「テラフォーマーズ」のワンシーン (C)貴家悠・橘賢一/集英社(C)2016 映画「テラフォーマーズ」製作委員会
貴家悠さん作、橘賢一さん画の人気マンガを基に実写化した映画「テラフォーマーズ」(三池崇史監督)が29日に公開された。映画はコミックス1巻掲載の“バグズ2号編”がベースとなっており、西暦2599年の火星を舞台に、とある生物が異常進化を遂げた“テラフォーマー”と、昆虫の能力を持った15人の日本人の壮絶な戦いを描いている。伊藤英明さんが主演を務めるほか、武井咲さん、山下智久さん、山田孝之さん、ケイン・コスギさん、菊地凛子さん、加藤雅也さん、小池栄子さん、篠田麻里子さん、滝藤賢一さんら豪華キャストも話題を集めている。
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21世紀、爆発的な人口増加が起き、人類はコケと“ある生物”を送ることで火星を地球化させる「テラフォーミング計画」を実行する。500年後、計画の仕上げとして、その生物を駆除するために、小町小吉(伊藤さん)ら15人の隊員が火星へと送り込まれる。しかし、“ある生物”は人型に異常進化した驚くべき姿となっており、隊員たちに襲いかかる……というストーリー。
人気マンガを実写化した今作は、上映開始からスピーディーかつ怒濤の展開で、原作の衝撃度を見事に再現している。そうそうたる顔ぶれのキャストが出演しているにもかかわらず、次々とテラフォーマーたちに登場人物が倒されていく描写は、見ていてい潔さすら感じる。人間たちが昆虫の能力を使って“変身”し、力を合わせて敵に立ち向かう姿は、どこか戦隊ヒーローを彷彿(ほうふつ)とさせ、虫への変異シーンのカッコよさやテラフォーマーのある種、割り切った造形などがアクションシーンを大いに盛り上げる。そこそこショッキングな演出があるものの、年齢制限は設けられていないのでグロテスクな描写が苦手な人でも安心して鑑賞できる。人気マンガが原作ゆえに賛否両論はあるだろうが、メッセージ性などは意識せず、迫力のバトルと独特の世界観を楽しみたい。小栗旬さん演じるマッドサイエンティストの“ジョーカー”ぶりが映画にスパイスを利かせている。29日から新宿バルト9(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)
<プロフィル>
えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。
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