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ジュリア・ロバーツさんとニコール・キッドマンさんという二大女優が初共演した映画「シークレット・アイズ」(ビリー・レイ監督)が、10日から公開される。13年前に迷宮入りした殺人事件の再調査によって、驚がくの真実が浮かび上がるサスペンスミステリーで、過去に米アカデミー賞外国語映画賞を受賞した作品をハリウッドがリメークした。再調査に乗り出す私立探偵を、「それでも夜は明ける」(2013年)でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされたキウェテル・イジョフォーさんが演じいる。
13年前のFBI捜査官時代、ある殺人事件で苦い思いを味わった私立探偵レイ・カステン(イジョフォーさん)は、迷宮入りとなったその事件を執念で追いかけていた。そして、ついに犯人につながる手がかりを見つけたレイは、被害者の母で、親友でもあった検察局捜査官のジェス・コブ(ロバーツさん)と、当時捜査に関わった検事クレア・スローン(キッドマンさん)の元を訪れる。再調査に乗り出した3人だったが……というストーリー。
愛する者を失い、13年間、悲しみと憎しみの中に閉じ込められてきたジェスと、その絶望から彼女を解放させてやりたいと願うレイ。さらに、正義と愛のために2人をサポートするクレア。この三人三様の思いが、緊迫するストーリーと相まって、じわじわと胸に迫ってくる。透き通るような肌に凜(りん)としたたたずまいで、際立った美しさを見せるキッドマンさんと、ほぼすっぴんで憔悴(しょうすい)しきった姿をさらすロバーツさん。その対比が、ジェスの被害者の母という立場を浮き彫りにし、一層の哀れを誘う。ちなみにロバーツさんは、同時期公開の「マネーモンスター」では、テレビ局のやり手ディレクターを演じている。その差の著しさに、当然ながら「さすが女優」と実感させられた。
ベースとなったのは、米アカデミー賞外国語映画賞に輝いた、スペイン・アルゼンチン合作映画「瞳の奥の秘密」(2009年)。オリジナルで強めに出ていたロマンス色が控えられていたこともあり、驚がくのラストに、さらにひねりを加えた今作には、別の感慨とカタルシスを味わった。10日からTOHOシネマズシャンテ(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/フリーライター)
<プロフィル>
りん・たいこ=教育雑誌、編集プロダクションを経てフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(78年)と「恋におちて」(84年)。