意されたり、ある程度抑えなきゃいけないという自分のストッパーがあるんですけど、たぶんそこを超えていたんだなという気が今回初めてしました」とひと皮むけた実感があるという。

 シリアスな作品だが、現場は子役が何人か出演しているため明るく、「本当に子供中心の撮影現場で、監督もたじたじな感じで振り回されていました(笑い)。まだ生まれて数カ月の赤ちゃんもいたので『今、赤ちゃんがお昼寝中なので起きるのを待ちます』みたいなときもあって。この作品に入る前に『LOVEまさお君が行く!』という映画に出演して犬の映画は大変だなと感じていたのに、犬以上に大変なものがあるんだなと今回思い知らされましたね」と笑う。だが、「出来上がった作品を見ると子供のまっすぐな目には大人は勝てないなと思いました」と子役が映像に与える影響力の大きさを感じている。

 小さいころから女優にあこがれていたという広末さん。10代でデビューし、18年ほど女優を続けてきているが、ここのところ演じる役の幅が広がってきたと感じている。「30代に入って、初めてのことがたくさんあって、緊張したり、悩んだりしています。これってきっとこの仕事を続けていけばいくほど、その連続だと思うとすごくワクワクするし、まだまだこれからだと思っています」と将来を見据える。そして「役の幅が広がったからこそ余計に演じることへの責任を感じますし、意義のあることだなと思います。メッセージを伝えられる立場に立たせてもらっているんだなということが、ありがたいと思うと同時にやりがいに感じて。やっぱり私は女優という仕事が好きだなと改めて感じます」と力を込めた。

 次回は、広末さんの休日の過ごし方や生き方などについて聞く。

 <プロフィル>

 1980年7月18日生まれ、高知県出身。94年にCMでデビュー。95年、「ハートにS」(フジテレビ系)でドラマ初出演。97年、「20世紀ノスタルジア」で映画に初出演した。同作の演技で映画の新人賞を総なめし、以降、第一線で活躍し続けている。日本アカデミー賞では「鉄道員(ぽっぽや)」(99年)で優秀助演女優賞、「秘密」(99年)で優秀主演女優賞と同年にダブル受賞。また、「おくりびと」(08年)、「ゼロの焦点」(09年)で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を2年連続で受賞している。最近の主な映画出演作は「GOEMON」(09年)、「FLOWERS」(10年)、「LOVEまさお君が行く!」(12年)、「鍵泥棒のメソッド」(12年)など。7月から17年ぶりに主演する連続ドラマ(関西テレビ・フジテレビ系)が放送予定。映画「桜、ふたたびの加奈子」は全国で公開中(ショウゲート配給)。

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