映画の撮影秘話や女優の仕事について語った武井咲さん
女優の武井咲さんが、人気マンガを実写化した映画「テラフォーマーズ」(三池崇史監督)に、火星行きの船に乗る秋田奈々緒役で出演している。船に乗り込んだ15人の日本人はすべて昆虫の能力を身に着けているという設定で、武井さんが演じる奈々緒は「蛾(が)」に変異する。武井さんは「蛾を演じるなんて、いままでになかったのに加え、これからもやるとは思わなかったので、面白い役が来たなと思いました」と笑顔で語る。武井さんに、蛾に変異した際の撮影時の苦労やエピソードや女優の仕事について聞いた。
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◇アレルギーなのに蛾に変異
「テラフォーマーズ」は貴家悠さん作、橘賢一さん画のマンガが原作で、コミックスは累計発行部数が1600万部を突破するなど人気を集めている。西暦2599年の火星を舞台に“ある生物”が異常進化を遂げた“テラフォーマー”と、昆虫の能力を持った15人の日本人の壮絶な戦いを描いている。武井さんは、伊藤英明さんが演じる主人公の小町小吉とともに火星行きの船「バグズ2号」に乗り込む秋田奈々緒を演じている。
武井さんが演じる奈々緒は「クモイトカイコガ」に変異するが、実は武井さんは「私、“蛾アレルギー”なんですよ。だから蛾には近寄っちゃだめなんですけれど、実際にカイコガを見てみたら可愛らしいなと思いました」と演じる上では支障はなかったという。
ほかにも今作にはさまざまな昆虫や生き物が登場するが、「本物は苦手なんですけれど、作品的にはとにかく設定が面白いですし、壮大で、想像できないような話というのが魅力的だなと思いました。また、昆虫の生態なども知ることができて、普通の役を演じる感覚とは違って、本当にはまって撮影できたような気がします」と楽しみながら演じることができたという。
◇全身メークでワイヤにつるされ…
作品の性質上、アクションシーンやCGが登場する場面も多く、他の作品とは違う苦労もあったのではないか。「予告でもあるように奈々緒の首が折れたりするシーンはCGを使ったりもしていますし、一つ一つ細かく撮影していったので、インパクトのあるシーンが多いと思います」と自信を見せる。
また、「私はアクション的には大きな動きはとくになかったのですが、変異した際の特殊メークだったり、ワイヤを使って飛んだり……。半日以上かけて特殊メークを全身に施して、蛾が飛んでいるシーンをワイヤでつるされて浮いた状態で動きをつけたりしました」と映画全体の中でも見どころとなるシーンの撮影について語った。
◇監督が”なんともいえない表情”を要求…
武井さんが三池監督の作品に出演するのは、2012年の「愛と誠」以来、4年ぶりとなる。三池監督の印象を「監督の中でイメージが決まっていて、とても明確なので、こだわりは強いんですが、とても決断が早い方ですね」と表現する。撮影の際には「今回はCGを使う場面が多かったので、(出来上がりの映像は)監督の頭の中にしかなかったんです。だから撮影のときにどれだけ自分で想像力を働かすかが大事になってきました」と監督の思いを想像しながら演じていった。
奈々緒の心情については「強気なだけじゃなくて、はかなさというものを表現するために、前半はまだもっと強さを出していこう、蛾に変異したあとは、『なんともいえない表情をしてくれ』という難しい表現を監督から要求されました」と明かす。その“なんともいえない表情”をどう作ったかと聞くと、「そこは本編を見ていただいて(笑い)」とちゃめっ気たっぷりの笑顔で語った。
◇今をどれだけ楽しむかが目標
これまで、さまざまなドラマ、映画に出演してきた武井さんにとって、女優の仕事にやりがいを感じる瞬間は? 「自分じゃない人になれるというのは芝居する一つの魅力ですね。普通に生きていたら、こんなにたくさんの職業を体験することもないし、他の人になれることもないから、そういうところが面白いと思います」と目を輝かせる。
そんな武井さんは、10年後、どんなふうになっていると思うかと聞くと、「分からないですね。先のことはあんまり……。目標とか、こうなっていたいなというのはとくになくて。今ある目の前のことをどれだけ楽しむかということが目標のような感じなので、この先、こうなっていたいという理想はとくにはないんです。まず自分が思うように自由に過ごしていって、10年後も楽しく過ごせていたらいいな、と思います」と今を精いっぱい生きることに全力を注いているようだ。
次回は、休日の過ごし方や女性が輝き続ける秘訣(ひけつ)などについて聞く。
<プロフィル>
1993年12月25日生まれ。愛知県出身。2006年8月、「第11回全日本国民的美少女コンテスト」でモデル部門賞とマルチメディア賞を受賞しデビューのきっかけをつかむ。2007年、雑誌「セブンティーン」の専属モデルとしてデビュー。「櫻の園─さくらのその─」(08年)で映画初出演。「アスコーマーチ~明日香工業高校物語~」(11年、テレビ朝日系)で連続ドラマ初主演を果たす。続いて、3部作の映画「るろうに剣心」(12、14年)の神谷薫役で幅広い層から支持される。三池崇史監督作品は「愛と誠」(12年)以来の出演。 その他の主演作は「今日、恋をはじめます」(12年)、「クローバー」(14年)など。最新作は16年1月期のフジテレビ系ドラマ「フラジャイル」。「テラフォーマーズ」は全国で公開中。また映像配信サービス「dTV」では映画の出演者のほか、林遣都さんらオリジナルキャストも登場するドラマ「テラフォーマーズ/新たなる希望」が配信中。
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