検索

あなたにおすすめ

今週シネマ:17、18日公開の映画「クリーピー 偽りの隣人 」「MARS」「貞子vs伽椰子」…

 今週末に公開される映画の注目作をピックアップする「今週シネマ」。18日には、西島秀俊さん主演のサスペンススリラー「クリーピー 偽りの隣人 」(黒沢清監督)、人気グループ「Kis-My-Ft2(キスマイフットツー)」の藤ケ谷太輔さんと窪田正孝さんのダブル主演で惣領冬実さんのマンガを実写化した「MARS(マース)~ただ、君を愛してる~」(耶雲哉治監督)、モデルで女優の山本美月さんが主演したホラー「貞子vs伽椰子」(白石晃士監督)などが公開される。

 「クリーピー」は、第15回日本ミステリー文学大賞で新人賞を受賞した前川裕さんの小説を、ホラーの巨匠、黒沢清監督が映画化した作品。西島さん演じる元刑事で犯罪心理学者の高倉が、元同僚から依頼された一家失踪事件の分析に挑みつつ、自身も“奇妙な隣人”によって別の謎に巻き込まれていく……というサスペンススリラーで、竹内結子さんが高倉の妻を演じており、“奇妙な隣人”を香川照之さんが演じているほか、東出昌大さん、川口春奈さんらが出演している。タイトルの「クリーピー」とは「ぞっとする、ぞくぞくする」という意味で、その名の通り、香川さん演じる“奇妙な隣人”はスクリーンに映っているだけで独特の不気味さを醸し出している。西島さんや香川さん、初参加の竹内さん、川口さん、東出さんらのせりふのいい回しは舞台演劇のようで、平凡な日常の風景の中でせりふが奇妙に浮き上がり、心理的な恐怖をじわじわと演出することに成功している。

 「MARS~ただ、君を愛してる~」は、1996~2000年に少女マンガ誌「別冊フレンド」(講談社)で連載されたマンガが原作で、今年1月期に日本テレビで連続ドラマが放送されている。複雑な過去を抱え刹那(せつな)的に生きる樫野零(藤ケ谷さん)は周囲から孤立して生きる麻生キラ(飯豊まりえさん)と恋に落ちる。そこに零の死んだ弟の聖の親友・桐島牧生(窪田さん)が転校してくる。零とキラのよき理解者のように見えた牧生だが、実は零の激しい凶暴性という秘めた一面に強く憧れており、変わりつつある零を許せず、2人を引き裂こうとする……というストーリー。牧生を演じる、窪田さんの鬼気迫る演技は怖いくらいのはまり役。真っすぐで純粋なキラを演じる飯豊さんと、大切な人を守る強さに気付いていく零を演じる藤ケ谷さんの好演が三者三様でドラマを盛り上げる。男同士の複雑な感情やサスペンス要素など異色の展開にも注目したい。

 「貞子vs伽椰子」は、「リング」シリーズの貞子と「呪怨」シリーズの伽椰子という日本ホラー界の2大キャラの“最恐対決”を描いた作品。山本さんが偶然“呪いのビデオ”を入手した女子大生の倉橋有里役でホラー映画初主演を果たしているほか、伽椰子と俊雄の母子霊に脅かされていく鈴花役でモデルの玉城ティナさん、霊能界の異端児役で安藤政信さん、有里の親友役で佐津川愛美さんらも出演している。ホラーキャラによる対決ものという異色作ながら、物語の序盤ではじわじわと恐怖心をあおっていくなど、正統派のホラー演出で背筋をひやりとさせてくれる。貞子と伽椰子のバトルシーンも見応え十分だ。    そのほか18日には、俳優の三浦友和さんが主演で父親の威圧的な振る舞いによって崩壊していく一家の悲劇を描いた「葛城事件」(赤堀雅秋監督)が公開。17日にはヒトラーが現代に現れて人気者になるという大胆な設定で大ヒットしたドイツの小説を映画化した「帰ってきたヒトラー」(デビッド・ベンド監督)などが公開されている。

本・シネマ 最新記事

Pick Up

アクセス上位記事