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今週シネマ:22、23日公開の映画 「レヴェナント」「ズートピア」「アイアムアヒーロー」…

 今週末に公開される映画の注目作をピックアップする「今週シネマ」。22日には米俳優レオナルド・ディカプリオさんに今年の米アカデミー賞で主演男優賞をもたらした映画「レヴェナント:蘇えりし者」(アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督)が公開。23日にはディズニーの劇場版アニメーション「ズートピア」(バイロン・ハワード&リッチ・ムーア監督)、花沢健吾さんの人気マンガを基に、大泉洋さん主演で実写化した映画「アイアムアヒーロー」(佐藤信介監督)が公開される。

 「レヴェナント:蘇えりし者」は、昨年の「第87回アカデミー賞」で「グランド・ブタペスト・ホテル」と並び最多タイとなる4冠を獲得した「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」のイニャリトゥ監督最新作。米開拓時代を舞台に、大自然と自らの運命に抗った男の再生を描く重厚な人間ドラマで、大自然が猛威をふるう極寒の地で9カ月にも及んだ過酷なロケと、キャストの鬼気迫る演技、自然光のみを使った撮影・演出は高く評価され「第88回アカデミー賞」では主演男優賞に加え、監督賞、撮影賞の3冠を達成した。まさに「未開拓」と呼ぶにふさわしい大自然の中、照明に一切頼らず、時に日没後の数10分間の薄明の時間帯=マジックアワーさえも絶妙に切り取ったイニャリトゥ監督とルベツキさんの手による映像マジック、文字通り地をはい、雨水でのどをうるおし、獣を食らいながら、虫の息の状態から少しずつその身に力を宿し、最後には自らの手で復讐(ふくしゅう)を果たすことになる主人公の執念が乗り移ったかのようなディカプリオさんの神がかった演技に圧倒される。

 「ズートピア」は、動物たちが人間のようにハイテクな文明社会で暮らす世界“ズートピア”を描いた作品。大都会に思いをはせるウサギのジュディ・ホップスは、警察官になりたいという夢を抱いており、やがて努力の末、ズートピア初のウサギの警察官になる。だが、ズートピアを揺るがす史上最大の事件が起こり……というストーリーが展開する。日本語版では女優の上戸彩さんが主人公のジュディ、お笑いコンビ「サバンナ」の高橋 茂雄さんがジュディが配属された警察署の受付担当係のチーター、クロウハウザーの吹き替えを担当し、「E-girls」や「Dream」のメンバーで、昨年7月にソロデビューを果たしたDream Amiさんが主題歌「トライ・エヴリシング」を歌っている。新人女性警官のウサギのジョディが期待と不安を胸に大都会に出てきて、社会の荒波にもまれながら葛藤する物語にフレッシュマンは共感することだろう。

 「アイアムアヒーロー」は、謎の生命体「ZQN(ゾキュン)」があふれる世界を舞台に、主人公のマンガ家アシスタント・鈴木英雄や女子高生の早狩比呂美らが懸命にサバイバルする姿を描いている。英雄を大泉さん、比呂美を有村架純さんが演じるほか、長澤まさみさん、吉沢悠さん、岡田義徳さんらが出演。平凡な日常が特異な状況が発生することで、突然サバイバル生活を送ることになるという原作マンガの魅力を大胆に取り入れ、先の読めない展開で楽しませる。ZQNが登場するシーンをはじめ恐怖や絶望感にあふれる世界観だが、そんな重みをものともせず、どこかユーモラスさを感じさせる大泉さんの演技が秀逸で、ダメ男な英雄が変わっていくさまを見事に体現している。ZQNとの壮絶なアクションシーンは迫力十分。原作は連載中でありながら、すっきりとまとめ上げられたストーリーも心地いい。

 そのほか23日は、昨年4~6月に放送された京都アニメーション制作のテレビアニメ「響け!ユーフォニアム」を振り返る劇場版「劇場版 響け!ユーフォニアム~北宇治高校吹奏楽部へようこそ~」(石原立也監督)、人気マンガ「遊☆戯☆王」の劇場版アニメで、原作者の高橋和希さんが原作・脚本・キャラクターデザイン・製作総指揮を務めた完全オリジナルストーリー「遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS」(桑原智監督)が公開される。

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