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女優の尾野真千子さんが、13日に配信がスタートした動画配信サービス「Hulu」のオリジナル連続ドラマ「フジコ」(全6話)に主演し、自身のリセットのために殺人を繰り返す女性フジコを演じている。原作は、読後感の悪いミステリー「イヤミス」といわれる真梨幸子さんのベストセラー小説「殺人鬼フジコの衝動」で、尾野さんは自身の代表作となりうる怪演を見せている。だが、当初はフジコに全く共感できず、依頼を断ろうとも思ったという。演じていて苦しいシーンが続いたという撮影での気分転換の方法や休日の過ごし方、生き方などを聞いた。
◇撮影中のオフタイムはお菓子で切り替え
ドラマは、一家惨殺事件の生き残りとしてトラウマを負った11歳の少女フジコは、「あたしは人生をリセットできる女」とつぶやきながら殺害を繰り返していく女性に成長。誰が彼女の家族を殺したのか? また、なぜ彼女は殺人を繰り返すのか。愛への渇望か、幸せへの執着か……というストーリー。
血のり25リットルを使い切ったという見た目にも凄惨(せいさん)な撮影現場だったというが、休憩時間は和気あいあいとしていたという。「(フジコの)だんな役だった高橋努さんとは以前も共演していたので、そこ(カメラが撮っていないとき)は明るくやっていこうと(笑い)。ほかの共演者の方たちもカメラが回ったら(フジコに)敵対心むき出しでやらなきゃいけないけれど、(休憩中は)本当の親子や家族みたいな感じで、真野(響子)さんらとみんなでピンクの口紅を見て笑い合ったり、血のりを見てもみんなでキャーキャーいいながら、わいわいやってました(笑い)」と思いのほか明るい現場だったという。
また休憩時には「お茶場があって、そこにお菓子がないと嫌だなという状態で(笑い)。そこに私は救いを求めてました。お菓子をいっぱい買ってきて、みんなで盛り上がって」と“別腹”のお菓子が心の栄養剤だったという。もちろん「オフのときは和気あいあいとして、カメラが回ったらピシッと切り替えて」とオン・オフの切り替えはきっちりとした。
◇家族だけで温泉旅行
「切り替えはうまい方」という尾野さん。1日休みがあったら「決まって何かをするということはないけれど、あまり外にはいかないで家の中のことなどできることをします」という。では、1カ月間の休みがあったら? 「不安になるでしょうね(笑い)」とちゃめっ気たっぷりに笑いつつ、「旅行行くこともあるし。ずっとごろごろしていることもあるし。海外にも行きます」と話す。
これまでに一番印象に残った旅行は、3年ほど前、城崎温泉(兵庫県豊岡市)に家族で旅行に行ったときのことだという。「父と母が同じ年なんですけど、両親の還暦のお祝いと姉が結婚前で婚前旅行とを兼ねての家族旅行で。大人数で気を使わない人たちとすごく楽しかったですね。総勢16人くらいで一つの宿を貸し切って、バス1台で家からみんなでバスに乗って、姉のだんなたちがバスの運転手だったりするので、その人たちが運転してくれて本当に家族だけで行ったんですよ。お酒も飲める年になってお父さんが楽しそうだった。あんなにうれしそうな父の顔、初めて見たような気がします。両親が本当にうれしそうで幸せそうでした」と思いをはせていた。
お酒を飲むのも好きで、「(飲んだら)ハッピーになります、といっておいた方がいろいろとね(笑い)。焼酎が好きですけど、全般的になんでも飲みます。焼酎は緑茶割りが好きですね」と笑う。
◇他人の動きに興味津々
他人に興味津々で、「男も女も関係なく動きを見ちゃいますね。私の視線の180度以上外側の人が気になる。目のはしでちらちら動いているのが(笑い)。意外と見られていないと思って油断をしているんですね。女性でも男性でも気を抜いて、素が見える。きれいな女性が素を出していたら面白いなって」と気がつくと人間観察をしているという。
そんな尾野さんが目指す女性像とは? 「普通の人が私の目指す人です。普通がいい。そこにはいっぱい宝が詰まっているので。いろんな女性がいるから。そんないろんな女性になれたらいいなと思いますね」と女優の顔で語った。
<プロフィル>
1981年11月4日生まれ、奈良県出身。中学生の頃、河瀬直美監督に見いだされ、「萌の朱雀」(97年)で主演デビューを飾る。同作が第50回カンヌ国際映画祭でカメラ・ドールを受賞し、自身も他の海外映画祭などで主演女優賞を受賞。2007年、再び河瀬監督とタッグを組んだ「殯(もがり)の森」がカンヌ国際映画祭グランプリに輝き評価を高める。NHK連続テレビ小説「カーネーション」(11~12年)では主演を務める。主な映画出演作に「EUREKA ユリイカ」(01年)、「リアリズムの宿」(03年)、「クライマーズ・ハイ」(08年)、「外事警察 その男に騙されるな」(12年)、「探偵はBARにいる2」(13年)、「謝罪の王様」(13年)、「そして父になる」(13年)、「ニシノユキヒコの恋と冒険」(14年)、「ソロモンの偽証」(15年)、「きみはいい子」(15年)などがある。公開待機作に「起終点駅 ターミナル」(15年)、「TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ」(16年)、「エヴェレスト 神々の山嶺」(16年)、「後妻業」(16年)がある。