(C)鷹の爪GO製作委員会
大人気のフラッシュアニメーション「秘密結社 鷹の爪団」による劇場版シリーズ第5弾「鷹の爪GO~美しきエリエール消臭プラス~」が13日公開された。“地球に優しい世界征服”をモットーとする鷹の爪団が、悪の帝国と機械生命体の惑星との宇宙戦争に巻き込まれてしまうさまを大スケールで描く。声優界の大御所・大山のぶ代さんが声の出演……ではなく、なぜか巨大ロボのメカデザインを手がけた。蛙男商会のFROGMAN監督・脚本、キャラクターデザイン、そして声の出演も果たしている。
秘密結社・鷹の爪団たちは、戦闘主任・吉田くんのお母さんを島根で見舞った。その帰りに立ち寄った神社でおみくじを引くが、全員「凶」。そして、ある予言を受ける。一方、地球から離れた機械生命体の惑星ゴゴゴが、悪のネマール帝国に侵攻されつつあった。そんな中、機械生命体のさえない中年男オキテマス・スマイルは、命からがら脱出。最愛の娘ヨルニー(声・河北麻友子さん)を連れた彼は伝説の救世主“青く輝く星に住む一人のとがった耳の男”を探すために地球にやってくる。“青く輝く星に住む一人のとがった耳の男”とは、鷹の爪団を率いる総統・小泉鈍一郎のことだった……という展開。
突っ込みどころの多い吉田くんと、意外にまともな総統とのやりとり。そして、個性あふれるキャラクターたちで人気のこのシリーズ。「ギャグアニメなのに……」とちゃかしたネタが挿入されているが、ユルい作風の中に人間の欲深さを糾弾する奥深さもあったりして、よく練られた脚本と世界観に魅了される。宇宙戦争に巻き込まれる吉田くんたちの騒動にもワクワクするが、オキテマス・スマイルというちょっと気弱な父親が出てきて、このキャラクターに感情移入してしまう世のお父さん方も多いのでは。小ネタのオンパレードに笑いが止まらない。中でも個人的に「お弁当レンジャー」に目を奪われ、心が躍った。副題のエリエールが、どこでどう出てくるのかにも注目だ。13日からTOHOシネマズ六本木ヒルズ(東京都港区)ほか全国で公開。(キョーコ/毎日新聞デジタル)
<プロフィル>
キョーコ=出版社・新聞社勤務後、闘病をきっかけに、単館映画館通いの20代を思い出して、映画を見まくろうと決心。映画紹介や人物インタビューを中心にライターとして活動中。趣味は散歩と街猫をなでること。