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アイルランド・ダブリンへ語学留学し、ロンドンへ引っ越しをしたエディターでライターのハマコさん(33)=仮名=が、現地の人々とのふれあいなどをリポートする「33歳、海外留学します!」。今回は、ダブリンのストリートパフォーマーについてつづります。
◇バスカーズが集まるグラフトンストリート
私がアイルランドで感動したことの一つに、ストリートパフォーマンスのクオリティーの高さがあります。個人的には世界でトップクラスじゃないかと思うほど、どのパフォーマーも素晴らしい芸を披露しているんです。私がかつて見てきた東京のそれと比較すると、申し訳ないけれど確実に一線を画していると思っています。
アイルランドではいわゆる大道芸人やストリートミュージシャンのことを「バスカーズ」と呼ぶのですが、ダブリンにはバスカーズが集まる通りが、いくつも存在します。特に有名なのは高級ブランド店の並ぶグラフトンストリート。2007年に公開され、第80回アカデミー賞歌曲賞を受賞したラブストーリー映画「ONCE ダブリンの街角で」でも舞台となった場所です。
映画の主人公はシンガーの男性で、グラフトンストリートで歌っていた時に恋人と出会います。私は日本を離れる直前にこの映画を見たのですが、ダブリンのストリートシンガーに対する期待感がものすごく高まったのを覚えています。そんなふうに私がハードルを上げていても、ダブリンのバスカーズは期待を裏切りませんでした。
◇音楽、ダンス… ジャンルはさまざま!
グラフトンストリートのバスカーズは、主にミュージシャンやダンサー、アクロバティックな芸をする人、アート作品を披露する人、マジシャンなど。カテゴライズが難しいような個性的な芸をする人もいっぱいいるうえ、頻繁にニューフェースが登場するので、訪れるたびに新たな発見があります。
クオリティーが高いと冒頭で言いましたが、私の知る限りアマチュアのバンドでも、ほぼすべてのバンドがプロ並みの演奏をします。アクロバティック芸人に関しても「相当トレーニングしたんだろうなあ」とビックリするような芸を惜しみなく見せてくれます。ちょっとのつもりで足を止めたのに気づくと10~20分が経過していたなんていう経験も少なくありません。
◇ダブリンのバスカーズフェスティバルへ
昨年の夏、世界各国のバスカーズが集まるフェスティバルがダブリンのマリオンスクエアで開催されたので行ってきました。欧米の有名パフォーマーたちがそれぞれの持ち芸で競い合うお祭りです。ハラハラドキドキの芸と軽快なおしゃべりを披露する人、男女で迫力満点のアクロバットを披露する人々、昔ながらの腹話術で会場を盛り上げる人など、実にバラエティー豊かなバスカーズを堪能することができました。
「大勢の人の前で何かを披露して拍手を浴びる」。これってすごく難しいことだと感じます。特に私の性格はシャイで人見知りなので、こういう人たちを心底尊敬します。これからダブリンに行く機会がある人は、ぜひバスカーズに会いに行ってください。きっとお気に入りのパフォーマーと出会えるはずです!
<プロフィル>
ハマコ(仮名)。1980年生まれ。大学時代に短期留学を経験したものの、その後は英語と無縁の生活に。東京で会社勤めをした後、フリーランスのエディター、ライターに転身。インタビューの仕事の魅力にはまり、「もっと多くの人と直接会話をしたい! 海外の人にもインタビューしたい」とアイルランド・ダブリンへ留学。ダブリンの学校を修了した後、ロンドンへ引っ越しをして、現在は試験勉強に勤(いそ)しんでいる。