映画「めがみさま」に出演した(左から)新川優愛さん、松井玲奈さん、廣瀬智紀さん
元「SKE48」で女優の松井玲奈さんとモデルで女優の新川優愛さんのダブル主演映画「めがみさま」(宮岡太郎監督)が、10日から公開される。主演の松井さん、新川さんと、2人に大きく関わる共演の廣瀬智紀さんに、自身の役への思い、映画の見どころをインタビューした。
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行き場を無くし人生に絶望した女性と、そんな環境を克服した女性との奇妙な出会いを描く物語。職場でのいじめや母市絵(筒井真理子さん)からの過干渉で人生に絶望していた田舎の医療事務員、佐倉理華(松井さん)。自分と同じ環境を克服したセラピストのラブ(新川さん)と知り合い、その言葉に感銘を受けた理華は、ラブのセミナーを手伝い始める。セミナーは好評で、ラブは受講者から「めがみさま」とあがめられるようになる。セミナーに参加してラブに救われた川崎拓海(廣瀬さん)も、理華とともにラブを手伝い始めるが、ある事件をきっかけに2人の関係に不協和音が生じ始める……という展開。
--台本を読んだ印象はいかがでしたか?
新川:どう話していいか難しい。自分の役柄を含めてなんですが、読み終わった後も、何が正しいんだろうと思った。人間のいい意味での生々しさが台本に描かれていると思いました。
松井:私も、正解って何なんだろうと思った。でも、ラブが『心を解放したらいい』『自由に生きるのはいいこと』と皆に伝えている言葉自体は、自分で納得できました。実際に(映画の)場面になったらどうなるのか、興味が湧きました。
廣瀬:僕は主演の2人とは違う立場、人生に打ちひしがれていて、その中で2人に出会った。どんなことでも救われる人っているんだなと思いました。何が正解かは分からないですが、確実に救われている人がいて、そうやって起こっていく人間模様にすごく興味があった。映像化が楽しみだった。
--自分の役の印象は?
新川:我が道を行く役。難しかったのは、ラブの話をみんなが聞きたい、と思うためには、それだけの魅力があって、どこか人が引き込まれてしまう話し方だったり、印象があるんだろうなと思いました。それを自分の体と声と表情で、どう出せばいいのかは悩みましたね。
松井:たぶん一番、会社でも家でも自分の居場所を見いだせない、世界の中で自分が独りぼっちになっているような気持ちを抱えている子。ほかの登場人物との心の距離感、どう接すればいいんだろうかと、すごく悩みながらやっていました。場面によって感情の浮き沈みとか、人に対する思いが変わるので、そういうところを丁寧にちゃんとできればいいな、と思いました。
廣瀬:僕は、ストーリーの構成上、難しい役どころ。すごく繊細に演じました。見てもらうと伝わると思いますが、2人との接し方もすごく神経を使った。映画の中で、普段の2人に接するのは川崎だけなんです。
--ダブル主演の2人、お互いの印象は?
新川:ちゃんとお仕事させていただくのは初めてだったので緊張していました。でも、(松井さんは)みんなに優しくて、演技の相談もしやすかったです。ちょっと空いた時間に話しかけるのが怖くない(笑い)。監督やスタッフさんと演技を相談していて、「すごくこの作品に思いのある方だ。わ、ついて行こう、お姉さん!」と思っていました。
松井:恥ずかしくなっちゃう(笑い)。(新川さんは)台本読みの時からすごく堂々として、「ラブだな」と思った。実際に撮影しているときも、セミナーで、悩みをラブが解決しているんですけれど、横に立って聞いている自分自身も、救われているかもしれない、という感覚がありました。劇中で(つばの広い)女優帽をかぶって、コートをさらっと着て歩いている姿は、めちゃくちゃかっこよくて、私は地味な格好で歩いていて、役作りにはちょうどいい。華がある感じと、道ばたに生えているつくし、みたいだと思って芝居していました。
新川:恥ずかしい! (ラブと理華は)髪とか服とか、すごい対比。監督がこだわってくださって、長さが同じ髪型なんでシルエットは同じなんですけれど、(ほかで)全然違って見えるとか、すごくこだわってましたね。
--ファンにひと言お願いします。
新川:どう感じるかは人それぞれなんですけれど、社会でみんなと過ごす中でなにが大事か、人間の欲やその半面の優しさ、いろんな側面を見られると思います。ラストシーンはありますけれど、ラストは皆さんが決めてくれればと思います。
松井:本当に、見終わったあとに「自分って本当はどうなりたいんだろう」と改めて考えるきっかけになる。劇中の言葉に勇気をもらうこともあれば、それが逆に、人にとっては恐怖になってしまうこともある、という教訓も描いているので、ちょっぴり不思議なサスペンス映画だと私は思っています。楽しみながらその不思議さを感じ取ってもらえればうれしいです。
廣瀬:何度でも楽しめる作品になっていると思います、とよく言いますが、「何度でも」というのは、この作品こそ、という感じがします。初めて見たときに感じ取った思いを、2度、3度見て味わい深いを感じてもらえればと思います。
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