映画「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」のメインビジュアル (C)2016「植物図鑑」製作委員会
ダンス・ボーカルグループ「EXILE」「三代目 J Soul Brothers」のメンバー、岩田剛典さんと、女優の高畑充希さんの映画初主演、初共演作となる「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」(三木康一郎監督)が4日から公開される。原作は「図書館戦争」シリーズや「阪急電車」などの著書で知られる有川浩さんの同名小説。さすが有川さんの作品の中でも「胸キュン度が最も高い」と評判の小説が原作だけあり、存分に胸を締め付けられるピュアなラブストーリーに仕上がっている。
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不動産会社で働く河野さやか(高畑さん)は、冬のある夜、アパートの前で倒れていた「樹(いつき)」と名乗る青年(岩田さん)に、一夜の宿を提供する。それをきっかけに、「半年間」という期限付きで同居生活を始める2人。苗字も明かさず、野草に詳しいという以外は謎の樹だったが、家事全般を引き受け、週末ごとに河原や土手での野草刈りに連れて行ってくれる彼との生活は、さやかの味気なかった毎日を、徐々に張り合いのあるものに変えていく。しかし「半年」の期限は容赦なく迫ってきて……というストーリー。
正直に打ち明けると、さやかと樹の出会いの場面を見たとき、いくらイケメンで悪い人に見えなくても、素性の分からぬ男性を、嫁入り前の若い娘が自宅に上げるなど無防備過ぎやしないかと思った。しかし、その思いは、ものの数分で消え去った。それはひとえに、岩田さんと高畑さんの魅力があればこそ。岩田さんの爽やかな笑顔の引力に抗うのは至難の業だし、高畑さんの、フォトジェニックな顔立ちとくるくると変わる表情に、見入られずにはいられなかった(ついでに、岩田さんのエプロン姿のすてきなことといったらない)。そんな2人が手を取り合って土手を下ったり、河原で採取した野草を一緒に調理したりと、見ていてほほ笑ましくなるエピソードが満載で、樹の言動に対するさやかのリアクションがいちいち愛らしく、また、それをうれしそうに見つめる樹の柔らかい笑顔に、これまた心をくすぐられ……と、胸はキュンキュンしっ放し。極め付けは、さやかが本心をぶちまけ、“引き金”を引いてしまったときの樹のリアクション。これには、一体どれだけの女性客が悲鳴を上げるのだろうか、と思わずにはいられなかった。
そんな2人が織りなすラブストーリーは、同時に、野草の存在とそのありがたみをさりげなくアピールする。ノビルにフキ、ワラビにクレソンなど、野草を使った料理にこれほどまでに心を癒やされるとは思わなかった。4日から丸の内ピカデリー(東京都千代田区)ほか全国で公開。 (りんたいこ/フリーライター)
<プロフィル>
りん・たいこ=教育雑誌、編集プロダクションを経てフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(78年)と「恋におちて」(84年)。
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