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お笑いタレントのイモトアヤコさん(31)が主演を務めるNHKのドラマ「あなたにドロップキックを」が、17日に放送される。イモトさんにとってNHKドラマ初主演作で、トレードマークの太マユを封印し、自分の生き方に悩む同世代の等身大の女性を体当たりで演じている。「自分でもびっくりするような表情が何個もあった」と語るなど、女優として新境地を開いたイモトさんに、ドラマの見どころや女優業への思いを聞いた。
ドラマは、日本放送作家協会とNHKが共同で開催するオリジナル台本のコンクール「創作テレビドラマ大賞」受賞作が原作。婚約者の小林(高橋光臣さん)から、「本当に好きな人が幼なじみだと分かった」と告げられ突然、婚約を破棄された秋子(イモトさん)はある日、女子プロレスの悪役としてリングで体を張る同い年のモモ(惡斗さん)と出会う。モモの繰り出すドロップキックに魅入られてジムに通い始める秋子は、悪役レスラーであることを恋人に言えないモモの背中を押しているうち、いつまでも「他人の人生の脇役でいいのか」という思いが芽ばえ、自分の人生を「主人公」として生きようと決意する……。
◇エンディングの踊りは「アドリブ」 ガッキーの恋ダンス「超えた」
完成したドラマについて「今までで一番、多く見たかもしれない。もう5回くらい。自分でも気に入っちゃっていますね」と話すイモトさん。「自分の知らない表情、自分でもびっくりするような表情が何個もあって、『こんな顔するんだ』って。演じていて気がつかなかったところで、そこがお単純に面白くて何回も見ちゃいましたね」と振り返る。
ドラマの見どころはズバリ「その表情」で、「主人公は急に婚約者にフラれ、本当にもう絶望から始まって、『この人、どうやって生きて行くんだろう』ってなるんですけど、でもそういうもがいてる姿っていうのは、私はすごく好きで、その姿も見ていただきたいです」とアピールする。
また一番のおすすめシーンは「エンディング」といい、イモトさんはウエディングドレス姿で奥田民生さんの歌う「愛のために」に合わせて踊りを披露している。エンディングで歌に合わせてダンスするのは、新垣結衣さん主演の連続ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ(逃げ恥)」の“恋ダンス”がおなじみだが、イモトさんの踊りはアドリブの一発撮り。「新垣さんは振り付けあってのダンスだったと思うんですけど……」と対抗心をのぞかせ、「私は感じるままにアドリブで、心の準備もないままとりあえず自分の魂に思いを乗せて踊ってみました。ガッキーは超えました。最高でした」と自画自賛していた。
◇今後も「自分をカッコいいと思える生き方ができたら」
また劇中ではタイトル通りに見事なドロップキックを披露しているが、「本当にプロレスに入団するんじゃないかって気持ちで、本格的にやりました」と話すと、「(元女子プロレスラーの)惡斗さんには『才能がある』って言われて、一個、特技ができたかな」とにっこり。またプライベートでドロップキックを食らわしたいことは「しょっちゅうありますね。怒りの沸点は低い方なので」といい、「(相手が)誰とかは、あまり詳しく話すと、角が立つので……。ただ多々あるってことは確か。表情には出さないけれど、心の中でドロップキックしていることは結構あります」と語っていた。
そんなイモトさんに改めて女優として今後の目標を尋ねると、「女優と芸人、バラエティーとお芝居を明確に分けるというよりは、面白そうだなと自分が思うことをやって、いい40(歳)の女になっていたい」ときっぱり。さらに「自分で自分をカッコいいと思える生き方ができたらいい」と力を込め、「今、31歳で、今の自分が結構好き。それは多分、20歳から10年間、何となくもがいてきたからそう思えるので。ここから10年またもがけば40歳になった時に、また自分をカッコいいなと思えるのかな」と10年先を見据えていた。
「あなたにドロップキックを」はNHK総合で17日午後10時1分~同50分に放送される。