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前回ご紹介した「新玉ねぎとアスパラガスの酢の物」はいかがでしたか? 目にも鮮やかな一品を見て、和食は目でも楽しむことを再認識しました。見るだけでウキウキした気持ちになって、口に運ぶとそのおいしさでさらにうれしくなる。お料理って、作る人の思い一つで幸せな時間を運んできますね。今回ご紹介するのも、まさにそんな一品です。大切なポイントは、やはり基本となる下ごしらえでした。
◇レシピの「酒塩」は塩と酒を分ける
三浦さん:先生、次はいよいよお魚の料理ですね。
藤田さん:ではまずお魚の下ごしらえをやりましょう。作り方には3枚おろしと書きましたが、今回は切り身を使っていきます。
白身魚の蒸し物 梅ダレ添え
材料:白身魚500グラム だし2カップ 薄口しょうゆ 小さじ1 みりん 大さじ2 梅肉 大さじ2~3 片栗粉 適宜 いりごま 少々
作り方:1.白身魚は3枚におろして適当な大きさに切り分け、うす塩をして5分、酒をふり5分置く。蒸し器に入れて、中火で10分ほど火を通す。2.だしを温めて調味し、梅肉をとき入れて、水溶き片栗粉でとろみをつける。3.器に梅ダレをはり、白身魚を盛り、ごまを少々ふる。
藤田さん:よくレシピで、「最初に酒塩」とご覧になると思いますが、お酒とお塩をいっぺんにかけていませんか?
三浦さん:かけていますね。
藤田さん:そうすると効果が半減するんです。お塩は魚のくさみを出すもので、お酒はくさみを止めるものなんですね。だから同時に使ってしまうとくさみが出るまえに抑えてしまう。今日は切り身のお魚を使うので、まずは皮目の方に少し多めに塩をふります。これ、なぜだか分かりますか?
三浦さん:皮が固いから……?
藤田さん:皮の方が生ぐさいからなんです。お塩をふったらなじむくらい5分から10分置いていただきます。
三浦さん:結構しっかりお塩をふるんですね。
藤田さん:あとからお酒をふって洗うので大丈夫なんです。ここでお塩が少ないとくさみを出し切れないので、スーパーで買ったお魚が生ぐさくて好きじゃないという方は、この下準備をするだけでだいぶ味が変わってきます。時間は、真夏なら3分くらい。目安は、表面のお塩がとけて、中からなんとなく水分が出てきて光ってる感じ。では魚を置いておいて梅肉ダレを作りましょう。
◇梅肉ダレはグラグラ煮ないこと
三浦さん:先生の梅って大きなビンに入っているんですね!
藤田さん:これは業務用なんですよ。今日は業務用を使いますが、普通の梅干しから種をはずして使うときは、裏ごししたり、包丁でたたいたりしてください。私は梅肉をお料理に使うときはみりんを合わせるんですが、味がまろやかになるのと、酸味を飛ばしてくれるんです。梅を調味しただしで溶きのばしていくんですが、グラグラすると酸味が飛んでしまうので、沸いたら火から下ろして混ぜていきます。
三浦さん:先生、お魚がいい感じになってきましたが、次はどうしますか?
藤田さん:ちょうどお塩がなじんできたので、こうなったらお酒をまぶして、お酒で洗うようなつもりで浸してください。
三浦さん:洗うといっても、お酒の量は少ないですね。
藤田さん:少しで大丈夫なんですよ。洗ったらその生ぐさいお酒を捨てて、新たにお酒を少し振りかけて蒸します。では梅肉とだしを合わせたものをおしょうゆで味を調えてから、水溶き片栗粉を入れていきましょう。お鍋が沸いたら教えてください。
三浦さん:少し沸いてきました。よく料理の最中に、お鍋を放ったまま洗いものをしていて、お鍋がぶわーってふいてしまって中に入ってるものが出たりするのを何回か経験してるんですけど、先生はそういうことはないですか?
藤田さん:ありますよ(笑い)。
三浦さん:あるんですか!
藤田さん:そんなこと気にしてたら進めないから(笑い)。では片栗粉を入れますね。グラグラに沸いたところに入れるとダマになりやすいので、一回火から外して、鍋底をよくまぜながら入れていって、まんべんなく混ぜてください。そうしたらもう一度火にかけて、ダマにならないように鍋底から混ぜていきます。
三浦さん:わあ、とろとろー。先生、片栗粉の分量は?
藤田さん:今日は大さじ1杯半ぐらいですね。結構しっかり目にとろみをつけておかないと、白身魚にからまないのと、食べにくいんです。はい、お味見をどうぞ。
三浦さん:(味見して)すごくおいしいです!
◇味付けはメリハリが大切
藤田さん:味見して酸っぱかったらみりんを入れて、梅がしょっぱかったらだしで伸ばすといいですよ。
三浦さん:何にしても塩分の入り過ぎはよくないですよね。
藤田さん:今回のテーマが美とか健康ですけど、濃い味にしちゃうと、やっぱり健康面でよくないですし、いいところのお料理は、煮汁にしても酢のモノの合わせ酢などにしても薄かったりするんです。その代わり、主役はちゃんとした味がする。このお料理に関していうならば、梅ダレはちょっと薄いと思うぐらいでもよくて、白身魚にしっかり酒とお塩をしておくんです。そうするとくさみも抜けて、塩味が残って、食べた気がするんです。
三浦さん:お塩とお酒の下ごしらえだけで、お魚のいいところを出してあげる感じですね。ほかに白身魚でホイル焼きを作るときも、同じようにお塩をお酒で下ごしらえしたらいいんですか?
藤田さん:そうですね。お魚にはしっかりお味を付けて、付け合わせのお野菜を薄味にしてバランスを取る。全体に薄味だと食べた気がしなくてストレスがたまっちゃうので、こっちがハッキリなら、こっちは薄く。そうやって一品の中でバランスが取れればおいしくなっていきますよ。
三浦さん:白いお皿に赤い梅肉のあんがすごくキレイですね。目が覚める感じで、ホントにすてき。
藤田さん:この梅ダレは、冷やしてイカや白身魚のお刺し身のタレにしてもいいし、おそうめんのタレにしてもおいしいです。結構万能に何にでも使えますよ。
*……私は酸っぱい味が大好きなので、この梅ダレは本当においしくて、「イカにも合うし、そうめんのタレにも」と聞いた瞬間に、今度はそれを食べたくなってしまいました。すてきなお料理を前にするとテンションが上がりますね。次回はいよいよ、初のお魚3枚おろしに挑戦します。
心も体もキレイになって、毎日キラキラしましょう! できることは今からスタートですよ!